【4回京都】ライラムーン…小平奈由木の注目新馬レポート

ライラムーン
(牝2、栗東・佐々晶厩舎)
父:キングカメハメハ
母:ライラプス
母父:フレンチデピュティ

2年連続してチャンピオンサイアーに輝き、ディープインパクトの登場後も勝ち鞍を伸ばし続けるキングカメハメハの産駒。現3歳ではレッツゴードンキ(桜花賞)、ドゥラメンテ(皐月賞、ダービー)がクラシック制覇を成し遂げた。コンスタントに勝ち上がるうえ、豊富な成長力にも定評があり、ローズキングダム(朝日杯FS、ジャパンカップ)、ルーラーシップ(クイーンエリザベス2世C)、ラブリーデイ(宝塚記念)、アパパネ(阪神JF、牝馬3冠、ヴィクトリアマイル)だけでなく、スプリント部門へはロードカナロア(スプリンターズS2回、香港スプリント2回、高松宮記念、安田記念)、ダート路線にもホッコータルマエ(かしわ記念、帝王賞2回、JBCクラシック、東京大賞典2回、川崎記念2回、チャンピオンズC)など、様々なカテゴリーに一流馬を送り出している。この世代からも大物の誕生が待たれる。

母ライラプス(その父フレンチデピュティ)はクイーンCに優勝。その半弟に朝日杯FSなど重賞3勝のフサイチリシャールがいる。祖母が4歳牝馬特別をはじめ重賞を4勝し、G1でも桜花賞2着、エリザベス女王杯2着(2回)と健闘したフサイチエアデール。現3勝のプロクリスは同馬の全姉にあたる。総額3000万円でサンデーサラブレッドクラブの募集馬となった。

ノーザンファーム空港で乗り込まれていた段階でも、軽快な動きが目立っていた。9月4日、栗東に入厩。24日に2回目のチャレンジでゲート試験をパスすると、無理なくペースアップされた。週に2回、しっかり時計をマーク。仕上がりは良好である。

現状ではスピード勝負が最適と見て、10月17日(土)、京都の芝1200mへ。浜中俊騎手が手綱を取る。



小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判 になっている。