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今年のディープインパクト産駒の勝利第一号は、キャスパリーグ
2016/6/14(火)
16年6/11(土)3回阪神4日目5R 2歳新馬(芝1200m)
キャスパリーグ
(牝2、栗東・浅見厩舎)
父:ディープインパクト
母:レジェンドキャット
母父:Storm Cat
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父がディープインパクト。母の父がストーム・キャット。これがただ今、世界No.1のレーテイングとなったエイシンヒカリと同じ配合である。キズナもまさしくこの配合で、《黄金比》と言われる血統でもある。
直線での追い合いで鞍上の藤岡佑介Jのステッキが左2発、右2発と入りもう1発、ゴール少し前で入れたが、その後は流してのゴールと見た目以上の強さで初陣を飾ったキャスパリーグ。今年の2歳ディープインパクト産駒のトップバッターが即、結果を出したものであった。
TV観戦であるが、パドックからしっかりと見る。アダムバローズは少し馬っ気を出していた。11頭中牝馬が5頭。総じて牝馬の早や仕上がりと言われる。返し馬までジックリと全馬を見れないのが残念だが…。
ゲートで、最内枠のサツキユニヴァースとブリシンガメンのダッシュがなかった。当然にゲートの出は大事である。アダムバローズ、キャスパリーグ、スズカブラック、ムテキングスに外のトミケンナプロストの5頭が、ほぼ同じぐらいに出た。そこから前向きに出て行ったのがキャスパリーグとその内のスズカブラックと松若Jのトミケンナプロスト。この松若Jはゲートセンスのいいジョッキーである。内のスズカブラックが少し押して先に行こうとする意思を感じたが、外のトミケンナプロストが前に出る。キャスパリーグが3番手から、スーサンゴーが上がってきて4番手となって2ハロンを過ぎる。
前半の3ハロンは35.2。スーサンゴーが2番手に上がり、アダムバローズも、位置をキャスパリーグの前の4番手とする。ここらで内にいたムテキングスの位置が後ろへとなっていく。出が遅かったブリシンガメンがだいぶ追いかけて来ていたが、ここらでは勢いが付いて、逆にMデムーロJが手綱を抑えて、そのムテキングスの外めにいる。サンライズキリシマがすーっと上がって行き、4角に入る時にはけっこうな塊となった馬群となる。アダムバローズが持ったままの手応えで3番手の外で待っていた。その内の馬群の中にキャスパリーグ、外の動きを見ている様子だ。
4角を廻って直線に入って来たが、上手く外へ出せたキャスパリーグ。前にはアダムバローズで、1馬身ぐらいの差とした。ムテキングスも内から真ん中へと出して来て、いっぺんに差を詰めている。
ラスト300のオレンジ棒で逃げたトミケンナプロストが内へササってしまっている。ラスト200、スーサンゴーを交わしてアダムバローズが先頭かと思う間もなく、キャスパリーグが交わして行く。凄い切れ味と言った感じではないが、渋太く脚を使って行くと言った印象の伸びであった。藤岡佑介Jがキャスパリーグの頭を2度、愛撫の仕草でゴール板を通過した。
アダムバローズに最後頭まで迫ったムテキングス、位置から考えても使った脚は一番ではなかろうかと思えるもの。いやいや、1頭いた。5着に入ったサツキユニヴァース。ブービーを内ラチ沿いで追走。4角で馬群の最後に取り付きジワジワと伸びて来ていたもので、最速の上がり脚を使っていた。
前半3ハロンが35.2で、後半の上がりが35.7。やや平均ペースの流れでの最後の決め脚勝負の決着。行ける脚も十分にあったが好位で脚を貯め、それも馬群の中でじっとさせて、外へも出せて最後にステッキにもちゃんと反応をしたキャスパリーグ。まずは優等生みたいな勝利であった。
火曜朝に厩舎サイドの話も聞けた。浅見恵一助手だ。彼ならストレートに聞ける。《まず、何で藤岡佑介なんだ~》と。『ルメールを頼んであったのが、彼がアウトなんででした』と即答。《まるで古馬みたいな競馬で勝ったが…》には、『稽古でもいい感じだったし、馬の中で我慢させておけば終いはいい脚を使えるからと言っておいたんです』と作戦どおりだった様だ。
思惑どおりの結果を出す、これってなかなか出来るものでもない。さすがディープインパクト産駒ならではの仕事ぶりでした。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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