マイペースの逃げで悠々の勝利、メイショウソウビ快勝!

メイショウソウビ

16年7/2(土)3回中京1日目5R 2歳新馬(芝1400m)

メイショウソウビ
(牡2、栗東・飯田厩舎)
父:プリサイスエンド
母:カクテルローズ
母父:タニノギムレット

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デビューから14戦無敗、G1を10連勝と世界的名馬のフランケル。その産駒のライズイーグルのデビュー戦。当然に興味津々のパドックであった。1.7倍の支持で、圧倒的1番人気でデビューを迎えたライズイーグル。残念ながらデビューをいい形では終えれなかったが、世界的名馬の血が日本にも入ってきていることに嬉しさを覚えるもの。
勝負は厳しく、好発からマイペースの逃げを展開して着差以上の強さで勝ったのは、プリサイスエンド産駒のメイショウソウビだった…。


ライズイーグルの馬体を観て、ちとガッカリ。もっといい馬かと思った。私の眼が悪いのだろうかとも。返し馬でも、ちっともいい処を見せない。
案の定、実戦に行っても反応していない。まだ馬が若すぎて、何がなんだか判っていない様だ。最後に次走の優先権利内に来たのが、デビュー戦の見どころだったか。

そんな後続馬を、我関せずとマイペースの逃げで最後まで追い出しもゆっくりと、着差以上の楽勝をしたメイショウソウビ。しっかりと乗り込んでの実戦と見受けた。返し馬の雰囲気も悪くなかった。
ゲートが開いた瞬間は内ではタガノエクレール、外ではスピリットオブラブがポンといいスタート。ライズイーグルは、出は悪くないのだがその後のダッシュが今ひとつで、一瞬に後方となる。メイショウソウビも出自体はそんなに早くなかったが、二の脚で1ハロンも行かないうちに先手が取れた。
道中で頭を上げてしまうスピリットオブラブ。馬が若いのだろう。そのすぐ後ろでディアドラが折り合いついて行きっぷりがいいのと、好対照だった。


1馬身ぐらいの差をつけて逃げるメイショウソウビ。3角過ぎに2番手に上がったディアドラにだんだんと差を広げていき、4角手前では3馬身近く開いた。直線に入ってきても、メイショウソウビの脚色は衰えず、追い上げる後続組がステッキを入れたり追いだしたりしているのに、まだまだ持ったまま。
坂を上がってラスト300mの赤白のハロン棒を過ぎるあたりで、幸四郎Jはチラリと横を見る仕草。そしてラスト200mのハロン棒でゴーサイン。ステッキを2発入れてのゴールだった。
2着はそのままディアドラが入り、3着にはスピリットオブラブがそれまでの若さからは脱却しての伸び。一番いい脚を使ったのが、4着のキョウヘイ。34.6の脚を使っていた。ライズイーグルが何とか5着、馬が若い感じを受けた。

前半の3ハロンが34.9で、上がり3ハロンが35.5。坂を上がるまで、鞍上の幸四郎Jは追い出さない。その時には後続のディアドラやスピリットオブラブはステッキを入れて追い出していた。この差は歴然で、最後まで影をも踏ませない完璧な逃げで、2馬身半の楽勝であった。しっかりと芝にCWで時計を出しての実戦。持てる力をちゃんと出せた結果であろうが、印象としては馬っぷりも競馬っぷりも、なかなかだったかと思える。そんなメイク・デビュー戦だった。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。