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ノーステッキで最後まで涼しい顔、ディーパワンサが初陣を飾る!
2016/7/5(火)

16年7/3(日)3回中京2日目6R 2歳新馬・牝(芝1400m)
ディーパワンサ
(牝2、栗東・松下厩舎)
父:ディープブリランテ
母:ポロンナルワ
母父:Rahy
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前半は後ろの2頭を除いた10頭が、ほとんどひと塊で進む流れ。好位の4番手の内で脚を貯めていたディーパワンサ。直線では数頭がひしめいて隙間がない状態。外のマルカソレイユと並ぶタイトな空間に突っ込み、そこからひるまずにしっかりと伸びていった。鞍上の川田Jは、最後までステッキを抜く気配もみせずのゴール。着差以上の楽勝劇で、初陣を飾った。
ひとつ前のレースでは、福島でラジオNIKKEI賞へ遠征中のブラックスピネルの妹、モーヴサファイアが勝ち名乗りを上げた。だが強烈さでは、この牝馬限定戦のディーパワンサの方がインパクトが強かった。
人気を二分したのがマルカソレイユ。スタートからのダッシュ力ではマルカソレイユの方が上。3頭並んだ一番外で進める。ディーパワンサは川田Jが少し強めに押して先行する1列目3頭のすぐ後ろに、位置を確保する。
10頭が3列でひしめきあう団子状態で進む。内ラチ沿いの絶好の4番手を進むディーパワンサ。後ろにルメールJ騎乗のドロウアカード。当然にラチ沿いを進めていける馬が、最後には出てくる。4角手前でマルカソレイユは横並びから3番手に控え気味。いくらか外へもたれ気味だった様である。
4角から直線へと向けて馬体が見えてくる時に、前を行くベルカプリとマルカソレイユが、外へ流れ気味のコーナーリングだった。
その後ろの左手でじっとしているディーパワンサ。直線に入ってきて勝負処のラスト400mを過ぎたあたりで、マルカソレイユとベルカプリの間の僅かな隙間に馬を突っ込む。ここらが凄い川田Jの騎乗ぶりである。
相手を弾き飛ばすかの様にスペースを確保したディーパワンサ。前にいたベルカプリがバテて内へと入ると、もう前には誰もいない。川田Jのステッキは、右手に持って手綱と共に馬のクビの処にあるまま。ピンと張った手綱をただ押すだけの所作でゴールへと向かう。その後ろの開いたスペースにドロウアカードが入ってきて前を追うが、ディーパワンサを上廻る脚色にはならず。3着にモンローが突っ込んできた。
マルカソレイユは、最後は手綱を抑えたままでのゴール。何が何だか判らないままにレースを終えた感じだったかと思える。
424キロのディーパワンサだが、もっとある様にパドックでの映像では思えたもの。父ディープブリランテの最初の勝ち鞍となった。レースセンスもいいし追われてどれだけの脚を使えるのか、未知の魅力もある。
1週目の3鞍の勝ち馬は、どれも悪くないものと思えるもの。まだまだ始まったばかりの中京戦。最後の中京2歳Sが、断然に面白くなってきたと言えようか…。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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