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重賞2連勝で完全復活ルージュバック!さあ、戸崎圭太とG1制覇だ!
2016/10/9(日)
ルージュバックの全5勝は戸崎騎手の手によるもの 次はG1制覇が待たれる
土曜から断続的に続いた雨は日曜朝を迎え、さらに激しさを増し、2000年代になって初の重馬場での開催になるかと思われた毎日王冠(G2)。午後になり、雨脚も止むと馬場も回復。レース時にはやや重にまで回復したが、水分を含んだ馬場を駆け抜け、レースを制したのは紅一点・ルージュバック(牝4、美浦・大竹厩舎)だった。
序盤から唯一、ポジションを下げたヒストリカルを除けば、概ね一団でレースは進む。「あまり位置は気にせず、この馬の末脚を信じようと思いました」とは戸崎圭太騎手。鞍上の思惑通り、馬群の後方でじっくりと脚を溜めると、隊列に変化のないまま4角を回る。直線ではインを突いた馬たちは伸びあぐね、そのあおりで詰まる馬たち。それらを尻目に、外に進路をとったルージュバックは後方2番手から矢のような伸び。アンビシャスも必死の抵抗をみせたが、最後はクビ差交わして、重賞連勝を飾った。
「思っていたよりもペースは落ち着きましたが、脚もしっかり溜まっていましたし、この馬本来の脚を使ってくれましたよ」と戸崎騎手。ルージュバックの11戦中10戦で手綱をとってきた主戦は胸をなでおろすようにレースを振り返った。
デビューから3連勝できさらぎ賞(G3)を制し、キャリア4戦目の桜花賞(G1)では、単勝1.6倍の圧倒的支持を集めたように、早くからポテンシャルの高さを認められていた。前評判の高さを思えば、いまだG1タイトルに手が届いていないのは不思議に思えるものだが、久々の連勝で完全復調をアピールした。
「今日はトレセンにいる時よりも落ち着いていたのではないかと思うほど。デビューから馬体重が変わっていませんし、成長したというよりは、持っているものをしっかり出せるようになってきたのかもしれません」と管理する大竹正博調教師はその変化を評する。
初めてのG2タイトルを手にしただけでなく、これで天皇賞(秋)(G1)の優先出走権を獲得。今後の動向に焦点が集まる。「道悪でのレースでしたし、ダメージがないか、チェックしてからですね。中2週の間隔ですから」とトレーナーは次戦を明言しなかったが、エプソムCに続く牡馬を退けての重賞制覇。出否未定とはいえ、否応なく天皇賞(秋)の有力馬の一頭に名乗りを上げたといえるだろう。
「休み明けで少々、反応が鈍いようなところもあったのですが、一度叩いて良くなるはずです」と主戦も語れば、「追い切りの動きももう一つに感じましたからね」と師も語るように、約4ヶ月ぶりを使った上積みも見込める。天皇賞の舞台となる東京芝2000mは百日草特別で2歳コースレコードを叩き出しており、条件に不足はないだろう。
「力さえ出し切れば、ここでは一番強いと思っていました。ずっと乗せていただいてきた馬ですし、一緒にG1を獲りたいですね」と鞍上は力を込める。レース後の東京競馬場を照らした陽射しはルージュバックのキャリアを物語るよう。雌伏の時を過ごし、機は熟した今。名コンビに悲願のG1タイトルはもうすぐそこにやってきている。
重賞2連勝に安堵の表情を浮かべる大竹正博調教師(左)と戸崎騎手
毎日王冠の表彰式ではお馴染み 王冠を授かる戸崎騎手 思わず笑みがこぼれた
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