中距離でもやっぱりモーリス!マイルか?カップか?さあ有終の美は香港で

モーリス

●10月30日(日) 4回東京9日目11R 第154回 天皇賞(秋)(G1)(芝2000m)

世界のマイル王に距離の壁はなかった。昨年の年度代表馬・モーリス(牡5、美浦・堀厩舎)が1番人気に応え快勝。5つ目のG1タイトルは初の中距離戦でのものとなった。

3歳時以来となった前走の札幌記念では、まさかの2着敗退。距離適性も懸念されたか、一時はエイシンヒカリに人気を譲ったモーリスだったが、結果的には3.6倍で1番人気の支持。春の安田記念ではスローペースとはいえ、マイル戦ながら折り合いを欠く結果となったが、この日もスロー。しかし、そこはライアン・ムーアの手腕が光り、ピタリと折り合うと好位をキープ。その姿勢に他馬も膠着せざるを得なかったか、大きな動きのないまま直線へ向くと、早目のスパート。後続も追い上げたものの、終始、盤石に運んだモーリスのリードは縮まらずそのまま押し切ってみせた。

「陣営が完璧な仕上がりで馬を用意してくれました。今までにないくらい強い競馬を見せられたと思います。1コーナーまでの位置取りで慌しくなったり、最後も早めに追い出す形になりましたが、抜け出してからもパワフルだったので誰も追いつけないだろうと自信がありましたよ。ペースがそれほど速くなくて、前にそれほど離されずに済みましたし、最高の形でした。完勝でしたね」と振り返ったのはムーア騎手。比較的ジャッジが厳しいことで知られる世界的名手だが、今日は賛辞を惜しまなかった。

一方の堀宣行調教師も「非常に強かったです。今まではマイルがベストと思っていましたが、見方によれば今日のレースがベストパフォーマンスになるかもしれません。馬自身もそうですが、牧場スタッフの皆様、厩舎スタッフたちが一生懸命にやった結果。誇らしく思います」と胸を張った。

気になるラストランだが、この勝利によって連覇の懸かる香港マイル(G1)か、新たな勲章を手にすることが出来る香港カップ(G1)か、究極の選択を迫られることになる。しかし、かつてロードカナロアが香港の地で有終の美を飾ったように、世界のモーリスなら、どのレースを選択したとしても、国内外の競馬サークルを沸かせるレースをみせてくれそうだ。

モーリス
モーリス
モーリス
モーリス
モーリス
モーリス