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冬に東風吹く!3歳馬マイネルハニーが重賞を初制覇!! 【平林雅芳の目】
2016/12/13(火)
16年12/10(土)5回阪神3日目11R 第67回チャレンジカップ(G3)(芝1800m)
- マイネルハニー
- (牡3、美浦・栗田厩舎)
- 父:マツリダゴッホ
- 母:ブライアンハニー
- 母父:ナリタブライアン
G1馬なみのハンデを貰ったディサイファ。58.5は昨年の覇者フルーキーよりも1キロも重い。3歳馬で穴人気のブラックスピネルが、18キロも馬体増。過去最高の数字で出てきた。何やら最初から波乱含みも示唆している感じでもあった。
逃げるかと思っていたマイネルハニーが3番手の外を進み、直線も渋太く脚を伸ばしての押し切り。2着から4着までの馬は、道中をラチ沿いで脚を貯めた馬達で占めた。ハンデ戦でロスのない競馬をした馬が上位を占めた結果でもある。
返し馬を観ていてディサイファが躓く様な格好を見せた。レース後にも、武豊Jが馬から降りたとたんにそれを言う。『今日は躓いてばかり、前走ですっかり癖になったのかな~』とまで言う。
マイネルハニーの体がいいな~とは思ったが、前走の福島記念でマルターズアポジーの逃げ切りに2番手をキープできなかったのが嫌で、馬券の軸に出来なかった。そもそも、その前にベルーフの追い切りを見ていてゴール前で顎が上がった動きを見て、これはダメだろうと思っていた。7Fからの長めを行ったのは判ってもいたが、つつ一杯であの上がり時計を見てしまってはもう馬券の対象から外してしまう。
ゴルフと一緒で、ティーショットの狂いが着地点では大きな差が出てしまう。手元の微差がはるか先では大きな差となる。マイネルハニーから総流しでもしないかぎり獲れない馬券である。調教を見ていいこと、悪いことがある。と言うか、自分の処理能力か。
またこんな前が残る流れ、内々で我慢した馬が最後に伸びる流れで、ヒストリカルの様にスタートから少し遅れ気味のうえに後方待機の馬では、着に持ってくるのが精いっぱいであろう。タッチングスピーチは、このところ硬さが目立っている。前走でもR.ムーアJが最短距離を狙っても、馬が反応していなかった。硬くても実戦でまったく関係なく伸びる馬もいるだろうが、タッチングスピーチの今は、この硬さが原因で走れないのか、何せ力を出せていない現状だ。
ダノンメジャーが先手を取って、1000mを58.8と決して緩くない流れで行く。スタート直後の1ハロンが12.3。これはゲート内の駐立からだから、当然に12秒を切るのはまれである。最後のゴール直前の1ハロンが13.0と、以外とかかった。芝は稍重発表だったが少し重いのかも知れないが、最初と最後のラップ以外はおしなべて11秒台。平均に流れていたレースである。そんな流れだからこそ、内で脚を貯めていた馬がゴール前の最後の凌ぎあいに参加できていたのだろうと思える。
詳しく言えば、ベルーフは内ラチ沿いでなく、ラチ添いのフルーキーの外でレースを進めている。この2頭はほぼ並んで進み、直線でもタイトな馬込みの中を2頭が並んでの追いあいは見ごたえのあった。内がM.デムーロJのフルーキー。右ステッキで促している。その外がシュミノJ騎乗のベルーフが左ステッキで追っていく。どうやらフルーキーは内へもたれ気味な感じであった。
ゴール寸前で前を行くマイネルハニーの右と左に分かれて前を追うが、先にゴールに入ったのはベルーフの方で、ケイティープライドが鋭く伸びてきてこの2頭の間に入って3着を確保した。
上がり13.0もかかったからドドっとゴール前の大接戦となったのだろうが、それもレースの流れであり、どの馬でも伸びるチャンスはあったはず。ヒストリカルがドンジリ追走ながら最内のラチ沿いを走ってロスを防ぎ、直線入口では外へ進路を取り、何とか最外へ出して来てからの伸び。メンバー最速の上がり脚の数字でもあり、実際に観ていてもかなりの伸び。それでもタイム差はコンマ2秒あるのだから、前々の内めでレースできた馬との差はかなりあった様だ。
最近、西高東低なんて言葉はもう昔の話だと感じている。今日も関東馬が3頭も勝利。少ない西下してきた馬の数のなかでこの勝利数である。どんどんと関西エリアが関東馬にやられているその事実。これを馬券戦術に生かさない手はないはずであるが、マークシートに書き込む時には、すっかりそのいいデータを飛ばしてしまっている自分がいる。これでは当たらない。もっともっと精査するべしとレース後に思っても、後のまつりなんである。この風、関東馬の勢いはまだまだ続くのだろう。「頑張れ、関西馬!」と応援したい。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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