【今週の注目2歳新馬チェック】OP馬の兄たちに続け!

シャレード

◆7月6日(土)2回中京3日目5R 2歳新馬(芝1600m)
シャレード(牝2、栗東・藤原英厩舎) 福永祐一騎手
父:ダイワメジャー
母:ヴィヤダーナ
母父:Azamour
レース評価:★★★☆☆

調教でも俊敏な動きを見せていたことで、単勝1番人気に支持されたシャレードが、道中5番手を追走すると直線は外に持ち出され、力強い脚取りで伸びて1着でゴールイン。2着のシゲルカセイに3馬身半差つけた内容は、まさに完勝と言っていいだろう。

全兄はオープンを3勝したダノンメジャー、半兄は現在オープンクラスに在籍するダノンキングダム。兄たちは瞬発力より持続力を武器にしており、妹も今日は差し切り勝ちだったとはいえ、上がり3F34.9の末脚だったことを考えれば、切れより持続力を生かすタイプだろう。482キロと牝馬の割に馬格もあり、使い込んでも大丈夫そうなのは武器になる。昇級戦でも即通用の器だろう。


フジマサリアル

◆7月6日(土)2回福島3日目5R 2歳新馬(芝1800m)
フジマサリアル(牝2、美浦・菊川厩舎) 田辺裕信騎手
父:リアルインパクト
母:メジロヒラリー
母父:エルコンドルパサー
レース評価:★★★☆☆

好調教を連発し1番人気に推されたフジマサリアルが、道中は内目を追走。3コーナーで外から他馬が進出し位置取りが苦しくなる場面はあったが、4コーナーで逃げ馬の後ろにつけると直線で抜け出し、外から迫ってきたジェラペッシュの追撃を抑えて優勝した。最後まで手応えに余裕があり、完勝と言っていい内容。

祖母は97年オークスなどG1を5勝した女傑・メジロドーベル。母系をたどるとメジロ牝系メジロボサツに繋がる名牝系の出身。いとこには青葉賞を勝ったショウナンラグーンがいるように3歳からも動けるが、古馬になって更に良さが出る一族でもある。504キロと牝馬にしては大柄で、まだ身体に緩さもあることから、本格化は古馬になってからだろう。競馬センスの高さは祖母のメジロドーベル譲り。小回りの重賞などでも十分通用するポテンシャルを秘めている。


エヴァーガーデン

◆7月7日(日)2回福島4日目5R 2歳新馬(芝2000m)
エヴァーガーデン(牝2、美浦・高橋祥厩舎) 木幡育也騎手
父:アイルハヴアナザー
母:モエレカトリーナ
母父:ゴールドヘイロー
レース評価:★☆☆☆☆

前半からゆったり流れ、ペースは1000m通過64.0秒のスロー。エヴァーガーデンが早めに先頭に並び掛けて抜け出し、後続の追撃をしのいで1着となった。立ち回りの上手さ、そして荒れた馬場の対応力が他馬より頭一つ抜けていたのだろう。

母モエレカトリーナは当時オープンの紫苑SなどJRA2勝。現役時代は末脚の切れ味より持続力を生かしていた馬。母を一回り大きくしたような本馬は、父アイルハヴアナザー譲りのパワーも兼ね備えている。ただスローペースが味方した面は否めず、次どちらを評価するかとなると、長く脚を使って差し込んだ2着のシンプルゲーム(牡2、美浦・黒岩厩舎)、3着のゴールデンレシオ(牡2、美浦・国枝厩舎)だろう。


ホープホワイト

◆7月7日(日)2回福島4日目6R 2歳新馬(芝1200m)
ホープホワイト(牝2、美浦・武井厩舎) 三浦皇成騎手
父:ヨハネスブルグ
母:プレギエーラ
母父:サンデーサイレンス
レース評価:★★☆☆☆

好スタートを切ったフレンドピースを外から少し行かせて、半馬身ほど離れた2番手で追走。直線はあまり馬場の良くない最内からしぶとく伸びてフレンドピースを競り落とし、1着をもぎとった。勝負根性に加えて、荒れた馬場も問題にしないパワー、対応力が光る。

そのパワーはストームキャット系の父ヨハネスブルグからきているのだろう。騎乗した三浦騎手も「隊列が決まったところで前の馬が物見をして難しい競馬になりましたが、馬が上手に対応してくれました。道中は我慢させて追い比べで勝つという、良い競馬ができました。スプリンターの気持ちを持っていますし、それが良い方向に向いていけば上でも楽しみです」と対応力を評価する。使ってテンションが上がらなければ短距離馬として安定感ある走りを披露できるかもしれない。


◆7月7日(日)2回函館2日目5R 2歳新馬(芝1800m)
オーソリティ(牡2、美浦・木村厩舎) 池添謙一騎手
父:オルフェーヴル
母:ロザリンド
母父:シンボリクリスエス
レース評価:★★★☆☆

互角のスタートを切ると、道中は4番手を少々口を割りながら追走。1000m65.8と遅い流れの影響もあったのだろう。4コーナーで押して進出すると、直線で前に並び掛け、残り100mで抜け出して勝負を決めた。2着馬にクビ差まで迫られたものの、スローペースで着差がつきにくいこと、そして最後は余裕残しだった影響もある。

母ロザリンドの兄は菊花賞やジャパンCを勝ったエピファネイア、母の弟に朝日杯FSを勝ったリオンディーズ、今年の皐月賞馬サートゥルナーリアがいる豪華絢爛な血統。シーザリオの家系は気性の激しいところがあり、本馬は父がオルフェーヴル。今後レースを使っていて、テンションが上がらなければというところだ。少し時計の掛かる一周コースのレースを得意とする馬で、完成は古馬になってからだろう。


◆7月7日(日)3回中京4日目5R 2歳新馬(芝2000m)
マイラプソディ(牡2、栗東・友道厩舎) 武豊騎手
父:ハーツクライ
母:テディーズプロミス
母父:Salt Lake
レース評価:★★★☆☆

前半1000m通過が65.7秒と、2歳の中距離新馬らしい展開になったこのレース。マイラプソディは道中7、8番手を追走。3コーナーから4コーナーにかけて自然な感じで外に出すと、直線では大外に進路を向け、一歩ずつ前との差をつめ、ゴール直前で抜け出した。最後は鞍上が抑える余裕があり、着差以上の完勝と言っていい。跳びが大きく、持続力に優れたタイプだろう。勝ち時計2.06.0はペースが遅かった影響を強く受けている。

父はハーツクライ、母はアメリカのダート1400mG1・ラブレアSを勝っている。姉のディライトプロミスはダート馬だが、弟は父がハーツクライということで芝向きに出た。陣営もレース前から「まだまだ緩い」と言うように、実際身体は緩さが目立つ。この状況で調教でも好時計を出し、実戦でも1着になるあたり、運動神経がいいのだろう。スローペースの一戦を勝ち切っただけに、2戦目は人気になって危ない可能性はある。緩さが取れてくれば、中長距離で好成績を残すタイプと思われる。