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日本競馬の歴史を変えた名馬・ディープインパクトが亡くなる
2019/7/31(水)
2005年に史上2頭目となる無敗の三冠馬となるなど、GⅠを7勝、そして種牡馬としても2012年から7年連続リーディングサイアーに輝いたディープインパクトが、北海道勇払郡安平町の社台スタリオンステーションにて、7月30日(火)早朝に亡くなった。17歳だった。
父サンデーサイレンス、母ウインドインハーヘア、全兄にスプリングSを勝ったブラックタイドがいるディープインパクトは、2004年阪神競馬場で武豊騎手を背にデビュー。上がり3F33秒1の末脚で、後の安田記念2着馬コンゴウリキシオー圧勝。
2戦目の若駒Sを5馬身差で勝利すると、続く弥生賞も勝利。初めてのG1挑戦となった皐月賞を出遅れながら圧勝し、無敗の皐月賞馬となった。
日本ダービーは単勝1.1倍、単勝支持率73.4%という圧倒的支持を受け、直線で外から次元の違う末脚を繰り出し、インティライミに5馬身差をつけ、レースレコードで圧勝して無敗のダービー馬に輝いた。
日本ダービーを圧勝したディープインパクト
秋は神戸新聞杯を快勝し、三冠を懸けて臨んだ菊花賞では、道中折り合いに苦労するところを見せながら、直線で遥か前を走るアドマイヤジャパンを楽々捉え、2馬身差をつけ勝利。史上2頭目となる無敗の三冠馬の栄光を手にしている。
この年の有馬記念ではハーツクライの先行策の前に2着に敗れたものの、翌06年の阪神大賞典で再び圧勝。天皇賞(春)では常識外れの向正面からのロングスパートで先行集団を一気に飲み込み、それまでのレコードを1秒更新する、当時の芝3200mの世界レコード3.13.4を叩き出して優勝した。
雨中の決戦となった宝塚記念を制し、勇躍臨んだ凱旋門賞は3位入線。凱旋門賞のレース後に実施された理化学検査でフランス競馬における禁止薬物イプラトロピウムが検出されたことから、後に凱旋門賞失格処分が下されている。
帰国初戦のジャパンCで再び頂点へ
秋には06年限りで現役を引退することが発表され、帰国初戦となったジャパンCで凱旋門賞の無念を晴らす勝利を挙げると、引退レースとなった有馬記念では異次元の末脚を見せ、2着ポップロックに3馬身差をつけて圧勝。惜しまれつつ現役を引退した。
種牡馬となってからは数多くの活躍馬をターフに送り込み、初年度産駒のマルセリーナが11年桜花賞を勝って産駒のG1初勝利を達成。
翌12年にはジェンティルドンナが牝馬三冠に輝くと、ディープブリランテが日本ダービー馬を制して親子二代で日本ダービー馬の称号を手にした。
その後も日本ダービーを勝ったキズナ、桜花賞を勝ったハープスター、香港CやフランスG1・イスパーン賞を勝ったエイシンヒカリなど、送り出した活躍馬は全て書き切れないほどの種牡馬成績を残す。
海外でデビューした馬からもフランス1000ギニーを勝ったビューティーパーラー、そして英2000ギニーを勝ったサクソンウォリアーなどクラシックウィナーが登場し、名実共に"世界のディープインパクト"として、競馬界に大きな足跡を残している。
今年は種付け期間中に首に痛みが見られ、種付けを中止。治療に専念していた。28日に手術を行い、術後の経過も安定していたが、29日の午前中に突然起立不能になり、30日の早朝にレントゲン検査を行ったところ頸椎骨折を発見、回復の見込みが立たないことから安楽死の処置が取られた。
今年の種付けは20頭強。日本でデビューする産駒は一桁になるとみられる。
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