【2歳馬情報】兄弟に重賞勝ち馬多数の良血馬がターフに登場!

冬の中山、阪神、中京の3場開催がスタートし2週目。有馬記念の足音が近づいてきた。2歳G1もスタートする。その裏で今週も多数の良血馬がデビュー。今週も厩舎育ちのPOG好き、数多くの名馬をPOGで指名した達人・山田乗男が紹介していく。

♦12月12日

●中山芝1600m

ルージュセリーズ(牝、ロードカナロア×フィロンルージュ、美浦・手塚厩舎)
ヴァーミリアン(交流含むG1を9勝)をはじめ、母系はダート巧者を多数輩出するスカーレットローズの系統。母もダートで勝ち星を挙げており、同馬も少し硬めのフットワークではあるが、この父だけに芝をこなす下地はある。芝ダート問わずマイル前後での活躍が期待できそうだ。鞍上は内田騎手。

ピアチェーレ(牝、ルーラーシップ×ヴィータアレグリア、美浦・菊沢厩舎)
母は交流G3マリーンC勝ち馬。1週前調教(以降も調教は主に1週前のもの)はこれまで以上に負荷をかけ、ウッドで水準レベルの時計を楽にクリアしてきた。レースへ向け仕上がりは急ピッチに進んでいる。

スフリエール(牝、ルーラーシップ×グレナディーン、美浦・鹿戸厩舎)
母はファンタジーS3着。おじヒシアトラス(平安Sなど重賞3勝、フェブラリーS3着)。調教では早めの時計こそ少ないが、ウッドの3頭併せで併入と、しっかり負荷はかけられている。

●中山ダート1200m

キャルベロス(牡、キンシャサノキセキ×ケイティーズベスト、美浦・萩原厩舎)
近親アドマイヤムーン(ジャパンCなどG1を3勝)、ヒシアマゾン(エリザベス女王杯などG1を2勝)、スリープレスナイト(スプリンターズS勝ち馬)。ウッドの3頭併せでは、同厩の良血馬ダノンヴェロシティ、キングスフィリアに先着しており、レースへ向け順調に進んでいる。

●阪神ダート1400m(牝馬限定)

ピリラニ(牝、ロードカナロア×エミーズパラダイス、栗東・奥村豊厩舎)
母は南関東・ロジータ記念勝ち馬、東京ダービー3着。調教は坂路55秒5-13秒2で、2歳未勝利馬と併入。ここまで軽めの調教が多いので、最終調教に注目したい。

♦12月13日

●中山芝1800m

ディオスバリエンテ(牡、ロードカナロア×ディアデラノビア、美浦・堀厩舎)
母は重賞3勝、G1で3着3回。半姉ディアデラマドレ(重賞3勝)、半兄ドレッドノータス(重賞2勝)。抑え切れない手応えで併せた経験馬を煽るなど、早くもポテンシャルが十分感じられる。兄姉9頭中7頭はデビュー勝ちをおさめており、この馬も初戦から期待大。鞍上は石橋騎手。

ボーデン(牡、ハービンジャー×ボージェスト、美浦・木村厩舎)
祖母アドマイヤグルーヴ(エリザベス女王杯2回)、おじドゥラメンテ(皐月賞、ダービー馬)。ハービンジャー×キングカメハメハは、同じ配合で有馬記念を制したブラストワンピースがいるが、こちらもパワーで押す馬力タイプの印象。タフな中山はいかにもコースが合いそうだ。

ジルブラス(牡、エピファネイア×ジェルミナル、美浦・栗田厩舎)
母はフェアリーS勝ち馬、桜花賞、オークスともに3着。夏にもデビューへ向け調教を積んでいたので、仕上がりは難しくないはず。目立った時計こそ無いが、11月頭から調教本数を重ねており、いいイメージでレースを迎えられそうだ。鞍上は大野騎手。

リオアビセオ(牝、ハービンジャー×ナスカ、美浦・竹内厩舎)
半姉アロマティコ(秋華賞、エリザベス女王杯3着)。410キロ台と小柄で負荷をかけた調教は少ないが、仕上がりは悪くないようだ。レースまで馬体を維持したい。

●中山ダート1800m(牝馬限定)

ロイヤルパフューム(牝、オルフェーヴル×リリウム、美浦・青木厩舎)
半姉アイスフォーリス(オークス3着)、半兄バレリオ(現オープン)。調教は坂路52秒9-13秒2。終いは少しかかったものの、全体時計を大きく詰めており、レースへ向け良化が窺える。

キングスフィリア(牝、キングカメハメハ×マエストラーレ、美浦・萩原厩舎)
半兄ルヴァンスレーヴ(チャンピオンズCなど交流含むG1を4勝)。1週前調教が平凡で、出走は直前調教の内容で決める模様。そのためデビューが延びる可能性もある。

●中京芝2000m

ギルティブラック(牡、ディープインパクト×インナーレルム、栗東・安田隆厩舎)
半姉イントリケイトリー(アイルランドG1勝ち馬)、おじロックオブジブラルタル(欧州でGⅠ7勝、全欧年度代表馬)。調教はCWで終い重点に12秒台半ばの時計を出し、併せた新馬に先着している。鞍上は藤岡康騎手。

ソウルラッシュ(牡、ルーラーシップ×エターナルブーケ、栗東・池江厩舎)
おじヒラボクディープ(青葉賞勝ち馬)。CWで終い1F12秒を切るレベルの時計を出しており、初戦から好勝負できる状況にある。

シータリズム(牝、Lope de Vega×Thetis、美浦・堀厩舎)
母はイギリスG2で2着。ウッド調教では、併せた新馬のディオスバリエンテに遅れてしまったが、時計は水準レベルをクリアしており、上り時計は上々だ。鞍上は岩田望騎手。

ミスターサファリ(牡、ハーツクライ×サファリミス、栗東・藤岡厩舎)
母はアルゼンチンG1勝ち馬。祖母サファリクイーン(アルゼンチン2歳牝馬チャンピオン)。3頭併せのCW調教では遅れてしまったが(1頭とは併入)、時計は出ていた。兄、姉はJRAで勝ち星を掴めなかったので、まずはきょうだい初勝利を目標にしたい。鞍上は古川騎手。

♦新規入厩

ノルトエンデ(牡、キンシャサノキセキ×エアトゥーレ、美浦・金成厩舎)
母は阪神牝馬S勝ち馬、フランスG1で2着。半兄キャプテントゥーレ(皐月賞馬)、半姉アルティマトゥーレ(セントウルSなど重賞2勝)。