【2・3歳馬情報】菊花賞を目論む大物候補がスタンバイ!

いよいよ今週は競馬の祭典、日本ダービー。そんな中、大一番に間に合わなかった3歳馬たちの視線は秋に向いている。厩舎育ちのPOG好き、数多くの名馬をPOGで指名した達人・山田乗男が、秋の飛躍へ向けた馬たちを紹介していく。
※なお、文末には来年のダービーに向けた2歳馬たちの新規入厩情報も掲載中。

◆5月28日


●1勝クラス・東京芝2400m

ダノンギャラクシー(牡、ディープインパクト×ベネンシアドール、美浦・国枝厩舎)
全姉デニムアンドルビー(GⅡ2勝、GⅠ2着2回)。軽い熱発で、予定していた青葉賞は回避。熱はすぐにひき、このレースに照準を合わせてきた。ダービー出走はならなかったが、秋は菊花賞を目指したい逸材。平場の長距離戦で、負けるわけにはいかない。

●未勝利・中京芝1400m

マッドクール(牡、Dark Angel×Mad About You、栗東・池添学厩舎)
母はアイルランドGⅢ勝ち馬、GⅠ2着2回。年明けの1月の中京芝マイル戦でデビューし3着。2戦目はダートを選択し、こちらも3着に入線している。今回は芝を選択し、当レースか翌日のマイル戦を予定。しっかり相手を吟味しての出走となるので、今度こそ初勝利を決めたい。鞍上は坂井騎手。

●未勝利・東京ダート1300m

オールフラッグ(牡、トゥザワールド×クルージンミジー、美浦・奥村武厩舎)
デビューから3戦は勝ち馬から1秒以上離されていたが、4戦目で勝ち馬から0・3秒差の2着と変身。前走も3着と、2走前がフロックで無いことを証明し、未勝利クラスでは上位のポジションに上げてきている。今回はレーン騎手騎乗と勝負気配も高まり、乗り替わり一発で決めたい。

◆5月29日


●白百合S(リステッド)・中京芝2000m

アーティット(牡、ディープインパクト×アブソリュートレディ、栗東・友道厩舎)
ここまで1勝のみだが、デビューから5戦全てが1番人気に、期待の高さが表れている。2走前はスローペースで脚を余し、前走は内で包まれて動けずと、不運が続いている。秋は菊花賞出走を目論む馬。不発に泣いた近2戦の鬱憤を晴らしたい。

ヴェローナシチー(牡、エピファネイア×アモーレエテルノ、栗東・佐々木厩舎)
前走の京都新聞杯は、序盤は後方も早めに進出を開始し、直線入り口で先頭の積極策。そのまま粘り込みを図ったが、中団から押し上げてきたアスクビクターモアに捕まり2着。ペースを考えると勝ちに等しいレースだった。この内容からダービーの穴馬に挙げる関係者もいたが、残念ながら賞金不足で出走は叶わず、白百合Sにまわる。ちょっと勝ち味に遅いタイプだが、相手関係を考えると、今度は押し切りたい。鞍上は酒井騎手。

●未勝利・東京芝1600m

テールデトワール(牝、キングカメハメハ×レーヴデトワール、美浦・金成厩舎)
昨秋のデビュー戦は1番人気も5着。2戦目は約半年ぶりの未勝利戦。結果は4着だが、勝ち馬から時計差無しのレースを見せ、確実に上昇していることが窺える。「デビュー2戦はいずれも1番人気を裏切る格好になったが、前走は着差ほど負けていない。暖かい時季になり、毛ヅヤも良くなり、コンディションは明らかに上向いている」とは現地記者の話。一叩きして迎える今回は、しっかり勝利を掴みたい。鞍上は横山武史騎手。

●未勝利(牝馬限定)・東京ダート1400m

オールユアーズ(牝、ドゥラメンテ×アイムユアーズ、美浦・手塚厩舎)
母は重賞4勝、桜花賞3着。昨年9月の中山でデビューし、結果は3着。膝の不安もあって休養し、今回は長期休養明けとなる。ウッドがメインの手塚厩舎で、1週前までは坂路主体の調整に少々不安はあるが、ダートの牝馬限定戦なので、能力で押し切ってほしいところである。

ウインターセット(牝、ヘニーヒューズ×ローズマンブリッジ、美浦・加藤征厩舎)
デビュー戦は離された3着も、2戦目で確実に良化を見せ、勝ち馬から半馬身差の2着に入っている。5月14日のレースを予定も、2週延ばして更に仕上げを進めての出走と、万全を期しての臨戦だ。鞍上はルメール騎手。

●未勝利・中京芝2000m

アルファヒディ(牡、ハーツクライ×ドバイマジェシティ、栗東・池江厩舎)
半兄シャフリヤール(日本ダービー、ドバイシーマクラシック勝ち馬)、アルアイン(皐月賞、大阪杯勝ち馬)。菊花賞デーの新馬戦でデビューし、離された5着。2戦目も結果こそ4着だが、勝ち馬から1・2秒と大きく離されている。その後骨折が判明し休養。ここが復帰戦となる。「デビュー時は前進気勢に欠ける走りで、秘めるポテンシャルを発揮できず。この中間からブリンカー着用で刺激。変身があるなら今回か」と記者の話。1週前のCWでは、上り10秒9の高速時計をマークし3頭併せで最先着と、調教内容は確実に向上している。POGで人気を集めた馬だけに、ファイナルのダービーウィークで1勝を願いたい。鞍上は坂井騎手。

ディーンズリスター(牡、ディープインパクト×ラヴズオンリーミー、栗東・矢作厩舎)
全姉ラヴズオンリーユー(国内外でGⅠ4勝)、全兄リアルスティール(ドバイターフ勝ち馬)。昨秋デビューのプランもあったが脚に不安が出て、ここまでデビューが伸びてしまった。「品のある体つきと、伸びやかなスライドで中距離の適性は高そう。遅れてきた超良血馬。今時期の未勝利ならあっさりまで」とは記者の話。なお、同週の他のレースに出走の可能性もある。

◆新規入厩


イッツオンリーユー(牝、ハーツクライ×イッツオンリーアクティングダッド、美浦・手塚厩舎)
母は北米GⅠ2着。

ファンタジスタ(牡、ルーラーシップ×ココファンタジア、美浦・宮田厩舎)
母は3勝。おじステファノス(富士S勝ち馬、GⅠ2着3回)

グランデスフィーダ(牡、ドゥラメンテ×シスタリーラヴ、栗東・池江厩舎)
半兄ディープモンスター(現3勝、すみれS1着)、ダノンアレー(現3勝)

サトノミネルヴァ(牝、ロードカナロア×レジネッタ、美浦・国枝厩舎)
母は桜花賞馬、半兄ライフレッスンズ(現3勝)

テルテ(牝、ハーツクライ×ジェニサ、美浦・手塚厩舎)
半兄カイザーバローズ(現4勝、新潟大賞典2着)

ショウナンハクウン(牡、ダイワメジャー×ラッドルチェンド、美浦・加藤士厩舎)
半姉テルツェット(ダービー卿CT、クイーンS勝ち馬)。セレクト1億7600万円(税込)