【ダービー卿CT】内枠有利のウソ・ホント?ハンデ戦で狙い目な「ラッキー枠」を引いた有力馬に注目!

好枠をゲットしたマテンロウオリオン

好枠をゲットしたマテンロウオリオン


競馬予想において「枠順」は欠かすことのできない重要なファクターのひとつ。構造上、どうしても内枠(外枠)有利になりやすいコースがあったり、またその枠に入った馬が力を出せるかどうか、といった視点も重要です。

ダービー卿チャレンジトロフィー(G3)が行われる中山芝1600mは、1コーナー横のポケットからスタート。すぐに2コーナーに入るので、圧倒的に内枠が有利と言われています。

実際に検証してみましょう。こちらは過去10年における「中山芝1600m」の枠順別成績です。

▼中山芝1600m・枠順別成績(過去10年)
1枠[73-64-85-783]複勝率22.1%
2枠[80-93-74-810]複勝率23.4%
3枠[81-76-73-863]複勝率21.0%
4枠[91-78-75-889]複勝率21.5%
5枠[74-81-80-943]複勝率19.9%
6枠[65-75-84-972]複勝率18.7%
7枠[89-83-70-983]複勝率19.8%
8枠[76-82-88-993]複勝率19.9%

わずかな差ではありますが、5枠より外に入った馬は複勝率で見劣ります。施行回数が多くなればなるほど、少しの差でも数の違いは出てきますから、これは定説通りに「内枠有利」と考えていいでしょう。

それでは次に、ダービー卿CTの枠順別成績を検証してみましょう。

▼ダービー卿CT・枠順別成績(過去10年)
1枠[2-1-1-16]複勝率20.0%
2枠[3-1-1-15]複勝率25.0%
3枠[0-3-2-15]複勝率25.0%
4枠[0-0-1-19]複勝率 5.0%
5枠[4-1-3-12]複勝率40.0%
6枠[0-2-0-18]複勝率10.0%
7枠[1-1-1-17]複勝率15.0%
8枠[0-1-1-17]複勝率10.5%

内枠優勢の傾向は変わっていませんが、注目すべきは「5枠」の好成績。最多の4勝を挙げていて、馬券に絡んだ8頭は全枠順でトップ。複勝率も40.0%と、アタマひとつ抜けた数字をマークしています。

「いやいや偶然、力のある人気馬が5枠に入っただけでしょ?」と思った方も多いと思います。

そこで、過去10年の枠順別「平均着順」と「平均人気」を調べてみました。

▼枠順別「平均着順」「平均人気」(過去10年)
1枠 平均着順[9.0] 平均人気[8.0]
2枠 平均着順[9.0] 平均人気[6.9]
3枠 平均着順[7.5] 平均人気[7.1]
4枠 平均着順[9.7] 平均人気[9.0]
5枠 平均着順[6.9] 平均人気[8.3]
6枠 平均着順[8.6] 平均人気[8.8]
7枠 平均着順[7.6] 平均人気[9.2]
8枠 平均着順[9.6] 平均人気[10.6]

「5枠」に注目すると、平均人気は[8.3]に対して、平均着順は[6.9]つまり、人気を上回る好走が多いということになります。6~8枠も同様の傾向が出ていますが、これは「外枠不利」のイメージが強く、外枠を引いた馬は人気になりづらいため。

総合的に見て、好走率・人気でバランスの取れた「5枠」は馬券的に買いの「ラッキー枠」と言っていいでしょう。21年はテルツェットが1着、22年にはダーリントンホールが3着。直近2年も連続して「5枠」の馬が好走しています。

「5枠」が強い理由には「展開」そして「馬場」が関連しています。

ダービー卿CTは先行馬が揃うことが多く、例年ハイペースになります。さらに中山開催は6週目に突入するため、芝のコンディションが悪くなりはじめ、徐々に外差しが利くようになる時期。

よって「外過ぎない」枠順の「5枠」はコースロスを抑えつつ、外に持ち出せる絶好枠。馬券に絡んだ8頭は全て「4コーナー5番手以下」から差してきた馬で、中団~後方に構える馬こそ、最大限に枠順のメリットを生かすことができます。

今年「5枠」を引いたのは⑨マテンロウオリオンと、⑩トーラスジェミニの2頭。特に⑨マテンロウオリオンは同コースのニュージーランドT、NHKマイルCでも最速の上がりで追い込んで2着と好走しているように、末脚は一級品。枠の利を活かした好走に期待できます!