【日本ダービー】ダービー2頭出し!"重みある"レースに挑む指揮官の展望

毎日杯で重賞初制覇を果たしたシーズンリッチ

毎日杯で重賞初制覇を果たしたシーズンリッチ


■日本ダービー
シーズンリッチ
パクスオトマニカ
久保田貴士調教師

——まずはシーズンリッチについてお願いします。前走は角田河騎手が初騎乗でした。レース前にはどのようなお話をされましたか。

久保田調教師(以下、久):馬の特徴やスタートしてからある程度ポジションを取りに行ってみてとか、道中の走りのイメージを伝えて確認しました。

——レース内容を振り返っていかがですか。

久:こちらがある程度考えていたようなレースプラン通り、ジョッキーが上手に乗ってくれたと思います。どちらかというとそれまでは切れ負けするような感じがありましたが、前走は好位から狭いところを割って出てきましたからね。

上がりもかかる感じでしたし、混戦になったことも良かったかと思います。1戦ごとに力を付けていますし、以前と比べて馬がしっかりしてきました。

——レース後の馬の状態とこの中間の過ごし方について教えてください。

久:そこまで大きな疲労感は見られませんでした。毎日杯の翌週にはノーザンファーム天栄へ放牧に出して、ダービーの約1ヵ月前に帰厩しました。

——毎日杯からダービーへ直行する意図、狙いを教えてください。

久:フレッシュな状態でダービーに向かいたい気持ちがありましたし、幸い毎日杯で賞金加算が出来てこの馬にとってちょうど良いレース間隔で臨めるので直行することにしました。

——5/17(水)に行われた1週前追い切りの狙い、動きの評価をお願いします。

久:1週前なのである程度しっかり負荷をかけたいと思っていました。調教駆けする古馬と併せましたが、よく食らいついて走れていました。久々に乗った戸崎騎手も、去年と比べて馬がしっかりして自分のバランスで走れるようになってきていると話してくれました。

——東京2400という舞台設定に対して見通しをお願いします。

久:長く脚を使えて距離が延びて良さそうなタイプですし、広々走れる東京2400は良いかなと思っています。

——続いてパクスオトマニカについて伺います。前走のプリンシパルステークスを振り返っていかがですか。

★

久:1着しかダービーの優先出走権がないレースなので、この馬の競馬をしたいと思っていました。頭数もそれほど多くなかったですし同型も見当たらなかったので、行けるなら先手を主張しようと。それで負けたら仕方ないと思っていましたが、しっかり結果を出してくれて良かったです。

——レース後の馬の状態と中間の調整過程は。

久:余力を残した勝ち方が出来て疲労感はそれほどありませんでしたが、中2週で競馬なので馬の様子を見ながらレース翌週は軽めの調整、1週前から通常メニューにして5/19(金)に軽く追い切って、当該週にもう1本追い切る予定です。

——東京2400という舞台設定に対して見通しをお願いします。

久:お姉さんのディヴァインラヴが菊花賞で3着に来ていますし、元々この馬も距離が延びて良いタイプかなと思っていました。スプリングステークスでもいつもと少し違う形で、主張せず出たなりのポジションから競馬をして最後差を詰めて5着に来ているので、あのような走りが出来れば距離にも対応出来るだろうと思っています。逃げた前走も2歳の頃より上手に息を入れながら走れていましたからね。

——久保田先生にとって、ダービーというと過去のどのレースを思い浮かべますか。

久:印象に残っているのはアイネスフウジンかな。大学生のとき見に行きましたよ。1番人気がメジロライアンで。ノリちゃん(横山典弘騎手)は同級生なんですよ。

同級生がダービーで勝てるかもしれない馬に乗るので、ノリちゃんの応援も兼ねて競馬場へ行きましたね。それであのナカノコールでしょ。今では考えられない、凄い時代の競馬でしたね。

——厩舎開業初のダービー、しかも2頭送り出します。意気込みをお願いします。

久:この世界にいる以上みんなダービーを目標にしていますし、ようやく舞台に立てる馬と巡り会えたのは…、……ようやく立てるなの思いです。この春に緊張感を持って仕事が出来る喜びを感じています。

特に私のような競馬場育ちはダービーの重さ、凄さを間近で見てきていますし、何とか良い競馬をしたいです。