【日本ダービー】17年目のダービー初騎乗!丸田騎手がホウオウビスケッツで祭典に挑む

フリージア賞を好タイムで逃げ切ったホウオウビスケッツ

フリージア賞を好タイムで逃げ切ったホウオウビスケッツ


■皐月賞
ホウオウビスケッツ
丸田恭介騎手

——今回は乗り替わりでの参戦になります。まずホウオウビスケッツについて、どのようなイメージを持っていたか教えてください。

丸田騎手(以下、丸):奥村厩舎の調教を手伝っているので、ゲートの中の駐立などで苦労していたのも知っていましたし、精神的にスイッチが入りそうだと思っていました。その精神的な敏感さを良い方に持っていけるように、と考えていました。

——実際に乗ってみていかがですか。

丸:これが思いのほか、ずっと穏やかでした。精神的にスイッチが入るとワーッとなって気持ちの高ぶりが長引くかと思っていましたが、物音を聞いて頭を上げたり反応はするものの、すぐにストンと冷静さを取り戻します。

坂路で後ろから突かれる形で乗って、そのときの挙動や反応を確認してほしいと助手さんから言われたときも、感度が良いので馬が後ろから近づいてくるとビクッと反応しますが、すぐに落ち着いてその後は馬が近くにいても冷静に走れていました。

——5/17(水)に行われた1週前追い切りの内容と、動きの評価をお願いします。

丸:3頭併せの真ん中で、前を追いかけつつ後ろから突かれる形でやりました。以前はこういうシチュエーションを作るに至らなかったようですが、今回は労せずしてやれましたし、それだけ今は精神状態が良いのかもしれませんね。

——奥村調教師の話では、前走で着けたメンコを今回も使用するかどうかはジョッキーと相談して決めるということでしたが。

丸:この中間はメンコを着けずに調教しています。前走の感じを聞いたりこちらの感触を伝えながら、例えばゲート裏まで着けてレース直前で外すなど、いろいろなパターンを検討して相談していきます。

——実戦で騎乗されるのは初めてですが、東京2400への見通しはいかがでしょう。

丸:距離は未知数ですが、血統的にもちそうな感じがしますし良いリズムで運べればこなせるのではないかと思っています。

——ダービーといって思い浮かぶ過去のレースやシーンはありますか。

丸:アグネスフライトとエアシャカールですね。自分が競馬を見始めた頃のダービーなので、強く印象に残っています。エアシャカールが黒くて綺麗で、応援していましたね。河内先生の長年の悲願ということもあって「河内の夢!」って実況フレーズもよく覚えています。ドキドキしたなあ。

——初めてのダービー騎乗ですね。

丸:今回騎乗が決まったことで、たくさんの方に声を掛けてもらってやっぱりダービーは違うなと思いました。調教でビスケッツに跨がって「この馬とダービーに出るんだ」と思って純粋に気持ちが高ぶったり、1日1回「ダービーか…」と呟いていたり、心のどこかでずっと意識して緊張していましたが、追い切り以外の普通の調教でもたくさんビスケッツに乗せてもらっていることで、緊張感もほぐれてきて今は自分の気持ちにちょうど良く向き合えています。

ダービーは乗り替わりでは厳しい、というジンクスがあることは認識していますが、だからといってダメだというのではなくマイナス要素を取り除いていかないと、と思っています。やれることをやってレースに臨みたい気持ちですし、ビスケッツにたくさん乗せてもらってそういう機会をもらえているのが嬉しいですね。

——改めてダービーに向けて意気込みをお願いします。

丸:騎乗依頼をしていただいた小笹オーナー、僕がやりたい調整に協力してくれる奥村厩舎スタッフの皆さん、多くの人のおかげでこういうレースに乗せてもらえるのは光栄です。ホウオウビスケッツの良いところを出せるように、しっかり準備して乗りたいです。