【安田記念】指揮官が語るイルーシヴパンサー異例のローテの意図とは

中山記念以来の実戦となるイルーシヴパンサー

中山記念以来の実戦となるイルーシヴパンサー


■安田記念
イルーシヴパンサー
久保田貴士調教師

——前走の中山記念は8着でした。レースを振り返っていただけますか。

久保田調教師(以下、久):直線までは完璧でしたが、最後は進路の取り合いで下げざるを得ない感じになってしまいました。走るところがあると期待していた分ショックでしたが、それも競馬ですからね。幸い馬体にも特に問題はなかったので、安田記念に目標を切り替えて放牧に出しました。

——中山記念から安田記念に向かうローテーションの意図は。

久:昨年も同じようなレース間隔で東京新聞杯を勝って安田記念へ向かいましたが、この時期は暑くなってくるので、レースを使って消耗させたくないという思いがあります。暑さに強いタイプではないので、たっぷりと間隔をあけて臨みたいという考えです。

——この中間の過ごし方を教えてください。

久:レースの約1ヵ月前に帰厩して、週2本ずつ時計を出しています。ひと追いごとにバランスが良くなっていますし順調にきています。

——5/24(水)に行われた1週前追い切りの狙いと動きの評価をお願いします。

久:ジョッキーがレース前に乗ってみたいということだったので、乗って感触を確かめてもらいました。2週前もある程度しっかりやって、1週前もジョッキーを乗せて終いまでしっかり動かしました。望来君には去年の関屋記念前の追い切りにも乗ってもらいましたが、あのときは馬が夏負け気味でもうひとつという感触だったようです。今回はあのときとは馬が違うし、状態も良いと話していました。

——5歳になった今年も京都金杯で重賞勝ちを果たしましたが、現状でのこの馬の良さはどのように捉えていらっしゃいますか。

久:中山記念でも道中良い位置から競馬が出来たように、だいぶ操縦性が良くなってきていますね。後ろから終い一辺倒という形だけでなくなったのは良いと思います。

——1番人気で臨んだ昨年の安田記念は8着でした。

久:スタートで後手を踏んで後ろからになってしまいましたし、ペースも例年にない遅さで動くに動けない位置に押し込められてしまって。上がり32.6の脚を使って追い込んできましたが時既に遅しで、悔いの残る一戦でした。

——改めて今年の意気込みをお願いします。

久:今年も同じ舞台に立たせてもらえて、リベンジではないですけどそういう機会を与えられたと思っています。今年もG1馬が多くて豪華なメンバーが揃っていますが、この馬も十分狙える位置にいるんじゃないかと思って出走させます。