【キーンランドC】「開催終盤=外差し有利」は間違い?脚質別成績から浮上した爆弾穴馬

2年前のキーンランドCを勝っているレイハリア

2年前のキーンランドCを勝っているレイハリア

激しい先手争いが繰り広げられた先週の札幌記念とは一転、今週のキーンランドカップ(G3、札幌芝1200m)は、前に行きたい馬が多い短距離戦にしては異例となる「逃げ馬不在」の様相。

直近のレースで4コーナー先頭の馬は1頭もおらず、2~4番手で回ってきた馬を含めてもシナモンスティック、ジュビリーヘッドくらいしか見当たりません。

しかもキーンランドCは「逃げ馬」の活躍が目立つレース。過去10年の脚質別成績を振り返ると、半数の5頭が馬券に絡んでいるのをご存知でしたか?

▼キーンランドC脚質別成績(過去10年)
逃げ[2-1-2- 5]複勝率50.0%
先行[1-3-2-32]複勝率15.8%
差し[6-4-5-39]複勝率27.8%
追込[1-2-1-47]複勝率 7.8%

▼キーンランドCで好走した逃げ馬
22年3着 ヴァトレニ(4人気)
18年1着 ナックビーナス(1人気)
17年3着 ナックビーナス(5人気)
16年2着 シュウジ(2人気)
13年1着 フォーエバーマーク(4人気)

これまで開催の終盤に行われるキーンランドCは外差しが決まりやすく、直線で末脚勝負に賭ける差し・追い込み有利……が定説でした。

実際に脚質別成績では「逃げ・先行」の3勝に対して、「差し・追い込み」が7勝。毎年レースでは各馬が荒れた内ラチ沿いを避けていて、今年も先週までの馬場を見る限り、例年どおりの傾向になると推測されます。

しかし、昨年は出走馬の意識が馬場の良い外目に集中するあまり、荒れた内目を通った1着ヴェントヴォーチェ、2着ウインマーベル、3着ヴァトレニのワンツースリー!

その中でも最内枠から逃げた3着ヴァトレニは果敢に先手を奪うと、最後まで荒れた内ラチ沿いピッタリを走っての粘り込み。距離ロスを最小に抑える横山武騎手の好騎乗が光りました。

このように必ずしも開催終盤だからと言って、「差し・追い込み有利」とはならないのが競馬の面白いところ。特に何が何でもハナを切りたい馬が見当たらない今年のキーンランドCは、前に行く馬が穴をあけるに違いありません!

今年のメンバーで逃げる可能性がある馬は先ほど紹介した昨年の3着馬ヴァトレニと、3走前のオーシャンSを前半3ハロン33秒4の速い流れでハナを切ったレイハリアあたりでしょうか。

レイハリアは2021年にキーンランドCを勝った時も道中2番手からの抜け出し。今回は当時同馬を勝利に導いた亀田騎手とのコンビだけに、積極策からの粘り込みに警戒してください!