【マイルCS】大器ブレイディヴェーグが2つ目のG1タイトル奪取に挑む!

前走府中牝馬Sを完勝したブレイディヴェーグ

前走府中牝馬Sを完勝したブレイディヴェーグ


マイルチャンピオンシップ
ブレイディヴェーグ
宮田敬介調教師

——約11ヶ月振りの休み明けとなった前走の府中牝馬ステークスは1着でした。レース内容を振り返ってください。

宮田調教師(以下、宮):休み明けで「まずは無事に」という気持ちでいましたが、1週前追い切りを終えてから状態が上向いていった感じがありましたし、レース当日の様子を見ても皮膚感が薄くて、馬体の雰囲気も良い感じで向かえるなと思いました。ただ中間の調整過程から「見た目は良くても、中身はどうかな」という不安はありました。

それでいて、あの強い内容でしたからね。ルメさんも馬をリスペクトしてくれていて「まずはしっかりゲートを出してレースに参加して、最後は真っ直ぐ走らせてフィニッシュするよ」とレース前に話していましたが、その言葉通り丁寧にエスコートしてくださいましたね。

最後の切れ味にはルメさんもビックリしていましたし、見ている我々にとっても乗っているルメさんにとっても驚くような強い競馬でした。レース前はいろいろ不安に感じることも多かったですが、終わってみれば馬に「心配しなくていいよ」と言われているような気持ちになるというか…。本当、馬に敬意を表します。

——今回マイルチャンピオンシップを選択した意図は。

宮:レース後に懸念していた筋肉痛が出て、レース2、3日後には背腰の張りが強くなった状態で放牧に出したので、まずはその具合を確認しないと次のプランを立てられない、という状況でした。牧場で上手にケアをしてくださったおかげで肉体面の不安がなくなったので、エリザベス、マイルチャンピオンシップ、ジャパンカップ、香港辺りを候補に考えました。

1番レース間隔をあけて臨める香港は「歩様検査が厳しめの海外では、硬さのあるこの子は競馬に使えないリスクも高い」という懸念材料がありましたし、前走のパフォーマンスからジャパンカップもぜひトライしたい舞台でしたが、ルメさんが「東京2400はタフなコースなので、今の状況で使うと疲労でガタガタになってしまうかもしれない」という印象を持っているようなので、今回は使うタイミングではないと判断しました。

レース間隔なども踏まえて、少し距離は慌ただしいかもしれないけど、ここへトライすることにしました。

——この中間の過ごし方を教えてください。

宮:前走後は約2週間、ノーザンファーム天栄へ放牧に出しました。先ほどお話したように両背腰に強い張りがある状態でしたが、牧場でしっかりケアをしてもらってから厩舎に戻してもらいました。元々脚元が丈夫ではなく今もモヤつきは残っていますが、背腰や代謝の面は良くなっています。帰厩初日の普通キャンターを見ても、動きに切れがあってぐんぐん前に進んでいきましたし、前走のときとは全然違いますよ。

——11/6(水)に行われた1週前追い切りの狙いと動きの評価をお願いします。

宮:レース間隔がそれほどあいていませんし、肺を膨らませる意味で少し負荷をかけようかということと、競馬を使ったあとで硬さが出ていないかとかストライドのチェックをしようという狙いでやりました。無理せず素晴らしい時計が出ていましたし、またその時計以上に動きが素晴らしかったです。ラスト1ハロンもキレッキレの動きでした。

——休み明けだった前走時と比較して、状態面はどのような印象をお持ちですか。

宮:帰厩初日の普通キャンターを見たときに感じた通り、前走時のレース前とは比べものにならないくらい良くなっています。普段の動きもよりスムーズになっていますし、明らかに変わってきました。

——今回は初のマイル戦挑戦です。舞台適性への見通しは。

宮:そこまでスタートが速いタイプではないので、もし後手を踏んだときに流れに乗れるか、という点も気になりますし、そもそもトップマイラー相手のG1で甘くはないと思っています。ここも引き続きチャレンジャーの気持ちで臨む一戦ですね。だいぶ京都の馬場も荒れてきていますし、本番当日まで雨予報も出そうなので、何とかこの馬の末脚を生かせるような馬場であってほしいです。

——レースに向けて意気込みをお願いします。

宮:前走は素晴らしいパフォーマンスを見せてくれましたし、改めてこの子の能力をファンの皆様にお見せできたことを嬉しく思いました。この先もどんどんタイトルを取っていける子だと思っていますし、また良い競馬をお見せできるようにしっかり体調を整えて送り出してあげたいです。応援よろしくお願いいたします。