【フローラS】なぜフローラSは荒れる? 答えは「牝馬限定戦の少なさ」と「牡馬混合経験」にあり

昨年のフローラSを勝ったアドマイヤベル

昨年のフローラSを勝ったアドマイヤベル


フローラステークス(G2、東京芝2000m)は、3歳牝馬の限定重賞。予想の根拠となるファクターも少ないため、何となく苦手にされているファンも多いのではないでしょうか。

苦手意識がある理由として毎年のように、「ほぼ全出走馬が東京芝2000mを走った経験がない」ことが考えられます。

それもそのはず。最初に新馬戦が行われる6月の東京開催はもちろんのこと、10~11月や年が明けた2月開催でも芝2000mの牝馬限定戦はゼロ。芝1800mですら11月と2月の未勝利戦に1鞍ずつの合計2レースのみという有様です。

この背景として東京の芝中距離レースには、日本ダービーを目指す牡馬のクラシック候補が多数参戦。対して牝馬は3歳クラシック第1戦の桜花賞(G1、阪神芝1600m)があるため、マイル戦で対応可能なスピードがある馬であれば、あえて強い牡馬相手に使う必要はありません。

しかし、十人十色という言葉があるように、馬にも個性があるもの。芝1600mだと距離が短い中距離タイプの牝馬もおり、適性を重視して牡馬混合戦の東京芝2000m戦に出走する馬もいます。フローラSではこの手のタイプが狙い目なんです!


●24年
1着 アドマイヤベル(2人気)
→フリージア賞(1勝、東京芝2000m)2着など

3着 カニキュル(4人気)
→牡馬混合の東京芝2000m未勝利戦1着

●23年
1着 ゴールデンハインド(7人気)
→アイビーS(L、東京芝1800m)4着

●21年
2着 スライリー(17人気)
→牡馬混合の東京芝1800m新馬戦1着

3着 ユーバーレーベン(2人気)
→牡馬混合の東京芝1800m新馬戦1着

●20年
2着 ホウオウピースフル(2人気)
→百日草特別(1勝、東京芝2000m)1着

直近5年のうち4年で牡馬相手の東京芝1800~2000mを走った経験があり、また該当馬の好走が無かった22年も2着パーソナルハイは中京芝2000m、3着シンシアウィッシュは新潟芝1800mで、それぞれ牡馬相手に勝利経験がありました。

また昨年は百日草特別3着、フリージア賞2着と牡馬相手の東京芝2000m・1勝クラスで好走していたアドマイヤベルが快勝。同馬はデビュー戦から一貫して左回りの芝1800~2000mに使っていただけに、オークスを狙いすましたローテだったのは見逃せません。

今年のフローラSも牡馬混合の東京芝1800~2000mで好走歴がある馬に注目。なかでもヴァルキリーバースはフリージア賞(1勝、東京芝2000m)を勝っており、その際に3着(次走G2スプリングSで2着だったフクノブルーレイクに先着しています。この実績からも、軸馬候補としてうってつけの1頭でしょう!