【神戸新聞杯】春の忘れ物を取りに行く!名手が導く逆襲の秋

今年も世代の重賞制覇を狙うエリキング

今年も世代の重賞制覇を狙うエリキング


先週のセントライト記念に引き続き、今週も菊花賞へのトライアルレース、神戸新聞杯(G2、阪神芝2400m)が行われます。

過去10年の菊花賞馬のうち、神戸新聞杯とセントライト記念の勝ち馬が4頭ずつと完全に二分しており、まさに本番へ直結する重要な一戦と言えるでしょう。

今回の好走傾向を考える上で、やはり注目はダービー出走組です。

▼前走ダービー組の成績(過去5年)
[5-3-2-15] 複勝率40.0%

22年を除く全ての年で2頭以上該当し、昨年に至っては1~3着馬を独占するなど、世代トップクラスが集うダービーに出走した実力馬が、秋初戦でも変わらず力を発揮する傾向にあります。

今年のダービー組はジョバンニ、ショウヘイ、そしてエリキングの3頭。

ダービー3着のショウヘイも有力ですが、5着馬のエリキングはさらに注目すべき存在です。

新馬から京都2歳Sまで3連勝と順風満帆でしたが、右第一指骨の剥離骨折で年末のG1を断念。ぶっつけ本番となった皐月賞では、1コーナーで他馬と激しく衝突する不利でスムーズな競馬が出来ず、持ち味を発揮しないまま終わってしまいました。

続くダービーでは、頭を下げた瞬間にゲートが開いてしまい、後方からのレースに。先行・中団で運んだ馬が上位を占める中、この馬は上がり3Fで皐月賞馬ミュージアムマイルよりも0.7秒も速い、最速の33.4秒という驚異的な末脚を繰り出して5着に食い込みました。

改めて、この馬のポテンシャルの高さを証明した一戦と言えるでしょう。

そして、その素晴らしい末脚を引き出したのが、鞍上・川田将雅騎手の手腕です。

▼川田将雅騎手の神戸新聞杯の成績
[1-1-3-9]複勝率35.7%


▼1~3人気馬での成績
[1-1-2-1]複勝率80%


●好走例
23年 1着 サトノグランツ
19年 2着 ヴェロックス
17年 3着 サトノアーサー
12年 3着 マウントシャスタ

2006年に10番人気のトップオブサンデーで初騎乗して以降、14回騎乗して複勝率35.7%という安定感のある数値を記録しています。

人気薄に乗ることが多かった若手の時期を経て、川田騎手自身の成績が向上していくに比例し、人気馬を人気通りに好走させるケースも増加。特に当日1~3番人気に騎乗した際は、複勝率80%という絶大な信頼を置ける数値をたたき出しています。

ダービーで見せた最速の末脚や今回のメンバー構成を踏まえれば、エリキングが上位人気に支持されるのは必至。その責任を背負い、結果を出し続ける川田騎手の手綱さばきは見逃せません。

人馬一体で『春の忘れ物』を取りに来る、そんな走りに期待してはいかがでしょうか。