【凱旋門賞】ロンシャンの空に、今度こそ日の丸を。日本競馬が追い続ける夢

日本競馬の悲願へ挑むダービー馬クロワデュノール

日本競馬の悲願へ挑むダービー馬クロワデュノール


いよいよ今週はフランス、パリロンシャン競馬場で凱旋門賞(G1、日本時間23時05分発走予定)が行われます。今年で104回目を迎える世界最高峰のレースですが、今年は3頭の日本馬が出走します。 まずは日本馬の成績から振り返ることとしましょう。

▼日本馬の凱旋門賞での成績
[0-4-0-31]連対率11.8%

これまでのべ35頭の日本馬が挑戦してきましたが、99年のエルコンドルパサーや10年のナカヤマフェスタ、12,13年のオルフェーヴルが記録した2着が最高順位となっており、このレースを制することは日本競馬界の悲願です。

次に確認するのは、やはり気になる馬場に関するデータです。

▼凱旋門賞の馬場状態(過去10年・10段階)
24年 重 7/10
23年 稍重 5/10
22年 重 7/10
21年 重 8/10
20年 不良 10/10
19年 重 7/10
18年 良 4/10
17年 重 6/10
16年 良 4/10
15年 良 4/10

※16,17年はシャンティイ競馬場での開催
※10段階のうち、数字が大きいほど馬場が悪いことを示す

凱旋門賞を攻略する上で避けて通れないのが、パリロンシャン競馬場の極めてタフな「馬場」です。

自然の地形を活かした起伏に富んだコースは、排水性が高く平坦な日本の高速馬場とは全くの別物。加えて、レースが行われる10月のパリは年間を通しても降水量が多い時期のため、馬場はさらに時計のかかる状態になりがちです。

その影響は凄まじく、例えば稍重だった23年の勝ち時計2:25.50に対し、歴史的な不良馬場となった20年は2:39.30と、同じ2400mで実に14秒もの差が記録されています。

昨年同様、今年も週末の雨予報により、タフな馬場での戦いは避けられそうにありません。まるでダートのようにパワーとスタミナが要求されるこの特殊な馬場こそ、多くの日本馬の夢を阻んできた最大の壁と言えるでしょう。

そんな過酷な一戦で日本馬の前に立ちはだかるのが、欧州の強豪たちです。各国のオークスを3連勝中のミニーホークや、昨年の凱旋門賞で1と1/4馬身差の2着に入ったアヴァンチュールなど、今年も世界の壁は厚く、厳しい戦いが予想されます。

この強敵相手に、今年は日本馬3頭が悲願達成に挑みます。

ゲート番④と内枠を引いたアロヒアリイは、重馬場で行われた前走のギヨームドルナノ賞で逃げ切り勝ちを決め、舞台は違えどタフな馬場にも耐え得ることを証明しました。また、これまでの差す競馬以外の引き出しが増えたこともプラス材料。枠を活かした競馬に期待しましょう。

ゲート番⑮ビザンチンドリームの武器は、前哨戦フォワ賞を制した鋭い末脚。過去10年で3頭の好走馬を輩出している凱旋門賞と同じ舞台を経験した強みを活かし、本番でも直線一気に賭けます。

そして我らがダービー馬、クロワデュノールは⑰ゲートと、厳しい大外からの出走となります(※⑱エストレンジが出走取消のため)

前走のプランスドランジュ賞では初経験の重馬場と、本番と同じロンシャンのタフなコースを克服。ダービー馬の称号は伊達ではないこと、そして本番と同じロンシャンの舞台を攻略できることを、その走りで証明して見せました。この経験こそが、大外枠の不利を乗り越える最大の武器となるでしょう。

日本馬による悲願の初制覇か、それとも世界の強豪が牙城を守るのか。歴史的瞬間が刻まれる今年の凱旋門賞日曜日、どうぞお見逃しなく!