【エリザベス女王杯】女王を超えた存在、2度戴冠した“女帝”たち

史上4頭目の連覇を果たしたラッキーライラック

史上4頭目の連覇を果たしたラッキーライラック


かつては4歳(現3歳)牝馬三冠の最終戦として設定されていたエリザベス女王杯(G1、京都芝2200m)。96年に古馬の出走が可能になって以降は、この条件得意とするリピーターが多く見受けられるようになり、中には連覇を果たした名牝もいます。

▼エリザベス女王杯連覇の名牝
98~99年 メジロドーベル
03~04年アドマイヤグルーヴ
10~11年 スノーフェアリー
19~20年 ラッキーライラック

最初に連覇を果たしたのは1998、99年のメジロドーベル。続くアドマイヤグルーヴは牝馬クラシックでは無冠に終わったものの、このレース連覇に加えて3着1回と相性の良さを発揮し、04年の天皇賞秋でも3着と健闘しました。

さらに外国馬としての初制覇だけでなく、翌年も制して連覇を達成したG1・5勝の世界的名牝スノーフェアリーなど、そうそうたる名馬がこのレースを制してきました。

そして、直近で連覇を果たしたのがラッキーライラックです。

▼ラッキーライラックの主な成績
17年
阪神JF 1着

18年
桜花賞 2着
オークス 3着
秋華賞 9着

19年
中山記念 2着
エリザベス女王杯 1着
香港ヴァーズ 2着

20年
大阪杯 1着
エリザベス女王杯 1着

2歳シーズンは無敗で阪神JFを制覇。牝馬クラシック最有力候補として3歳シーズンを迎えましたが、後の3冠馬アーモンドアイに阻まれ、桜花賞2着がクラシック最高着順という結果に。

それでも4歳シーズン初戦、中山記念ではG1馬が揃う中でクビ差2着と健闘し、トップクラスの実力を証明。春は馬券外となるレースが続きましたが、秋初戦の府中牝馬Sで好走した勢いそのままにエリザベス女王杯へ。

オークス馬ラヴズオンリーユーや秋華賞馬クロノジェネシスなど勢いのある3歳勢を退け、古馬G1での初勝利を飾りました。

競走生活最後の5歳シーズンでは、強豪牡馬が揃った大阪杯で好位追走から直線で内から突き抜け、G1・3勝目をマーク。

そして迎えた秋、再び女王決定戦へ挑戦。見事なまくりを決め、追込馬を交わし切りG1・4勝目、史上4頭目となる連覇を成し遂げました。

21年優勝馬アカイイト、22年優勝馬ジェラルディーナも連覇を目指して翌年出走しましたが、いずれも馬券圏内には届かず。連覇を果たした馬がわずか4頭であることを考えると、そのハードルの高さがうかがえます。

5・6歳は成長のピークや引退時期の関係で翌年の出走が難しくなる傾向があります。今年は、来年もこのレースに出走可能な3歳馬が4頭、4歳馬が6頭と、年齢的に連覇を狙えるメンバーが多く揃いました。

海外挑戦や牡馬路線へ向かう馬も多く、翌年もエリザベス女王杯に挑むケースそのものが少なくなっていますが、ラッキーライラックのような“女傑”が再び現れることを期待しつつ、まずは今年のレースでどんな女王候補が躍動するか、注目していきたいところです。