トピックスTopics
-阪神大賞典他-平林雅芳の目
2011/3/22(火)
土曜阪神11R
ファルコンS(GⅢ)
芝1200m
勝ちタイム1.08.7
勝ち馬:ヘニーハウンド(牡3、栗東・矢作厩舎)
※キャリアを感じさせない伸び!ヘニーハウンド快勝!!
1勝馬が2頭出られたファルコンS。激しい戦いとなったものだが、外めを進出して直線での追い上げでもしっかりと伸びての勝利。キャリア1戦とは思えない、したたかな伸び具合で勝ったのはヘニーハウンド。馬体もパドックでなかなかのものと見ていた馬。秘めたる素質はかなりある馬の様だ。短距離路線に面白い馬が出現した、そんな感じだ。
レースを終えて引き上げてくる馬たちを待っていると、藤岡祐Jがいつものニコニコ顔で傍に来ていた。自分の騎乗はともかくも、勝ち馬が気になっての行動の様子。≪この馬、走るんですよ~。出れた様に引きが強いですし、まだまだ良くなってきますよ≫とわが事の様に解説してくれた。少し脚は長い様に見えるが馬体は悪くない馬。返し馬をして行く時の最初の走りもいい雰囲気の馬だと見ていた。
レースは外枠を引いたアフォードがここから最内のラチ沿いまで行けるのか、そこまで行くのには相当なる速さと内へ切れ込むことが要求される。果たしてどうなるかと思って見ていたら、スタートでやや遅れ気味。半馬身とは言わないまでも少し他より遅い。2、3頭同じ様な馬がいたから目立ちはしないものの、前2戦の数字から受ける速さの印象とは違っていた。そして意外とこのレース自体がそんなに速い流れとはならないもの。後でビデオを見て気が付いたが、その一番悪かった馬はヘニーハウンドであり、アフォードの半馬身後ろでスタート直後を迎えていた。
最初に出て行ったのがエーシンジェイワン。シゲルソウサイとピュアオパールが続いたが、ジワッとしてあまり速くない最初の1ハロンの動きである。そこをスッと出て行ったのがピュアオパール。最近の競馬で前々でレースを進めるのが福永J。ピュアオパールが先手を取って行く。テイエムオオタカ、さらにアフォードもダッシュつけて上がって来て2番手を形成。しかし無理して前までは行かない感じだ。前半3ハロンが34.0と、比較的遅い流れである。ジワッと追走する好位グループ。むしろ4コーナー手前で混みだす。外から各馬が追い上げて来ており、横に広がっていく。その一番外めにはヘニーハウンドも来ていた。馬群の真ん中にスギノエンデバーがいるのが見える。
4コーナーを回って、直線を向いてすぐにアフォードは、勝利はなさそうな勢いとなる。代って内めをテイエムオオタカが伸びだす。外からヘニーハウンドがいい感じで上がって来ている。内では赤い帽子が鋭さを増しているのが判る。エーシンジェイワンだ。ヘニーハウンドの伸び脚も、残り1ハロンで一旦緩んだ感じがした。
内で粘るテイエムオオタカ。その内から迫る赤い帽子、馬群からスギノエンデバーも顔を覗かせだす。その後ろからの伸びに合わせて、もう一度鋭さを増して伸び出したヘニーハウンド。首を下にした走りで、しっかりした伸び脚を見せる。その後ろでスギノエンデバーが外を一気に伸びてきた。テイエムオオタカをかわして2番手に上がったが、一番前までは届かず。
最後の1ハロンが11.9。その前が11.2とここが苦しいところだった様子で、そこを乗り切ったヘニーハウンドが、もうひと脚を使っての伸びとなる。これがキャリア1戦の馬の仕事かと思える渋太い内容でもあった。
スギノエンデバーは道中、馬の中でじっとさせ直線で弾かせている。貯めた脚を上手く引き出してはいるのだが、勝ち馬が外を早めに出て行っている分で届かなかった様子。
ロビンフットやマジカルポケットが終い詰めては来ていたが、最後は止まったけれども、エーシンジェイワンよりもインパクト的には強いものではなかった。
アフォードはスタートで少し遅れ気味にしろ、その後はうまく前でレース出来たが少し噛み気味の行きっぷり、直線に向いた時はもう手応えが怪しかった様子だ。ここらがまだまだ難しい3歳馬たちであり、若駒たちの戦いであろう。
日曜阪神11R
阪神大賞典(GⅡ)
芝3000m
勝ちタイム3.04.4
勝ち馬:ナムラクレセント(牡6、栗東・福島信厩舎)
※ナムラクレセント快勝。初重賞勝ちだ・・・!
これが初重賞勝ちだったのか?と知ったナムラクレセント。重賞の常連で、とっくの昔に勝ったものと思っていたぐらい。1年4ヶ月ぶりの勝ち星を、待望の重賞で飾ったナムラクレセント。コスモラピュタの逃げを2番手でガッチリと受けて、直線もそのまま伸びての勝利。多少頭の高さはあったが、しっかりと伸びての快勝となった。
大本命とみなされたトーセンジョーダンの取り消しで、どの馬にもチャンスが到来かと思えた戦前。しかし結果は、長丁場で前々の決着と行ける馬が上位を占めた。逃げたのはコスモラピュタ。菊花賞同様の逃げを展開。離れた2番手をすぐにナムラクレセントが確保。1番人気に支持されたコスモメドウが3番手をキープしたのは、最初の3コーナーに入るあたり。ゲシュタルトが4番手に控えた。その後は淡々と流れて行く。最後方にモンテクリスエス、その少し前がオウケンブルースリといった位置で、早くも縦長の隊列。ナムラクレセントを見る形でのレースとなったコスモメドウ。先頭から4馬身ぐらいの等間隔ずつで続く2周目の向こう正面。そして先頭のコスモラピュタがロングスパート。3コーナーに入るあたりからピッチを上げて行く。それに付いて行くナムラクレセント。3コーナー中間ではまだ4馬身ぐらいあったコスモラピュタとナムラクレセントとの間。むしろ後続のコスモメドウが差を詰めて2馬身後ろまで接近。その後ろ1馬身のところにゲシュタルトだが、キタサンアミーゴが迫って来た。
残り600のハロン棒を過ぎて4コーナーに入る手前では、先頭に1馬身と迫った2番手グループにナムラクレセント、コスモメドウ、その外へゲシュタルトであり、さらにキタサンアミーゴと4頭がほぼ横並び。そしてカーヴを回って直線へと入って来た。
なかなか抜かせないコスモラピュタだったが、残り1ハロンの少し手前で、やっとナムラクレセントが鞍上和田Jのステッキで前に出た。外ではコスモメドウとゲシュタルトが並んで追い上げて来ているが、キタサンアミーゴはついて来ていない。むしろ内めでマカニビスティーが上がり、その後ろのメイショウドンタクが伸びかけている。残り50メートルとなり、完全にナムラクレセントの勝利が見えてきた。後続に2馬身と差をつけた。2着争いが大接戦となっている。大外へ出して来ていたモンテクリスエスの伸びもいい。コスモメドウがラピュタをかわして2番手に上がった瞬間にモンテクリスエスが猛追して来ていたが、3着の写真まで。むしろメイショウドンタクがいつもと違って伸びを見せていた。オウケンブルースリはその団子のすぐ後ろ、キタサンアミーゴを抜いての8着だった。
ナムラクレセントは菊花賞3着。天皇賞4着と長丁場はソコソコに来ていたのだが、もう一歩足りなかった今まで。でも今年の春は堂々と重賞ウイナーとして臨める。モンテクリスエスの最後方、大外強襲以外は前々で、それも内々でレースを進めた馬が上位独占。長いレースこそ、その貯金が大きくものを言った感じであろう。やはり前へ行ける脚質も勝負の決め手であろう。2番手をキープして出て行った和田Jの積極策が、大きな勝利をもたらしたものである。
月曜阪神11R
フィリーズレビュー(GⅡ)
芝1400m
勝ちタイム1.22.3
勝ち馬:フレンチカクタス(牝3、美浦・大竹厩舎)
※混戦から抜けたのは、栗東留学のフレンチカクタスだ!!
パドックで、いつもの場所で周回する馬を見ているのだが、あまり目につく馬がいなく感じる。毎年トライアル戦を同じ様に見ていると、これはと思える馬が出てくるものだが。混戦気味と感じる戦前の雰囲気。その思惑どおりごった返す直線から伸びて来たのは、スピードリッパーとフレンチカクタス。スピードリッパーが先に出てその後をフレンチカクタスが差すといった関東馬のワンツーだったが、惜しまれたのは3着のエイシンハーバー。まともに追えてない直線1ハロン過ぎ、権利こそ取れたが、もっと大きなものが獲れた気持ちが残る一戦であった・・。
ゲートでドナウブルーが少し遅れ気味のスタートだ。内ではラテアートも悪い。サクラベルがポンと出ていたスタート。その内からモアグレイスが押して先頭に立つ。フォーエバーマークが外の3番手に位置した。2ハロンを過ぎたあたりで先頭はモアグレイスで、すぐ後ろにサクラベルとフォーエバマークと、クリアンサスも半馬身後ろに上がって来ている。そこから1馬身少し離れて中団に数頭が固まり、後方グループの一番最後にドナウブルーだ。少し縦長か。
3ハロンを過ぎて、前3頭は先ほどより接近。ややクリアンサスとの差が開く。その後ろが少し固まりつつある。前半が34.1はまずまずの流れ。
残り800のハロンを通過する時には、4番手グループが前にもっと接近し始める。ニシノステディーが外から上がっている。真ん中にスピードリッパーがいて、その真後ろが、内にエーシンハーバーで外にフレンチカクタス。ドナウブルーはまだ最後方だ。そして4コーナーのカーヴへと入って行く。ここで一気に先行集団と後続馬の差がなくなる。ドナウブルーも中団の外へと押し上げて来ている。最後方がラテアートとなっているが、そんなに差はない。扇型に各馬が広がってカーヴを回って直線に入って来た。
残り300のオレンジ棒では、先行していた馬たちの脚色よりも外のスピードリッパーの勢いがいい。その後ろではフレンチカクタスも追い出して上がる気配だ。その右に白い馬体が見える、エーシンハーバーも接近してきた。
残り1ハロンを過ぎるあたりで、先頭にスピードリッパーが立つ勢いとなる。その横のフレンチカクタスもいい。やっとドナウブルーの姿が外に見え出す。その内へ来ていたラテアートと併せ馬で前を追って来ている。
残り100のまたオレンジ棒では、スピードリッパーに今度はフレンチカクタスが外から被せる様にかわす。外へ出したエーシンハーバーも伸び出す。≪フレンチカクタスが抜けた!≫の場内放送に呼応するように伸びるフレンチカクタス。ゴールが迫った時に外のエーシンハーバーがスピードリッパーに猛追してきたが、3着止まり。直ぐ後ろにドナウブルーとラテアートも来ていた。
≪早かったか!~、ゴメン≫と横山典Jが引き上げてきてスタッフに声をかけている。武豊Jも≪あそこが審議の対象になってないものね~≫と直線1ハロンのフレンチカクタスの進路のふらつきを言いながら枠場に入って行く。
パトロールビデオを何度も見る。やっぱりエーシンハーバーには勿体ないぐらいの直線1ハロンの攻防だった。外へ行きそうだから内へ入ったのに、今度は内へきたフレンチカクタス。だから待って外へ出すロスタイムがあったエーシンハーバー。もっと際どい接戦になっていたはずとみえた。もちろんそんな事を勝った北村宏Jが知る由もないだろう。一生懸命に馬をしごいてゴールを目指したのだから。
最後の1ハロンが12.6とややかかった一戦が物語る様に、全体に流れが速く推移した模様。1番人気のドナウブルーは、やはりスタートでの後手が痛かった。この少しの差が、道中の位置と追い上げのタイミングとなり、着順に出たもの。3週間後の桜花賞へ、上位3頭以外の馬がどれだけ出られるのだろう・・か。
でも、レーヴディソールの強さばかりがひしひしと思い出させる一戦でありました。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
- すべて
- 攻略レポート
- レース
- トピックス
- インタビュー
- 2026/3/25(水) 【京浜盃】ダート転向から一気の重賞制覇!ロックターミガンが初V!
- 2026/3/25(水) 【大阪杯】クロワデュノールの鞍上は北村友一騎手!豪華メンバーの決戦の騎手想定は…
- 2026/3/25(水) 【高松宮記念】8歳でG1制覇のウインカーネリアン、再び頂点狙う
- 2026/3/25(水) 【日経賞】有馬記念2着コスモキュランダ、あの走り再び!鍵は“完成形”再現
- 2026/3/24(火) 【黒船賞】良血馬マテンロウコマンドが土佐の地で好メンバーの一戦を制す!
- 2026/3/23(月) 【3歳馬情報】G1・2勝馬アスコリピチェーノを近親に持つ、一変の余地を秘めた期待馬
- 2026/3/22(日) 【高松宮記念】出走馬格付けバトル!華々しい引退か、新たな主役の誕生か
- 2026/3/22(日) 【阪神大賞典】レジェンドたる所以ここにあり!アドマイヤテラがレコードV!








