-日経賞他-平林雅芳の目

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トピックス


土曜阪神11R
日経賞(GⅡ)
芝外2400m
勝ちタイム2.25.4
勝ち馬
トゥザグローリー(牡4、栗東・池江厩舎)

※機動力が違う!! トゥザグローリー、視界良好だ!

有馬記念3着のトゥザグローリー。それも小倉の中日新聞杯を制しての中1週の強行軍ではあったが、出来がいいからの行動。そして惜しい内容でもあった。今年初戦の京都記念を快勝して、ひと皮もふた皮もむけた感じのトゥザグローリー。2番人気がペルーサ、鞍上に横山典Jが戻り再出発である。そしてローズキングダム。有馬記念は断腸の思いの取り消し。今年初戦の日経新春杯ではこの馬らしくない伸び具合でもあった。仕切り直しの今回。勢いが勝つのか持てる実力を発揮する戦いとなるのか、正直、この4歳馬3頭の戦いとなるだろうと思える戦前の思惑だった…。

少し4コーナーよりからのスタート。ペルーサの今日は、テンションも上がらずゲート入りもスンナリ。少しだけ中でうるさい場面を見せてはいたが、全然マシ。まずは五分にスタートを切れた。外からローズキングダムが前へと出る構え。前がゆったりは誰にでも判る流れだ。内からエーシンジーラインが出て行く。中からビッグウィーク。外からミヤビランベリが前へと出てきて、先行馬が一応前に出た。ローズキングダムも前めにいるが、内ラチ沿いをトゥザグローリーがポジションを上げてきている。ビッグウィークが先頭に踊り出ていくのかと思えた動きを最初は見せたのだが、1コーナーに入る時には行かせて自分は2番手。外にミヤビランベリだが、これまた外めを回って先頭に行く気がない。
コーナーワークでエーシンジーラインが楽に前へと出て行く。トゥザグローリーも上手く内から4番手にスッと上がっている。その真後ろにペルーサが入った。その2頭の間にローズキングダムが位置している。
向こう正面に入って1000メートル通過地点では、トゥザグローリーがむしろ位置を上げて、2番手ビッグウィークのすぐ後ろにいる。ミヤビランベリは、かなり外を回っている様子だ。

3コーナーのカーヴに入って行く少し前では、むしろ2番手にトゥザグローリーが上がっている様に見えた。カーヴを回ってだいぶ後続も迫り出した。エーシンジーラインのすぐ後ろにビッグウィークが迫り、ミヤビランベリと馬体を並べて前を追う。その後ろの内で脚を貯めるトゥザグローリー。半馬身後にローズキングダム。そこから少し後ろの内めにペルーサだ。
4コーナー手前で、前の2頭からビッグウィークが遅れ出した。その内へ入ってきていたトゥザグローリー。その外をローズキングダムが動いて前へと出て行く。
カーヴを回って直線に入ってきた。生垣が切れる前にローズキングダムが外から先頭に踊り出るのかと思っていると、内のエーシンジーラインのすぐそばにトゥザグローリーがいるではないか。

先に仕掛けるローズキングダムの武豊J。その隣りに、まだ何もしないでトゥザグローリーがいる。残り300のオレンジ棒を待たずに、今度は福永Jがゴーサインを出す。そこで手前を大げさに替えたトゥザグローリー。福永Jの左ステッキに呼応して伸びて行く。ローズキングダムとの差を開く。ローズキングダムが思ったほど伸びない。直ぐ内めをマイネルキッツ。外からペルーサが迫ってくる。
もう先頭は完全にトゥザグローリーが抜けた。2馬身以上の差を開ける。2番手にローズキングダムだが、手綱で押すペルーサに1馬身近い差を開けられての3着となった。

4コーナーで早めに出て行ったつもりの武豊Jの動きだっただろうが、内が開いていた事もあるが、トゥザグローリーの機動力が優っていた感じだ。直線に向いた時には同じポジションである。
これが現在の2頭の体調の差なんだろうか。ローズキングダムには、まだあの秋の頃の様な迫力が戻ってきていないと思える。ペルーサもまだまだピークには持っていってないはず。春本番にはまだ時間があるが、現在はトゥザグローリーの勢いが止まらない感じである。
前の担当だった市川さんの≪この馬はこれからドンドンと強くなって行きますよ~≫との言葉が思い出される。
『王道を歩き出した』、そんな言葉まで感じられるトゥザグローリーであった。



土曜阪神12R
中山牝馬S(GⅢ)
芝外1800m
勝ちタイム1.45.4
勝ち馬
レディアルバローザ(牝4、栗東・笹田厩舎)

ここも福永J。笹田厩舎の初重賞勝ちをプレゼント!!

後でパトロールビデオを見ると、レディアルバローザは好発をしているのが判る。そこから少し内めに入っていって脚を貯めている。それにしても、直線で行き場を探しながらの伸び具合は凄い。狙ったところが、最後には開いて瞬時に前へと出る。その絶妙なタイミング。勝つというものはこんなものだと判る勢いが出ていた。2着も条件馬のフミノイマージン。出来のいい馬が上位に来る、そんなレースだった。

パドックで、ヒカルアマランサスの大幅馬体減に気がつく。そうは見えないとしながらも、あまりの数字に心がどよめく。アプリコットフィズは、少し左後脚を流す感じである。馬体は相変わらず細め。しかし、馬体重の増減が多いレースだと思えた。
ゲートが開いた。アグネスワルツが、出が今ひとつだ。フミノイマージンは下げた様子。前走好位で競馬したら何もなかった。本来の差しに徹する様子だ。カウアイレーンワイルドラズベリーも、あまり出脚がついてない。一番速くゲートを出たのが、レディアルバローザ。しかし内めからバイタルスタイルが出て行った。アドマイヤテンバが2番手だ。
ディアアレトゥーサが押して前へとつける。外からスイートマトルーフオウケンサクラが出てくる。アプリコットフィズも好位置である。

3ハロンを通過する頃には、先頭のバイタルスタイルが1、2馬身先行。2番手オウケンサクラでアドマイヤテンバが3番手。スイートマトルーフが少し下げて4番手。そこから2馬身ぐらい開いて好位グループ。けっこう縦長となっている。中団にプロヴィナージュ。ヒカルアマランサスは後ろから4頭目のイン。傍にブロードストリートがいる。ワイルドラズベリーにフミノイマージン。最後方の内がアグネスワルツだ。
3コーナーを過ぎてますます縦長の感じとなった隊列だが、4コーナー手前に来て後続が接近してカーヴを迎える。
生垣を過ぎてもまだ先頭はバイタルスタイルである。内回りの4コーナーを過ぎてもまだ先頭。
残り300のオレンジ棒を過ぎたあたりで、ドドっと後続が迫り出す。内めからコスモネモシンが2番手に上がり出す。その真後ろからレディアルバローザが顔を出してきた。バイタルスタイルをかわしてコスモネモシンが先頭に踊り出たと思った途端に、レディアルバローザがすぐ横を、まるで勢いが違って先頭となってゴールを目指す。大外をフミノイマージンがステッキに呼応して、加速して迫ってきていたが、コスモネモシンをかわして2着までだった。

前半1000メートル通過が57.9。1200メートルの通過でも1.09.7とけっこう速いペースで飛ばしたバイタルスタイル。最後の2ハロンが12.1~12.4と最後に少し脚があがった様子であるが、自分の競馬は出来た。
レディアルバローザは池江泰郎厩舎からの転厩馬。今回が初戦となったが、馬体も12キロ増とフックラ仕上がっていた様子。53キロの斤量も良かったのだろうが、何と言っても鞍上福永Jの好騎乗だろう。好発から下げて脚を貯め、直線でも外から内へと進路を取ってのもの。切れを損なわないように、瞬時の技であろう。
2着フミノイマージンも、やっぱり2戦前と一緒。脚を貯めればこの馬もかなりな脚を使える。まだまだ伏兵陣がワンサカといる準オープン級の馬たちである。ここで一挙に華を咲かせた今日の2頭だが、まだこれからも前進あるのみと推測出来る。そして、まだまだこれから楽しみな馬が多いなと感じたものであった。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。