近年、中京での開催が多かったローズS(G2、阪神芝1800m)。今年は2年ぶりに阪神で行われます。

そのため、もう慣れっこかもしれませんが、直近のデータが参照しづらい一戦です。そもそも、開催場関係なく2ケタ人気が来るような荒れやすい傾向なので、予想が難しいレースとなっています。

しかしご安心ください。腕利き調査員が、秋華賞に予想にもつながる重要な一戦で、オイシイ思いをしていただけるような“美味い穴馬”をご案内いたします。

本命じゃない。でも、美味い。

ローズS・推奨穴馬


10 テレサ

📝 推奨理由

まず注目すべきは、前走で下したミッキーゴールドという「物差し」だ。ミッキーゴールドは、後に皐月賞へ駒を進めるジュタと若駒Sで0.1秒差、若葉Sでは皐月賞4着馬ジョバンニと0.2秒差の競馬を演じた、世代トップクラスと戦ってきた馬だ。この物差しを使えば、テレサが秘める能力が見えてくる。

そんな実力馬を相手にした前走・柳川特別の勝ちっぷりが見事だった。好スタートからハナに立つと、絶妙なペース配分で自らも脚を溜め、直線で猛追を受けると再び加速する「二の脚」を披露。確かに逃げ馬に有利な小倉コースではあったが、並ばれてから差し返す根性を見せた内容は、高く評価すべき一戦だ。

最大の焦点は、舞台替わりで強い相手に対しても自分の形に持ち込めるか否か。ミッキージュエリーを筆頭に積極策を武器とする馬も複数いるため、楽な逃げは望めないだろう。

陣営も「行く馬がいれば控えてもいい」とコメントしているが、この馬の理想形はやはり前でスピードを活かす競馬。相手の出方やスタート次第だが、鞍上の松山弘平騎手なら、強気にハナを主張しに行くと見た。仮に逃げれず控える競馬になったとしても、2走前のスイートピーSで見せたような速い末脚が使えれば、勝ち負けに加われるだけの力はある。

近年のローズSは速い上がりが求められる傾向にあるが、歴史を紐解けば、19年2着のビーチサンバ、18年勝ち馬カンタービレのように、前々で積極的な競馬をした馬が波乱を演出する土壌も十分にある。単騎逃げという最高の展開が叶えばもちろん、たとえ競りかけられる厳しい流れになったとしても、この馬の粘り腰は侮れない。

G1馬カムニャックをはじめ、人気は後ろから差してくる実績馬に集まるだろう。だからこそ、マークが手薄になるこの馬の"うま味"が増していく。軽視された逃げ馬が、高配当の使者となるはずだ。

📌 総評

ローズSの分析は、常に「新興勢力」と「実績馬」の力関係をどう評価するか、という点から始まります。夏競馬を席巻した馬の勢いは本物か、それとも春のクラシックで揉まれた経験が勝るのか。

単純な物差しでは測れない「成長曲線」をいかに正確に読むか。ここにこそ、高配当へのヒントが隠されているのです。