騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【菊花賞】変わり身ならこの馬がナンバーワン!レジェンドおすすめの本命!
2024/10/19(土)
当週 美浦ウッド(良) | ||||||
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83.7 | 66.8 | 52.3 | 37.7 | 11.7 | 馬なり |
いよいよ牡馬クラシック三冠目の菊花賞だね。一番盛り上がるのはやはり日本ダービーなのは衆目の一致するところだろうけれど、菊花賞はまた独特の雰囲気があってワクワクするよ。
春のクラシックは善戦止まりだった馬や、その春のクラシックに間に合わなかった馬など、最後の一冠は何とかしたいという各陣営の想いが集うレース。そういう意味でも注目しているんだ。僕はこのレースに最後まで縁は無かったけど(笑)
というわけで今年の菊花賞、ナンバーワン評価はコスモキュランダだ。1週前追い切りからの変わり身、そして雰囲気が一番良かったのがこの馬なんだよ。
先週は気の悪い素振りを見せていたんだけれど、今週は集中していてとてもいい動きだったね。春も堅実に走っていた馬で、その頃から個人的には距離が延びた菊花賞でいいと思っていた馬だったんだ。皐月賞で2着とあと一歩で戴冠を逃しただろう。このレースに向けて相当気合いが入っているはずさ。頑張ってほしいね。
二番手評価はセントライト記念でコスモキュランダを倒したアーバンシック。こちらも春のクラシック善戦組なんだけれど、前走、かなり成長を感じた馬なんだ。今週の追い切りも我慢が利いていて、気持ちよさそうに伸び伸び走っていたのが印象的だった。上積みは相当ありそうだよ。
もちろんダービー馬ダノンデサイルも良かった。とにかく馬体が素晴らしい。跳びが大きいからそう感じるところもあるんだけれど、ダイナミックな動きだった1週前のCWの動きは惚れ惚れしたよ。これには惚れたね(笑)
最後に取り上げたいのはピースワンデュック。まだ2勝クラスを勝ち上がったばかりだけれど、この馬には勢いがある。1週前にビシッとやって今週は馬なり。馬体も引き締まって力強い動きだった。
最終調整は必ず乗ってるくらい(柴田)ヨシトミもお気に入りらしいし、大物食いがあるかもしれないよ!
テイエムリステット
前走は最内枠から逃げる形だったんだけれど、2番手の馬のマークも厳しかったんだよな。逃げ馬に乗っているとああいう厳しいマークは嫌なものなんだよ。
今回は外枠を引いてきた。外のフームスムートは競ってくるような馬じゃないし、マイペースで逃げたら一変まであると思うよ。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。