騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【アルゼンチン共和国杯】やる気は勝機の証!抜群に動いた名コンビ!
2024/11/2(土)
1週前 栗東ウッド(良) | ||||||
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81.1 | 65.4 | 50.6 | 35.9 | 11.3 | 一杯 |
今週はG1の谷間になるけれど、土日で重賞が4鞍。それに海外ではオーストラリアでゴールデンイーグル、アメリカではブリーダーズカップ。さらに地方ではJBCシリーズとビッグレースが盛りだくさんだ。今は海外のレースも馬券が買えるのでファンにとっても楽しみな1週間になりそうだね。
今週はアルゼンチン共和国杯を取り上げてみたいんだ。中でも特に目立っていたのはサヴォーナだ。オールカマーの時にも注目していたんだけど、この中間は更に良くなっているよ。池添君が付きっ切りで稽古を付けているけれど、かなり気がある裏返しなんじゃないかなぁ。
1週前にCWコースでビシッと追っていた。大型馬ながらフットワークはバランスが取れていて、凄くパワフルだったね。全く重い感じがしないし、これなら神戸新聞杯や、日経新春杯の時のようなパフォーマンスを見せられると思う。
次に良かったのはクロミナンス。直前は終い重点に伸ばしてきたけど、首をしっかり使っていい動きだった。7歳だけど老いて盛んといった感じで、状態の良さは伝わってきたよ。
メイショウブレゲは前走京都大賞典でシンガリ人気ながら好走した。この馬は頭の高い走りなんだけど、不良馬場の坂路も関係なく、しっかり動けていたよね。前走は伊達でないっていう証かな。
あとは今週、栗東まで稽古を付けに行った佐々木(大輔)君のショウナンバシットだね。札幌2連勝の勢いをそのままに、先週、今週と絶好の動きだった。以前のトモの緩さが解消されてきたみたいだね。元々三冠皆勤したくらいの馬だし、パンとした今なら重賞でも楽しみになってきた。
ベルベルコンパス
新馬戦は勝った馬が強すぎたけど、あんな相手はそうそういないよ。3着には大差で、この馬の時計も同じ日の古馬1勝クラスと変わらなかったからね。
前走はハナの奪い合いになって、後ろを離す形の2番手。2歳にしてはかなり速いペースを余力十分に抜け出した。厳しいレースばかり経験してるから、すんなり行けた時の走りが楽しみだよ。大きいところを狙えるんじゃないかな。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。