騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【エリザベス女王杯】復活へ!女王決定戦のナンバーワン評価はあの伏兵
2024/11/9(土)
1週前 栗東坂路(重) | ||||||
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53.7 | 38.9 | 24.5 | 11.6 | 仕掛 |
今週から暮れまで8週連続のG1開催だね。毎週熱い勝負が期待できそうだし、ファンの皆様も楽しみにされてるんじゃないかな。
8週連続G1のトップバッター・エリザべス女王杯だけど、一番目に付いたのはスタニングローズだ。一昨年の秋華賞馬でその後は精彩を欠いているけど、3歳時のエリザベス女王杯は疲れも残っていたようだし、道悪も影響してダメージが大きかったんだろう。
その反動からか紆余曲折あって今に至るけれど、前走のクイーンSは久々に「おっ!」っと思うシーンがあったし、ようやく復調してきたな。
1週前の坂路も上がりが速くて良く見えたし、C.デムーロが騎乗した今週の追い切りは体全体を使ったノビノビした動きが印象的だったね。復活するのはここじゃないかな。この馬がナンバーワンだ。
スタニングローズの次に良かったのが、同じサンデーレーシングのレガレイラ。この馬も素晴らしい動きだった。以前より落ち着きが出てきたのがいいよね。道中も我慢が利いていて、追えばどれだけ伸びるんだろうと思ったほど。ここに向けて万全だろう。
シンリョクカの前走には驚いたよ。今週の動きを見ていても充実しているなという印象。重心を低くして終いもシッカリ伸びていたし、状態はかなり良さそうだ。
最後に挙げるならハーパー。1週前にブリンカーを着けて追っていたけれど、明らかに集中して走っていたし効果はありそうだ。今週は着けていなかったけれど、これは"ブリンカー慣れ"を防ぐ目的があったんだろうね。
追い切りで効果があっても実戦で活きない場合があるから、極力追い切りでブリンカーに慣れさせたくない。今回は実戦で効果があれば面白いと思うよ。
アランヴェリテ
大逃げになることもある逃げ馬で、前走は新潟の外回りマイルの大外枠から粘り込んで4着だった。今回は小回りの福島で逃げ馬の優位性をもっと生かせるはず。
同型のマーゴットソラーレが8枠15番に入ったのも追い風になるのではないかな。こっちがハナを切って隊列を早めに決めればマイペースに持ち込めると見た。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。