騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【フェアリーS】管理馬で制し大穴を開けたレジェンドが状態に太鼓判を押す馬!
2025/1/11(土)
当週 美浦ウッド(良) | ||||||
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81.4 | 66.3 | 52.3 | 37.8 | 12.0 | 馬なり |
今週はフェアリーSだね。キャリアの少ない3歳牝馬限定戦で、しかも舞台はトリッキーな中山マイル。この時期はまだ脚質も定まっていない馬ばかりだから、展開を読み解くのも難しいレースだ。能力差はそれほどないメンバー。いかにロスなく回れるかがポイントになるだろうね。
初めに個人的な話をさせてもらうけれど、このレースは10年前にノットフォーマルで勝ったんだ。覚えているかな?(笑)
周りの評価は低かった。11番人気だったからね。でも状態がかなり上がっていたんで、内心色気は持っていたんだよ。まあ、まさか勝つとは思ってなかったけどね(笑)
当時乗せたのは弟子の黛弘人君だった。ノットフォーマルを担当していたのが黛くんの父親でね。親子での重賞初制覇だったから感慨深かったな。とにかく嬉しかった思い出があるよ。
予想に入ろうか。今週のナンバーワンはティラトーレだね。今週はウッドで3頭併せの内にいたんだけれど、スゴく良かったよ。力みがないし、フットワークも軽くて伸び伸びと走っていたのが印象的だった。
(木幡)巧也くんがずっと稽古を付けている馬。それだけ期待が高い証拠だと思うし、頑張ってほしいよ。
次点はミーントゥビー。堂々としていてリラックスして走れていたね。その分、終いの伸びも良かった。3歳牝馬とは思えない風格があったなぁ。
ルージュミレネールはシャドーロールを着けても頭の高い走りだったけど、それでいて推進力があって、やればいくらでも時計が出るといった感じだ。その時計も速かったし、以前より前向きになっていたね。
最後にモルティフレーバー。今週は終い重点で最後気合を付けただけでだったんだけど、相手を一気に突き放した。立て直してきた効果を十分感じる。前走で減った馬体も戻っているようだし、前走の敗戦だけでは見限れない存在だと思うよ。
テーオーエルビス
前走のカトレアSでは道中終始引っかかりながらも粘って3着に食い込んだ馬だね。
2走前に京都のダート1200mで好タイムで逃げ切っているようにスピードの絶対値が違う感じ。1400mでスピードを生かすスタイルなら前進が期待できるんじゃないかな。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。