
騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【共同通信杯】レジェンドが思い出のレースでナンバーワン指名するのはあの良血馬!
2025/2/15(土)
当週 栗東坂路(良) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
55.2 | 39.7 | 25.6 | 12.7 | 馬なり |
今週は共同通信杯。やはり1990年、アイネスフウジンで勝った時を思い出すよね。今はウマ娘になって人気なんだろう?嬉しいね、そうやって人気になってくれるのは。
あの時は朝日杯を勝った後に臨んだレースだったんだけれど、共同通信杯も圧勝したことで、本当にクラシックを意識したものだよ。
昨年ジャスティンミラノがこのレースを勝ってから皐月賞も勝ったように、以前からクラシック登竜門と言われているレース。先々も含めて注目のレースと言っていいね。
今年のナンバーワンはネブラディスク。デビュー時はまだフォームがシックリこなかったように見えたけれど、ユタカ君が跨った先週といい、今週といい、坂路での動きはフォームもだいぶ良くなって力強かった。
まだキャリア1戦と経験値がそこまでないところが気になるものの、姉がリスグラシューという良血馬。クラシックに向けて楽しみになるレースをしてほしい。
そういえば先週の日曜は東京競馬場にいたんだ。このコーナーではボンドガールを取り上げたけれど、引退前だけに河内くんの管理するウォーターリヒトが勝ったのは素直に嬉しかったな。河内君とはジョッキー時代に札幌でよくごはんに行っていた仲なんだ。
でね、これは僕の恥ずかしい話になってしまうんだけれど(笑)。当時、河内くんが飲んだ後にウナギが食べたいって言いだしたんだよ。
それで僕も付き合ったら、逆に僕がウナギにハマってしまってね。それで体重が5kgくらい増えて60kgまで行ってしまったことがあったんだ。
さすがに色々と騎乗依頼を断ったこともあって、この時は調教師には怒られたなぁ。今ならありえないよね。時効ということにさせてください。
次に良かったのがレッドキングリー。2週連続で抑えきれないほどの行きっぷりだった。実戦で折り合いがつくかどうかだけれど、状態だけは唸っていたね。
あとはサトノカルナバル。今回は海外帰りとか、距離とか課題はあるけれど、追い切りは余裕のある動き。追えばどれだけ伸びるのかっていう手応えだった。
最後にマスカレードボール。随所に若さはあるけれど、今週の坂路では古馬を相手に突き放したからね。成績が示すように左回りの方がいいんじゃないかな。

バビット
京都の芝はコース替わりの影響もあって、土曜は内を走っていた馬が残るシーンが散見された。この馬場で単騎逃げできるならバビットにもチャンスがあっておかしくない。前走は展開が厳し過ぎた。単騎逃げなら見直せる。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。