
騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【金鯱賞】素質馬がひと皮むけた!好メンバーからレジェンドが選んだ一頭!
2025/3/15(土)
一週前 栗東ウッド(良) | ||||||
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79.9 | 57.4 | 39.7 | 11.2 | 馬なり |
だいぶ春めいてきて、過ごしやすい気候になってきたね。
3月といえば競馬界でいうところの新年度の始まり。東西で6名の新人ジョッキーがデビューして、先週は中山で舟山瑠泉騎手が、阪神で田山旺佑騎手が勝ち上がった。舟山君、凛々しい顔をしていたねぇ。技術はまだまだこれからだけれど、頑張ってほしいな。
僕のデビュー時を思い出すよ。当時は門下があって、あまり数を乗れなかったんだ。今より騎手の人数も多かったし、1厩舎あたり所属騎手が5人くらいいたんだ。
今はそういう縛りがないし、所属厩舎でなくても乗れるようになったから、正直羨ましいなと思う時はある(笑)。その分、どんどん経験を積んで力を付けていってもらいたいね。
今週は中京の金鯱賞を展望していこうか。
今後G1を狙う実績馬が集まった好メンバー。中でもナンバーワンはラヴェルだ。チャレンジCは相手にも恵まれていたけれど、牡馬相手に実に堂々とした勝ちっぷりだった。エリザベス女王杯2着は伊達ではなかったね。
折り合い面の課題をクリアしたことが大きいようだし、追い切りでは重心の低い走りで集中していたのが好感。素質馬がひと皮むけた印象だ。
次に良かったのがプログノーシス。有馬記念以来で多少余裕をもった造りではあるけれど、それでいて時計も速かったし、順調にきているようだね。掻き込みの強さに特徴がある馬。だからあれだけの末脚を使えるんだろうけれど、この動きなら3連覇も十分あると思う。
続いてデシエルト。芝に替わって2連勝と、その勢いのままに中間も坂路で好時計が出ている。日曜に4F51秒台を出して、水曜は緩め。それでもシャープな伸びを見せていた。
最後にクイーンズウォーク。よく取り上げる馬なんだけれど、牝馬らしからぬパワフルな動きはいつも目立つんだよね。今週は最後一杯に追ってきた。反応も良くて動きは豪快。中京コースなら前走のようなことは無いと思うな。

タシット
オープン実績のある馬もそこまでおらず、昇級組でも通用しそうなメンバー構成。タシットが3走前のようにハナを切れればいきなり通用する可能性もあるんじゃないかな。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。