
騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【オークス】前走は負けて強し!レジェンド・中野栄治元調教師が51年前の悔しさを晴らす!?
2025/5/24(土)
1週前 栗東CW(良) | ||||||
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82.4 | 67.0 | 52.3 | 37.0 | 11.2 | 一杯 |
いよいよクラシック第2弾、オークスだね。
やはりオークス、ダービーは春のG1でも盛り上がるレースだ。とりわけダービーは個人的にも盛り上がっているよ(笑)。まあダービーの話は来週にしておこう。面白い話もあるので楽しみにしていてほしい。
オークスといえば思い出すのは1974年、嶋田功さんが手綱を取って勝ったトウコウエルザになるかなぁ。え?51年前?本当に?(笑)
あの年は嶋田功さんが72年タケフブキ、73年ナスノチグサに続いてオークス3連覇を成し遂げた年なんだ。でもこのトウコウエルザの初勝利を挙げた時に乗っていたのは実は僕。
嶋田功さんは尊敬している一人だったので、乗り替わりは仕方がないかなとは思ったけど…乗っていたこともあって、オークスでも乗りたかったなぁ。
それはさておき、今年ルメール騎手が勝つと、その嶋田功さんのオークス5勝に並ぶんだってね。気持ちとしては嶋田さんの記録に並ばれたくない思いは正直あるんだけれど、こればかりは仕方がないね。
今週のナンバーワンはアルマヴェローチェだ。これは明らかに使った上積みがあるよ。ビシッと追った1週前は終いの反応が凄く良かった。
今週は坂路で相手に合わせた調整だったけれど、気分良く走れていたからね。前走は負けて強しの競馬。距離適性で今度は逆転できるんじゃないかな。
エンブロイダリーもかなり良かったなぁ。今週は3頭併せの真ん中でプレッシャーをかけていたけれど、鞍上の意のままに折り合いも付いていた。追えばどれだけ伸びるのかという手応えで、完璧に仕上げてきたね。
あとはカムニャック。まずは折り合いに注目していたんだけれど、1週前は馬の後ろにつけて何とか我慢していたね。まだ子供っぽさはあるものの、動きは迫力十分。実戦でも落ち着いていればチャンスはありそうだよ。
最後にブラウンラチェット。体は大きくない子なのに、大跳びでいかにも距離は合いそうだ。加速が付いてからのフットワークも鋭かったし、広い東京コースで見直したい馬だ。

テイエムスパーダ
今日は千直から。外目の枠を引いたテイエムスパーダに期待したい。前走の愛知杯は超ハイペースを刻んでしまって止まってしまったけれど、あれだけの出脚があるなら千直でもハナを切れるんじゃないかな。好枠を生かして押し切りを狙いたい。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。