
騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【府中牝馬S】2週連続会心的中!絶好調レジェンドが状態は前走以上と断言する馬!
2025/6/21(土)
当週 栗東CW(良) | ||||||
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85.1 | 68.8 | 53.0 | 36.8 | 11.0 | ゴール前仕掛け |
先週の宝塚記念、会心の的中だったね!S評価とさせてもらったメイショウタバルは見事な逃げ切り勝ちだった。安田記念のガイアフォースに続いて、上半期のG1を良い形で締め括れて本当に良かったよ。
宝塚記念が終わった後、知人からの電話が鳴り響いちゃってね。何事かと思ったら、このコラムを読んでくれているんだって。これも嬉しかったなぁ。
少しでも競馬ラボの読者の皆さんのお役に立てたのなら何よりの喜びだし、夏競馬も引き締めて頑張っていきたいと思っているので、楽しみにしていてほしい。
さて、先週から北海道競馬が開幕したね。僕は昭和46年、西暦で言うと1971年にデビューしたんだけれど、その当時は北海道に行く時は集団移動だったんだ。
要するに入厩している馬はもとより、厩舎に所属する人も全て、みんなで移動していた。夏場は北海道にずっと居残っていてね。みんな奥さんまで連れていって、向こうでは炊事、洗濯でサポートしてくれたものだよ。今では考えられないなぁ(笑)
毎朝の楽しみがあったんだ。それが厩舎地区におばちゃんがリアカーで売りに来ていたイカ。だいたい朝の8~9時くらいに持ってきてくれるから、それをツマミに飲んでいたなぁ。飲んでいた時間?内緒(笑)
函館は漁業も盛んな街。夜の街も活気に溢れていたけれど、当時は丁度その時期に半年ぶりに漁業から戻ってくる船団がいて、夜の街で僕たちよりもモテていたんだ。
何しろ羽振りがいいんだ(笑)。悔しかったなぁ。でも楽しく飲んでいた思い出ばかりだね。
お酒を飲んでいた話ばかりで前置きが長くなってしまったけれど、本題に移って今週の府中牝馬Sの話をしようか。ナンバーワンはタガノエルピーダだね!
前走は道中ハナを譲ったことで、直線が窮屈になってしまっていたんだ。ただそれ以前に、当時のパドックでは体も減っていて寂しくもあったかな。
その前走から今回は体もフックラとして、今週は3頭併せの真ん中でも伸び伸びと気持ちよく走っていたし、間隔は開いたけれど、むしろ状態は前走以上だと思うよ。
セキトバイーストもタガノと甲乙つけがたいほど動きは良かった。2週連続CWで単走追い。リラックスしていてとてもイイ雰囲気だったな。
その次がラヴァンダ。今週の坂路では凄い行きっぷりで、抑えながら好時計が出た。馬が走りたくて仕方ない様子だったなぁ。格上挑戦でも重賞実績のある馬だし、侮れないと思うね。
最後にカナテープ。今回は重賞初挑戦だけれど、勢いを感じるよね。今週は相手に合わせた形でも、1週前は回転の速いピッチ走法でいい動き。終いの弾け方が目についたよ。

エンペラーズソード
日曜のねらい目はエンペラーズソード。前走はこの条件で負けちゃったんだけれど、タイムは十分出ていてこれは相手が悪かったね。外から絡まれず再度ハナを切れればチャンスはあるんじゃないかな。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。