騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【エリザベス女王杯】"東北新幹線"とは呼ばせない!逆襲のレジェンド自信のS評価馬!
2025/11/15(土)
| 当週 美浦ウッド(良) | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 83.1 | 66.7 | 51.7 | 37.4 | 11.4 | 馬なり | |
今週から有馬記念まで7週連続のG1開催だね。
僕も以前はこの時期になると普段以上に忙しかった。厩舎も騎手も年内に一つでも多く勝ちたいから、力が入るのはごく自然なこと。
リーディング争いに絡んでいる関係者なら尚更だよね。まあ、僕はリーディング争いに絡んだことがなかったけど(笑)
さて、先週から秋の福島開催が始まった、福島にはいい思い出が多いんだよなぁ。福島は温泉地でも有名で、昔の福島開催出張は泊りがけだったから、平日は50人くらいで泊まって宴会をしたものだよ。芸者さんも呼んじゃったりしてね。
あと、海沿いの相馬市というところの山で山菜を採りに行くのも恒例だった。よくキノコを採っては、小料理屋に持っていって調理してもらっていたんだ。
そんなことを続けているうちに酒に溺れるようになってしまってね…。カミさんには"ラ・フランス"って言われちゃったよ。どういう意味だって?"洋梨"、つまり"用なし"だよ(笑)
その当時、先輩には"東北新幹線"とも言われたことがある。初めて言われた時に何それと思ったんだけれど、「東北新幹線には"のぞみがない"だろ?」と言われて思わず膝を打った。
理由を聞いた時は思わず笑っちゃったけれど、望みがないって言われたショックはあとからやってきた(笑)。今ではいい笑い話だよ。
みんなもお酒の飲み過ぎには注意しよう。東北新幹線とか、ラ・フランスって言われちゃうからね。
では話を本題に移して、エリザベス女王杯のナンバーワンはレガレイラだ。
実績は申し分ないよね。中山の実績が光りすぎていて、他場では?なんて声もあるようだけれど、追い切り自体は良かったよ。
今週のウッドコースでは3頭併せの真ん中で緊張感を持たせつつ、終いはグイっと伸びていた。順調かつ、状態は更に上がっていると思う。
ココナッツブラウンは馬体が増えてきたのが今の成績に繋がっていると思う。いよいよ本格化の域に入ってきた。
1週前のCWコースでの追い切りでは低い姿勢で弾むような走りを見せていたし、今週の坂路は追ってないから遅れも問題なし。5歳で今が充実期といったムードだね。
ステレンボッシュは最近の成績が冴えないけれど、動きは良かったよ。今週は最後遅れたとはいえ、大きく追走してのものだし、時計的には自己ベストだからね。侮れない。
最後にエリカエクスプレス。ずっと坂路で調整している馬で、特に武豊騎手が跨った今週の追い切りが凄かった。
蹴りの強さはチップの跳ね上がりで分かるんだけれど、かなり上まで飛んでいて力強さがみなぎる動きだった。あとは当日いかにテンションを上げずにレースに臨めるかだと思う。
アーレムアレス
日曜の推奨馬は京都9Rのアーレムアレス。前走はスタートの失敗が痛かったね。距離は延びてもまったく問題なさそうだし、互角のスタートなら前進間違いなしだと思う。
プロフィール

【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。






