騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【ローズS】近場の中京ならいきなり好勝負!動きが一番目立つ馬は…
2024/9/14(土)
当週 栗東坂路(良) | ||||||
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55.1 | 39.9 | 25.9 | 12.7 | 馬なり |
ローズS出走馬の追い切り映像をじっくり見た。中でも一番動きが目立っていたのはこの馬だったよ。
オークス4着以来と休み明けでも乗り込みは入念で、とりわけ1週前の動きが素晴らしかったな。1週前にCW、直前に坂路という調教パターンはオークスの時と同じなんだけれど、オークスの時は東京までの輸送を考慮した仕上げだったんだ。
今回は近場の中京が舞台とあって、1週前はハードに追った分、今週仕掛けてからの反応は先週とは明らかに違ったね。あくまでトライアル仕様の仕上げとはいえ、いきなり好勝負になると思うよ。このレースと相性のいい中内田厩舎っていうのもいいな。
二番手評価はカニキュル。関東馬だからつい応援したくなるんだけど(笑)、それを差し引いてもいい動きだよ。一週前は併せ馬で直前は単走という調教パターン。大きなストライドで終いはシッカリ伸びていた。
追えばどれだけ伸びるのかっていう手応えだったし、以前より落ち着きがあったのがいいね。この手のタイプはゆったり行ける2000mが合うはず。東京に良績があるのも納得だよ。走り方を見る限り、京都より中京の方が合うと思うよ。
次に良く見えたのはレガレイラ。また関東馬だ(笑)。一週前はまだ動きが重かったけれど、そこでビシッと追ったことで直前は重い感じがなくなっていたね。
直前追いでは3頭併せの真ん中で闘魂注入。乗り手も周りを見ながら余裕綽々といった感じで、気合乗りもいい感じ。何よりダービーの時よりも道中で我慢が利いていた点は好感触だ。
関西馬からもう一頭あげておこうか。タガノエルピーダが良かったよ。3週連続3頭併せという内容なんだけど、先週までは最後モタついて重い感じがあったんだ。ただ直前の動きは良かったね。先週に比べて集中力が増していたし、フットワークが目についたな。
アウトレンジ
前走控えていたから今回逃げるかはちょっと分からないんだけど、前走以外は安定して先行できていた馬だな。
メンバーを見渡すと極端に逃げたい馬も見当たらない。他の有力ドコロは差しタイプで、先行馬のサンマルレジェンドは更に外枠となればアウトレンジが単騎逃げする可能性もあると思う。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。