騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【オールカマー】レジェンドが断言!このレースの仕上がりナンバーワンは君だ!
2024/9/21(土)
当週 栗東坂路(良) | ||||||
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53.2 | 37.7 | 24.2 | 12.1 | 馬なり |
これは素晴らしい動きだったね。うん、今年のオールカマーのナンバーワンだ。札幌を使ったあとは無理せず調整できているので、順調と言って良さそう。
栗東では坂路メインの調整なんだけど、1週前には全体に負荷をかけて4F50秒台。そして今週は終い重点に軽快なフットワークで駆け上がっていったのが印象的。
ちなみに札幌の時は1週前、体が寂しく見えたんだよ。実際直前の追い切りは控えめだったんだよね。それでも3着に食い込んでくるんだから地力があるし、今回はその時の札幌とは雲泥の差と言っていいと思うよ。
2番手評価はレーベンスティール。間隔は開いているけれど、動きからはそれを感じさせないね。きっちり仕上がっている。エプソムCの直前は鞍上が抑えるのにひと苦労していて落ち着きがカギと見たら、実戦では全然関係なかった(笑)
その前走時より落ち着きがあって、追い切りも道中から折り合いがついている。その分反応も良い。馬体に厚みが出てきて成長も感じたね。
1週前は少し重いかなと思っていたサリエラが3番手。先週のひと追いでガラッと変わってきたな。仕掛けてからの反応がまるで違う。今週は併せ馬の相手を子ども扱いしていた。天皇賞では減っていた体もをフックラしていい感じに仕上がっているよ。
あとはサヴォーナ。大跳びの馬だから調教では一見目立たないんだけど、1週前のCW追いは豪快なフットワークで好時計が出ていたね。函館記念を叩いてまさにガラリ一変といった感じだ。直前の坂路も推進力があって凄く良かった。
ちなみに僕が調教師として最後に重賞を勝ったのが今年の日経新春杯のブローザホーンなんだけど、その時の2着馬だよね。これは力がある(笑)
タクシンイメル
日曜、中山は風が強そうだし、より逃げがハマりそうなのは雨が降って湿る中京のダートだろう。狙う逃げ馬は中京6Rのタクシンイメル。
前走は1700mでハナを切れなかった。スピードに乗るのに少し時間が掛かりそうな逃げ馬だから、1800mに距離が延びるのは歓迎。この距離でマイペースで逃げられれば、53kgを利してそのまま粘り込める。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。