「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 11月24日 東京12R ジャパンカップ(G1)
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本命馬◎ドウデュース(1人気) 1着
2週続けてG1突破!
- 11月17日 京都11R マイルCS(G1)
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本命馬◎ソウルラッシュ(4人気) 1着
難解なメンバーで本命ズバリ!
【紫苑S】トライアルの性格
2017/9/8(金)
土曜中山11R 紫苑S(G3)(芝2000m)
◎$本命馬&お宝馬 |
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⑭ナムラムラサキ (牝3、美浦・岩戸厩舎、津村騎手) |
能力だけなら、世代牝馬トップの一角にいるのがディアドラ。個人的には秋華賞の有力候補とみる。それだけに、ここで無理に勝ちに行くと本番へのお釣りが残らない。1500万の収得賞金なら、このまま本番へ出られるのは間違いないだろう。8分で勝ててしまうほど楽な相手でもなさそうで、個人的には面目を施す2,3着に留めるとみた。
同じことはライジングリーズン、ポールヴァンドル、サロニカにも言える。特にライジングとポールは距離適性を計る目的もあるだろうし、良血サロニカは5ヶ月空いた。これらの馬も勝ち切りは考えにくい。
目的は本番に勝つよりも、本番に出ること。そのためにここで3着以内が必須となるのが、賞金不足の馬たちだ。ホウオウパフュームに注目が集まるが、寒竹賞の反動からどこまで立ち直ったか、かつ、負かした相手のレベルにも疑問符が付く。ルヴォワールは能力は高いが、5ヶ月半ぶりでは勝ち切れるかどうか。いずれもヒモ扱いが妥当だろう。順調に使って来て勢いがある賞金不足の馬…⑭ナムラムラサキに目が行く。
左回りしか使って来ていないのはネックだが、その辺に目をつむって推せるのはその血統背景だ。ディープインパクト産駒にしては持続力に特化し、自身の産駒にもそれを伝えているトーセンホマレボシを父に持ち、母の全兄は2000m前後でクラシック前哨戦で活躍したナムラマース。そして母の父チーフベアハートは中山巧者の産駒を輩出してきた。東京以上の走りを中山で見せる可能性を信じたい。脚質にも自在性あり。3着以内に入れば御の字。大駆けあれば、アタマまで抜けてくる。
相手上位は⑯ディアドラ。あとはみな押さえで⑦ポールヴァンドル、⑮ルヴォワール、⑱サロニカ、⑥ジッパーレーン、③ライジングリーズン、②ブラックオニキス、⑧ホウオウパフューム。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。