「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 11月17日 京都11R マイルCS(G1)
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本命馬◎ソウルラッシュ(4人気) 1着
難解なメンバーで本命ズバリ!
- 11月16日 東京11R 東スポ杯2歳S(G2)
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本命馬◎クロワデュノール(1人気) 1着
2歳戦で血統ジャッジが光る!
【フローラS】一気に初夏、新星の煌めき
2018/4/17(火)
★土曜阪神11R アーリントンC(G3)◎本命馬 パクスアメリカーナ 3番人気 2着 内枠でやや窮屈な道中。しかもいかにもクロフネ産駒らしくエンジンの掛かりが遅く、直線も狭い所へなかなか割って入れず、そのうちに瞬発力に勝るタワーオブロンドンに抜き去られてしまう。3着もギリギリかという態勢から、やっとエンジンがかかり、ゴール前の2着争いを制した。
権利が取れたのは何より。このズブさは長い直線で活きるはず。次走NHKマイルCへ向けて視界良好。
$お宝馬 ラセット 7番人気 11着 終始後方から回ってきただけ。休み明けとは言え、6キロ程度の増加では太くは見えなかった。こんな馬ではないはずで、叩かれた次走は自己条件ならアッサリも。もし編成替えで古馬と走ることになっても勝ち負けできる力はある。
★日曜中山11R 皐月賞(G1) ◎本命馬 ジャンダルム 4番人気 9着 出遅れが痛い。ハナを狙う馬たちに絞められてどんどん位置取りが下がり、器用さが武器のこの馬にとって最悪の展開。内からスンナリ好位のいつもの競馬ができなかった。まともならエポカドーロの位置がマイポジションのはずなので、本当に痛かった。さらにこの馬が渋りを苦にするはずはなかったので、重馬場にまでならなかったのも予想する側としては誤算。なお今後は1800mからマイルにシフトしていくタイプだろう。
$お宝馬 アイトーン 12番人気 8着 こちらは自分の競馬ができた。同型どうこうより、この馬も雨が降らなかったことが痛かった。近い将来に穴を出すだけの能力はある。
【今週のポイント】
今年のフローラS出走予定馬は、すべて収得賞金900万以下で、ここで権利を取らないとオークス出走がかなりの狭き門となりそう。加えて、今年から優先出走権の対象が2着までとなってひと枠減った。一層熾烈な争いが見られることだろう。
種牡馬の観点からみると、2013年のワンツー決着を最後に、ディープインパクト産駒の連対がない。3着にアウェイクとフローレスマジックが入っただけだ。反対に、去年ワンツーを決めたのが、ハービンジャー産駒。今年の登録馬では、皐月賞制覇で勢いに乗る戸崎騎手が手綱を取る予定のノームコアと、人気薄ヴェロニカグレースが該当するが・・・。
とはいえ、今年の人気馬の大半はディープインパクト産駒。包囲網をかいくぐって、今年も非ディープ産駒が勝ち切るのか、あるいはディープ産駒がジンクスを止めるのか。そしてアーモンドアイへの挑戦権を名乗れるくらいのパフォーマンスを見せる馬は現れるのか。
なお、当日はもしかしたら30度近い気温が予想されるとのこと。当日、輸送と暑さに音を上げる馬のチェックも必要だろう。予想ファクターの多い難解な一戦となりそうだ。
【次回の狙い馬】
日曜・中山5R 5着 スンナリとハナに立ってスムーズな競馬はできたが、直線で脚が上がってしまう。急坂はともかくとして、血統や前走内容とも考え合わせると、これは距離だろう。次走、東京で1600m、あるいは1400mに詰めてくればチャンス。
日曜・中山4R 1着 とにかく未勝利戦ではモノが違った。後方からロングスパート、直線は大外を回してなお余裕の手応え。完勝だった。使い込んでいるので一度休ませるかもしれないが、いきなり古馬相手でも、500万なら楽だろう。先々はオープンも狙える馬。
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プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。