「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 12月15日 京都11R 朝日杯FS(G1)
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本命馬◎ミュージアムマイル(2人気) 2着
見事にハマった「連軸推し」!
- 12月7日 中京11R 中日新聞杯(G3)
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本命馬◎ロードデルレイ(1人気) 2着
馬券のチャンスを見逃さない!
【マイルCS】中距離型マイラー?スペシャリスト?それとも
2019/11/12(火)
【今週のポイント】
今年のマイルCSは、有力馬が距離シフトによりハッキリと色分けされる構図となった。まず、2000mでもG1級のグループで、これにはダノンプレミアム。ダノンキングリー、アルアインが該当。
マイルスペシャリスト組(相手が弱ければ1800m以上もこなすが)はインディチャンプ、ペルシアンナイト。
そして短距離で強く、マイルまでなら大丈夫というタイプでこれはモズアスコット、ダイアトニックとなる。
どの組が上位に来るかは馬場状況、ペースが関わってくるのだが、ただ近年は、3年前の勝ち馬ミッキーアイルを除くと、短距離指向のタイプの好走は難しくなっているようだ。
その他にも、マイルCSにおける同一年の安田記念の成績との関係、今開催の京都外回りマイルの好走血統にも、明確な傾向が出ている。幸い京都の今週末は好天続きの予報。スリリングな攻防を期待しつつ、有力馬を捌き、穴馬を拾いたい。
★土曜東京11R 武蔵野S(G3) ◎本命馬 エアアルマス 1番人気11着 3番手にスッと位置を取る。コメントでは砂を被ったことが敗因になっていて、それも確かにあるだろうが、見直すとずっと被っていたわけでもない。これに加えて、やはりドリームキラリの作ったペースを追いかけていったのが最後に響いたとみる。自分のペースを守れない脆さも露呈してしまった。立て直せれば、ダート重賞は勝てる馬という見方は変わらない。
$お宝馬 ドリームキラリ 7番人気9着 速い流れで前半ダッシュ、その後数字上は息を入れられたが、ずっと付いてこられた分、精神的には息が入らなかったようだ。しかも休み明けもあって、直線は止まってしまった。叩かれた方が良いタイプではあるので、次走は良化しそうだが、使う場が合うかどうか。
★日曜京都11R エリザベス女王杯(G1) ◎本命馬 サラキア 9番人気6着 終始好ポジション。しかし、そこから伸びずバテずで流れ込む競馬になってしまった。ジリジリとは進んでいて、2着馬と0秒2差ではあるのだが、勝負に加われるシーンはなかった。例年と異なり、今年は母方がダート血統短距離寄りの馬ばかり上位を独占。このあたりの変化を見抜けなかったことが敗因だった。高速上がり差し馬を狙うのは正解も、それがラッキーライラックとは想像できなかった。
$お宝馬 シャドウディーヴァ 11番人気15着 終始後方、何もできず。後方にいた馬がすべて凡走となってしまったペースであるのだが、それにしても動かなすぎ。短期間に2度の滞在競馬が響いた可能性もある。
【次回の狙い馬】
土曜 京都3R 8着 芝千四のスピードに付いて行けず、直線でジリ伸び。距離不足というより、印象からはダート馬ではないか?ということ。母方の血統からしてもその可能性は低くないだろう。次走ダート替わりで狙いたい。
日曜 京都3R 4着 1200mで付いて行けず、1500mで好走してのマイル出走だったが、完全に距離が長くて力尽きた直線だった。これは1400mのスペシャリストと考えて間違いなさそう。次走は場を問わず1400m決め打ちで狙う。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。