「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 12月15日 京都11R 朝日杯FS(G1)
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本命馬◎ミュージアムマイル(2人気) 2着
見事にハマった「連軸推し」!
- 12月7日 中京11R 中日新聞杯(G3)
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本命馬◎ロードデルレイ(1人気) 2着
馬券のチャンスを見逃さない!
【シンザン記念】新・名馬への登竜門
2020/1/7(火)
【今週のポイント】
日曜の京都メインはシンザン記念。これまでにも、タニノギムレットのような名馬を勝ち馬から出した年は時たまあったが、基本的には今後へつながるケースは少ないレースだった。しかし近年はジェンティルドンナ、ミッキーアイル、アーモンドアイと、コンスタントに勝ち馬が大物に育つようになってきた。
また2017年は負け組からアルアインやペルシアンナイト、16年はジュエラーにレインボーライン、ファインニードルとキャラクター豊富、2014年には5着にモーリス、そして2011年は2着にオルフェーヴルの名も見える。とにかく、出走馬のレベルが相当高くなってきたのは確かだ。桜花賞、NHKマイルC、牡馬クラシックと、それぞれ目指すところが異なる馬たちが、早々に賞金を稼いで今後のローテを楽にしたいという思惑が強まってきたのだろう。それだけに、いろいろな才能が集う場になってきている。
そして今年も、その例に漏れない年となりそう。アルテミスS2着のサンクテュエール、当日の3勝クラスに匹敵する時計で新馬戦を勝った、フィエールマンの半妹ルーツドールの強力牝馬2頭、さらに朝日杯であわやのシーンを演じたタガノビューティーが顔を合わせる。
牝馬のシンザン記念優勝となると、先に挙げたジェンティルドンナやアーモンドアイのみならず、かなり昔の話になるがシーキングザパールやフサイチエアデールなどが出ていて、牝馬が勝てばそれだけでG1勝ちを保証されると言ってもいいだろう。
時計が少し掛かり、かつ底力の問われる差し脚が必要な冬場の京都外回り。軽さだけでなく、馬力の裏打ちをされているかどうかがポイントとなる。スケールに加えて、血統から母方のパワーをチェックして序列をつけることとしたい。
★土曜(12/28)中山11R ホープフルS(G1) ◎本命馬 オーソリティ 4番人気5着 スタート直後に内からぶち当てられて外へ飛び出してしまい、再三内へ入ろうとしたものの、前がふら付いたり内から張られたりして、結局ずっと外を回らされる。だがかなり距離ロスがありながら、直線はジリでも伸びていた。スタート後スムーズに捌けていたら、悪くても3着はあったはず。不運。
$お宝馬 ナリノモンターニュ 8番人気12着 スタート後に大きくヨレてオーソリティにぶつかっていったのがこの馬。本命馬がお宝馬に妨害されるとは、何とも締まらない結果になってしまった。
★日曜中山11R 中山金杯(G3) ◎本命馬 クレッシェンドラヴ 1番人気7着 出負けして終始シンガリ、しかも外々を回らされてしまう。直線も大外へ出してそれなりに伸びてはきたが、とても馬券圏に入れる位置ではなかった。出遅れは仕方ないにしても、かなりスローだったのに後方のままジッとして直線に賭けたのでは、物理的に無理。もったいない競馬になってしまった。
$お宝馬 ウインイクシード 6番人気2着 こちらは持ち前の器用さと、小回り適性を活かして、勝ち馬を追い詰めた。舞台は限定されるが、諸条件が整えばG3でもやれる。
★月曜京都11R 万葉S ◎本命馬 プリンスオブペスカ 4番人気11着 終始押っ付け通し、それでも馬が出て行かない。これまでとは全く違う走りで、直線もほとんど伸びず。にわかには理解できない内容だった。コンディション面の問題か。
$お宝馬 ミッキーバード 7番人気5着 2番手を進み、直線は勝ちに行って一瞬先頭。タガノディアマンテに突き放された後も、ラスト50m付近までは2番手を粘っていた。終始スローのままだったので、粘れなかったのは物足りないと言えば物足りないのだが、51キロとはいえ格上挑戦だったことを思えば、個人的には健闘だと思う。
【次回の狙い馬】
日曜 中山7R 9着 スタートから立ち遅れたこともあるが、久々2度目の右回りだったことが大きな敗因。右回りは上手くないことが今回ハッキリした。そもそも今回は休み明けでもあり、もしかしたら当初から安定している左回り勝負であり、今回は叩きだった可能性もある。次走東京出走なら。
月曜 中山5R 5着 1800mで2戦続けて2着の後に、今回中山2000mへ出走してきた。終始好位を進んでいたが、直線は明らかに距離と思われる失速の仕方。2000mは長かった。次走、1800mに戻すか、むしろマイル短縮でもいいくらい。場は不問だ。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。