「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 12月15日 京都11R 朝日杯FS(G1)
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本命馬◎ミュージアムマイル(2人気) 2着
見事にハマった「連軸推し」!
- 12月7日 中京11R 中日新聞杯(G3)
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本命馬◎ロードデルレイ(1人気) 2着
馬券のチャンスを見逃さない!
【フィリーズレビュー】寂しき春に花添えて
2020/3/10(火)
【今週のポイント】
意外と混戦の様相を呈してきた桜戦線。今週はフィリーズレビューが行われる。勝ち馬が桜花賞を制した例は、2005年のラインクラフトまでさかのぼることになるが、オークス秋華賞の2冠馬となるメイショウマンボ、古馬になって大成したクイーンズリング、短距離でブレイクしたベルカントなど、名牝は断続的に出ている。また2着馬からはレーヌミノルが3年前に本番を勝った。
ハッキリしているのは、前走1200m組が近10年で1度も3着以内に入ってないということくらいで、馬券的には毎年難解なレース。
血統的には、1400mの常である「ダート風味の組成」「1400mのスペシャリスト的血統」「早期完成度」などが鍵となる。これらに該当する馬の中から、枠の並びや展開も加味して結論を下したい。
★土曜中山11R オーシャンS(G3) ◎本命馬 ナックビーナス 3番人気2着 100%完璧な競馬。坂下までは今度こそという感じだったが、ダノンスマッシュの切れに屈した。これは仕方ない。4年連続2着は却って大偉業とも言える。
$お宝馬 キングハート 6番人気5着 自分の競馬は出来ている。今年は相手が強かった。
★日曜中山11R 弥生賞ディープインパクト記念(G2) ◎本命馬 サトノフラッグ 2番人気1着 スタートしてすぐに鞍上が外へ外へと馬を導き、馬場の良いところを回る。道悪にしてはソコソコ流れていたが、ペースダウンを待たずに3角前から一気のマクリ。距離ロスもなんのその、坂でまた伸びた。馬体のシルエットがハッキリしてきて、走りに弾力がついている。新馬戦で仕上げ切らなかったことが、ここに来ての成長力につながった感。ただコントレイルには完成度でまだ一枚届いておらず、もうワンステップ上がりたい。
$お宝馬 エンデュミオン 11番人気7着 この馬の競馬はできた。能力差。ただ、じわじわと強くなっては行きそうで、まずは自己条件から。
【次回の狙い馬】
土曜 中山6R 6着 前半は1200mのペースに苦労しているように見えたが、直線は目を惹く伸び。2着馬とは0秒1差だった。ペース慣れが見込める次走は、さらに上が目指せるだろう。
土曜 阪神12R 5着 前に行った馬には厳しい展開で、本来は前に行かないはずのこの馬にとってはなお苦しくなると思われたが、2番手からしっかり粘っての0秒3差は立派。新境地を見出せた。次走は自在に立ち回れるはずだ。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。