「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 12月15日 京都11R 朝日杯FS(G1)
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本命馬◎ミュージアムマイル(2人気) 2着
見事にハマった「連軸推し」!
- 12月7日 中京11R 中日新聞杯(G3)
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本命馬◎ロードデルレイ(1人気) 2着
馬券のチャンスを見逃さない!
【宝塚記念】最も適性を問われるG1
2020/6/23(火)
【今週のポイント】
アーモンドアイ、フィエールマンの名こそないが、現役の古馬のトップクラスはほぼ顔を揃えたと言っていい宝塚記念。当面目標とするレースもないだけに、ここは各陣営メイチの仕上げになるだろう。これだけの顔ぶれ、胸が躍る。
毎年言われることだが、宝塚記念は、ここがG1初戴冠となるケースが多いレースである。シーズン末期、そして小回りの坂コース。直線も短い。天皇賞春・秋やジャパンC、前哨戦である金鯱賞とは大きく異なる形態になるのもその理由だろう。
同様の形状である大阪杯が直結しそうなものだが、これまでG1昇格後は連対馬が3頭出走して、キタサンブラックが天皇賞勝ち後に人気で大敗、直行したアルアインは4着、同じく直行のキセキが2着と、あまり結果は出ていない。
そもそも、前走重賞を勝ってきた馬が連勝を果たしたのは、近10年でラブリーデイの1頭だけなのだ。スイートスポットは天皇賞負け組だが……?
血統的には、明らかにパワー血統が優勢となっている。鋭い切れを誇る馬は苦戦傾向が濃い。
とにかく、舞台設定からして、適性が最も問われる古馬G1といえる。戦績はもちろん、血統から面白い穴馬もチラホラ見えてきた。土曜の血統トレジャーハンティングをお待ちいただきたい。
★土曜阪神11R 三宮S ◎本命馬 ヴェンジェンス 1番人気1着 力量的に当然。クリンチャーの徹底マークを受けたが、危ういシーンは皆無だった。
$お宝馬 テーオーエナジー 10番人気10着 オーヴェルニュが強硬にハナを主張してきたのは誤算。控えることを余儀なくされた上に、ペースも激化してしまった。相手次第で見直せる。
★日曜東京11R ユニコーンS(G3) ◎本命馬 カフェファラオ 1番人気1着 想像以上の強さ。レッチェバロックやフルフラットを直線でかわいがりながら、少し追っただけであっと言う間の5馬身。ただただ無事を願うのみ。
$お宝馬 ケンシンコウ 11番人気3着 前走同様スタートで安めを売り、今回もある程度挽回して中団で直線へ。ハイペースで前がバラけていた分、馬群を捌きやすく、外からデュードヴァンと一緒に伸びてくる。さすがに鋭さでは叶わなかったが、ゴール前までしっかりジリ伸びしている。前走で3勝クラスレベルの時計を出していた能力は本物だった。
【次回の狙い馬】
土曜 東京8R 6着 出戻り戦。ハナかと思われたが、主張されて2番手。かなり速い流れとなったが、直線は勝ちに動いていったん先頭も、最後はバテてしまった。ただ、以前は未勝利で1勝クラスに交じり4着した能力があった。出涸らし時期のこのクラスなら勝てるはずだ。展開だけでなく長い直線もこたえた感があり、次走、福島の1150mではやや短いが、新潟1200mならベストではないだろうか。
日曜 阪神5R 4着 新馬戦。緩さが目立ち、また馬っ気も出していたように幼かったし、スタートもミス。しかし走りは見所あった。少しずつ位置を上げたが、直線は早めに促されるも反応鈍く、最後の1Fでやっと本気になった感。今回使った上積みは相当あるだろう。これなら続戦した方がよく、次走中京のうちに使いたいところ。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。