「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 11月17日 京都11R マイルCS(G1)
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本命馬◎ソウルラッシュ(4人気) 1着
難解なメンバーで本命ズバリ!
- 11月16日 東京11R 東スポ杯2歳S(G2)
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本命馬◎クロワデュノール(1人気) 1着
2歳戦で血統ジャッジが光る!
【新潟記念】寂しき夏を送る熱戦
2020/9/1(火)
【今週のポイント】
福島3週、新潟7週の夏競馬もとうとう最終週を迎える。無観客が続いたからか、例年以上に短く感じるのは筆者だけだろうか。何かしらもどかしい感覚を引きずったまま、夏が終わろうとしている。
掉尾を飾る新潟記念は毎年難解で、3連単は近10年のうち7回で10万円を超えている。30万以上も3回あった。とにかく一筋縄ではいかないとみていいだろう。
今年は3歳からワーケアが参戦。3歳と言えばおととしのブラストワンピースの印象が鮮烈だが、3歳馬は近10年で6頭出走しこの1回しか馬券になっていない。今年の3歳馬も、米子ステークスのスマイルカナはよかったものの、札幌記念のブラックホールやキーンランドカップのヤマカツマーメイド、中京記念のギルデッドミラーやプリンスリターンなどを見ると、今年の3歳馬はまだ夏の時点では古馬の壁に苦しんでいるように見える。素直に軸にするにはややためらうのも事実だ。
ブラヴァスは新潟大賞典の4着こそあるが、近走は小回りコースの方がパフォーマンスが高い。カデナも同様で、人気馬にいずれも不安点がある。今年も波乱の要素は少なくないだろう。なお新潟は幸い、今のところは(火曜午後)週末好天の予報となっている。
本命とお宝馬の区別をどこに置くか難しいが、先週土曜のオホーツクステークス同様、実入りの良い推奨馬を出せるように努めたい。
★土曜札幌11R オホーツクステークス ◎本命馬 ワセダインブルー 8番人気1着 まさかこれほど人気がないとは思わなかった。レースでは中団後方からまくり上げていき、外から直線に入ってもうひと伸び。見込んだ通りの能力を発揮してくれた。騎乗も満点、言うことなし。これでオープン入りとなるが、ローカル重賞ハンデ戦なら通用していい。
$お宝馬 ハーメティキスト 5番人気3着 こちらはワセダインブルーの1,2頭前から進み、早めに動いて直線4番手から勝ちに行く競馬、いったんはこれが勝ち切ったかと思わせたが、勝ち馬のマクリの勢いと、4角並走で入ってきたドンアルゴスとの競り合いに屈した形。力は出せている。想定以上に人気だったのが誤算。
★日曜新潟11R 新潟2歳ステークス(G3) ◎本命馬 ブルーシンフォニー 1番人気2着 まさかの1番人気。前半は縦長の後方。予想したより速い流れになり、高速上がりというよりも脚の持続力が求められた展開に。しかし3角から動いて位置を上げ、前に狙いを定めてスパートも、ラスト1ハロンはショックアクションに伸びが見劣った。この馬向きの流れにはならず完敗だったが力は出せた。
$お宝馬 ジュラメント 8番人気10着 追走に手一杯。まだ馬体も子供で、全く見せ場がなかった。
【次回の狙い馬】
土曜 新潟8R 8着 新馬戦を高水準の時計で勝ってから5ヶ月空けての復帰戦。前半は砂を被るのを嫌がって首を挙げるシーンが目立ち、なかなか流れに乗れない。直線もそのままで流れ込むだけになってしまった。ダートなら砂を被らない枠が取れれば巻き返せると思うが、血統からは本来芝。次走芝へ矛先を変えたら面白い。
日曜 新潟12R 8着 今回休み明け。体重は増減なしだったが、いささか急仕上げにも映った。ハイペースの中を先行し、最後まで食らいついていたが、ゴール前で失速。しかし3着馬とは小差だった。これを叩いての良化が見込めそうな内容で、次走中山ダート1200mか、東京1300mなら。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。