「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 11月17日 京都11R マイルCS(G1)
-
本命馬◎ソウルラッシュ(4人気) 1着
難解なメンバーで本命ズバリ!
- 11月16日 東京11R 東スポ杯2歳S(G2)
-
本命馬◎クロワデュノール(1人気) 1着
2歳戦で血統ジャッジが光る!
【菊花賞】約束された戴冠か、それとも……?
2020/10/20(火)
【今週のポイント】
デアリングタクトの感動が冷めぬ内に、今度はコントレイルの大偉業に向けて緊張が高まる。正直、単なる競走馬としての絶対能力は、同世代ならアタマ3つくらいは抜けている。
かつての菊花賞は、スタミナがフィーチュアされて、ステイヤー要素の薄い春の王者が一敗地にまみれるシーンも珍しくはなかった。しかし近年の馬場改修、整備技術の向上に伴い、スピード能力の比重が高まってきて、道悪にさえならなければ、2400mをこなせる馬なら距離に問題はなくなっている。
予想をするだけなら、本命コントレイルで間違いはないだろう。内枠に越したことはない長距離戦だが、このコースならどこを引いても動ける。ただ、京都3000mという舞台がスタミナだけでなくもろもろプラスになり、これまで雌伏していた馬が一気に浮上、肉薄する可能性がないわけではない。そんな存在が1,2頭見えてきた。先週のマジックキャッスルのような「美味しいヒモ穴」か、あるいは針の穴ほどとはいえ逆転の希望まで抱かせる馬として本命を打つのか。血統トレジャーハンティングの腕の見せ所となる長距離戦、最終結論となる土曜夜をお待ちいただきたい。
★土曜東京11R 府中牝馬ステークス(G2) ◎本命馬 ラヴズオンリーユー 1番人気5着 好位置を取れて、何の問題もない競馬ができたが、直線でもどかしいほど伸びない。12キロ増とか馬場とか言い訳はできるが、それを理由にしてはいけない立場の馬であるのも事実。次走ガラリと変わるとしたら、古馬になってそういうタイプの馬に変わったということだろう。
$お宝馬 サムシングジャスト 8番人気3着 出遅れてシンガリ追走、重い馬場での負荷を考えて挽回していかずに待機。直線は道悪に自信もあるのか、空いた内を突いて伸びてきた。健闘。
★日曜京都11R 秋華賞(G1) ◎本命馬 デアリングタクト 1番人気1着 何も言うことはない。素晴らしいの一言。3冠で最も楽な競馬だった。
$お宝馬 マジックキャッスル 10番人気2着 デアリングタクトの直後の位置取り、4角でも食い下がっていき、直線は空いたところへ潜ってデアリングの内を伸びたが、絶対能力の差で2着。力は出せたし、大野騎手の手綱が冴えていた。G1を勝つにはワンパンチ足らないが、重賞戦線で長く活躍できそうだ。
【次回の狙い馬】
日曜 京都3R 4着 速い流れを2番手追走。逃げたヴァガボンドは競り落としたが、12キロ増が響いたか最後はモタれて追い負けての3着。ただ、叩いていかにも良くなりそうだった。人気になってしまうと思うが、次走は同じダート1400mなら確勝級か。
日曜 新潟3R 7着 終始中団前あたりを付いて回ってきただけ。芝、それも直線長いコースでは全く切れないし、スピードも足らないがバテてもいなかった。次走ダート替わりを条件に狙いたい。いかにもダート向きの走りだ。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。