プロ野球・ストーブリーグが盛り上がってきた。FA宣言していた広島カープの丸佳浩選手の巨人入りが確定的となるなど、大物選手の移籍が次々に決まり始めた。

その中で我らが阪神タイガースはオリックス・バファローズからFA宣言した西勇輝選手を獲得……できるのかどうか……。某スポーツ紙は獲得の方向性を崩していないものの、こればかりはもう西選手が決めること。吉報を待ちたい。

FA選手だけではない。新外国人選手獲得のニュースも届き始めている。阪神はすでにサンフランシスコ・ジャイアンツからピアース・ジョンソン選手をリリーフ候補として獲得しているが、打者のほうも候補は絞れ、あとは合意を待つのみという段階まで来ているよう。心配なのは現在抑えを務めるラファエル・ドリス選手の動向だ。どうも契約がまとまらず、今日30日までに日本野球機構へ提出しなければならない保留者名簿から外れる可能性が高まってきた。チャーミングな風貌で人気のドリス選手だが、今年7敗を喫したように、9回をスリリングな展開にしてくれることが多い。野球は試合終了まで分からないという言葉を体現してくれる。ファンの不満も少なくはなかっただろう。現在の年俸1億2500万円は高い、放出やむなしという声も聞こえる。

ただ、いざいなくなると寂しくなるもので、仮に退団したとしても来年のシーズン中に「ドリスがいなくて寂しい」という声が続出する気がしてならない。それが阪神ファンという生き物である。筆者もそうである。


さて、今週から2018年最後の中山・阪神・中京開催がスタート。アーモンドアイの衝撃レコードで盛り上がった東京競馬場検量室の裏で、京阪杯の推奨馬である12番人気◎ナインテイルズが岩田康誠騎手の素晴らしい騎乗で2着に激走した光景を見て、筆者は感動の涙を流していた。12月も感動の涙を流せるよう、より予想に力を入れていきたい。


土曜、暮れの中山の開幕週を飾るのは中山11R・ステイヤーズS。ステイヤーとは『スタミナ豊富で、長距離レースの得意な馬のこと』を指す(JRA競馬用語辞典から引用)。ついイメージで欧州の重厚な血統を買ってしまいがちだが、例えば2年前のこのレースの後半1000mのラップを見てみると、

11.7-11.9-12.2-11.4-12.1

なんとラスト2F目に11.4という速いラップが入っているのである。シンプルに言えば出走各馬が折り合い重視で運ぶことにより、道中1F13秒台のラップが並び、残り1000m~1200m付近から急速にラップが上がる。求められるのは持続力に加えて加速力。このレースにフィットするのは実は加速力に優れたディープインパクト産駒なのである。これまでの成績は(0.4.1.2)。複勝率はなんと71.4%。

今年の出走馬で唯一のディープインパクト産駒が◎モンドインテロ。今年は6戦してまだ勝利がないが、展開が合わなかった日経新春杯、ダートだった仁川SやアンタレスS、上がり勝負だった京都大賞典など、条件の合わないレースが続いたのもまた事実。2年前のステイヤーズSで3着があるように、この馬の良さが出るのは2600m以上の距離。勢いは一昨年ほどではないにしろ、今年もペースはそこまで上がりそうになく、2年前のような展開になれば適性の差で上位を狙える。

鞍上は初騎乗となるW.ビュイック騎手。主戦場としている英国は3000m級のレースが多く、加えて道中馬群の中で折り合わせて溜める競馬が主流だけに、むしろ手替わりはプラスではないか。

4連覇を狙うアルバートは明らかに照準をこのレースに合わせており、加えてJ.モレイラ騎手確保となれば外せない。一発を期待するならララエクラテール。京都では末脚勝負でキレ負けするだけに、中山替わりで良さが出てほしい。

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阪神11R・チャレンジCは昨年、6年ぶりに阪神2000mで施行された。開幕週開催で、しかも速い流れを作るマルターズアポジーがいるとなれば、勝ち時計はそれなりに速くなるだろう。まず1.58.9以内ではないか。阪神芝2000mで勝ち時計が1.58.9以内だったレースにおいて、ディープインパクト産駒の複勝率は34.8%、ハーツクライ産駒の複勝率は38.2%と悪くないが、それ以上にいいのがステイゴールド(複勝率42.9%)である。断続的に速い流れに強いこの種牡馬は条件イメージにピッタリだ。

3頭いるステイゴールド産駒の中から◎マウントゴールドをチョイスする。後半1000m56.9というロングスパート勝負で好時計決着となった今年の小倉記念で3着しているように、持続力を活かしたいタイプ。マルターズが淀みない流れを作り、直線ヨーイドン勝負にならないのはプラスだろう。阪神2000mは2度使って1、4着だが、4着だった昨年のサンタクロースHは前半1000m63.2という超スローペースで、直線末脚の切れ味勝負となってしまった。これでは持ち味が活きないため参考外と言っていいだろう。逃げなくても競馬ができる馬。ペースに乗じて流れ込みを狙いたい。

完全に馬が変わったエアウィンザーも楽しみな1頭。以前は馬を抜かなかったり、気を抜くような面が見られ、その影響で下級条件でも取りこぼしていたが、4ヶ月半の休み明けだった3走前のむらさき賞で最後まで気を抜かず、馬が変わった印象を強く受けた。実際その後2連勝。カシオペアSでは道中8番手から切れる脚を使って、2着グリュイエールに2馬身差を付ける圧勝。以前のこの馬ならこのような勝ち方はできなかった。素質だけなら兄のエアスピネル以上だと見ている馬。余談だがここで勝てるようなら、次走、もし有馬記念を使う場合◎を打ちたい。

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中京11R・浜松S。中京開催は約4ヶ月ぶり。そして今週は水曜日に雨が2ミリほど降っただけで、良馬場の中でもかなり走りやすい馬場となることが推測される。冬の開幕週に行われる浜松Sは年々時計が速くなっており、昨年の勝ち時計は1.07.6。今年も同じくらいか、それ以上に速い時計で決着する可能性は低くない。

持ち時計メンバー中1位タイの◎オーヴィレールはこの夏軽いスランプに陥っていた。元々内枠で周りに馬がいたほうが集中してパフォーマンスを上げるタイプであったが、内枠でもタメが利かず、ただなだれ込むだけの競馬が続いていた。試しに前走の奥多摩Sで差しに回したところ、後方から上がり3F33.1の末脚で追い込み、1着とは0.3秒差の6着。復調の兆しは見えた。持ち時計があることに加え、中京芝1200mは2度使って共に2着と相性がいい。内枠を引いた今回は集中力を切らさず最後まで走り切りたいところ。


平場からは阪神12R・3歳上1000万の◎セイウンクールガイ。前走の東京ダートマイル戦では果敢にハナを切ったものの最後に失速。9着に敗れた。しかしこれは特に驚く結果でもない。この馬にとってマイルは本質的に距離が長い。ユニコーンSこそ5着だったが、休みを挟んで以前より本質的な適性が出てきたはずで、今は1400m以下のほうがいい。

母キョウワハピネスは04年のG3ファルコンSの勝ち馬。勝った時は距離短縮だった。日本で生まれたヨハネスブルグ産駒は中央のダート1400mでこれまでに13勝を挙げているが、ダート1600mだと40回走って未勝利と結果が出ていない。距離短縮に加えて、揉まれない大外枠もプラス。あとは久々の右回りがどうかというところだろう。