競馬YouTuberとして一躍名を挙げ、各媒体に引っ張りだこの佐藤ワタルが、地方&海外レースを展望。若くして人並み外れた知識量、分析力を披露する。
【共同通信杯】昨年春に惚れた大器を狙う!
2019/2/9(土)
我らが阪神タイガースにとって、昨年セ・リーグ最下位から巻き返す上で藤浪晋太郎投手の復活は最重要要素の一つと言っていいだろう。もちろんまるで繋がらず、打球が飛ばない打線の改善も重要だが、ルーキーイヤーから3年連続で二桁勝利を挙げた右腕の復活は今年の阪神タイガースの順位に直結する。
藤浪投手はすでにキャンプで1日に100球近く投げ込む日もあるなど、順調に調整が進んでいる。阪神キャンプあるあるだが、この時期の阪神はいいニュースばかり届き、ファンの期待は高まる。そして4月の開幕と共に期待を裏切られるというのがほぼ毎年のお約束となっているだけに、今年こそは全体的にレベルアップし、いい状態で開幕を迎えてほしい。そしてまだキャンプ序盤。どの選手も故障だけは気をつけてほしい。
東京競馬が中止になった土曜。思ったほど雪は降らずやや拍子抜け感もあったが、東京地方は月曜また雪予報が出ているだけに、気が抜けないところだ。
日曜の東京11R・共同通信杯には、個人的に昨年の春から注目している馬が登場する。筆者の趣味の一つに海外のサラブレッドセールを夜な夜な眺めるというものがあるのだが、昨年4月のOBSスプリングトレーニングセールに登場し、72万5000ドルで落札したウォーフロント産駒の牡馬はモノが違った。
セールの公開調教では加速、そして直線半ばでまだ若さを見せたりと全体的に粗めの走りだったものの、4コーナーからの蹴り上げられた砂の高さは、近年のアメリカ・トレーニングセールでもトップクラスに高い。この馬が後のフォッサマグナである。あれだけ蹴り上げた砂が高く上がるのは珍しく、機会があれば皆さんもこの調教の映像は見てほしい。
当然今年の3歳世代のマル外でトップクラスの期待を掛けていたのだが、新馬戦はその期待に十分応えるものであった。新馬戦の上位馬の4コーナーの位置取りを見ると、
フォッサマグナ 10番手
ランスオブプラーナ 1番手
カレングロリアーレ 2番手
テーオーアマゾン 2番手
見て分かるように、前残りの流れを上がり3F33.7という素晴らしい末脚で豪快にねじ伏せたのである。相手が決して弱かったわけではなく、ランスオブプラーナは先日きさらぎ賞で3着、カレン、テーオー共にその後勝ち上がっている。
改修後の中京芝の新馬で上がり3F33.9以内で勝った馬はそう多くない。フォッサマグナの新馬勝ち以前には5例しかなく、
クライムメジャー(サウジアラビアRC3着)
ワグネリアン(日本ダービー1着)
ステイフーリッシュ(京都新聞杯1着)
アドマイヤマーズ(デイリー杯2歳S1着)
エイシンゾーン(中京2歳S2着)
と、ダービー馬ワグネリアンを始め、脚力ある馬が揃う。
フォッサマグナの父ウォーフロントはダンジグ系で現役時代短距離を中心に活躍した馬だが、産駒は距離をこなす馬も多い。英G1インターナショナルS(芝2100m)などを制したデクラレーションオブウォーは、フォッサマグナと同じウォーフロント×ナスルーラ系という配合。フォッサマグナ自身も、走り方や配合から若いうちは1800mまでこなせると読む。
共同通信杯と相性のいいサドラーズウェルズの血を持つアドマイヤマーズはさすがに侮れない。時計の掛かる馬場であればナイママなども気にしておきたい存在だ。
京都11R・京都記念と言えば、近5年ジェンティルドンナ、キズナ、ハープスター、マカヒキ、レイデオロといった1、2番人気馬たちが連対できず、波乱含みの傾向が続いている。上記5頭の共通項は、『春の東京芝2400mG1で連対している』ことだ。下り坂があるコースレイアウトに加え、馬場が良くなりやすい春先の東京芝2400mと、開催後半で馬場が荒れやすい非根幹距離の京都芝2200mでは求められる適性がまるで違うのも当然の話である。
ここ5年の京都記念で3着以内に入った15頭中、4コーナー4番手以内だった馬は実に13頭。これほどまでに前残りになるのは、ここ5年の平均前半1000m通過タイムが62.3とスローペースであることに起因する。ペースが遅く、加えて馬場が悪いことで後続の馬が切れる脚を使いにくいことで、4コーナーで前にいる馬にアドバンテージが発生するのだ。
今年の出走メンバーを眺めると、絶対にハナに行きたい馬はいない。今年もスローペースはほぼ確実、狙いは4コーナーで前にいる馬となる。今年のメンバーで近2走以内に4コーナー4番手以内の経験がある馬は5頭。その中から◎ノーブルマーズを選びたい。父はジャングルポケット、母父はシルヴァーホークと重厚な配合で、欧州のクラシックでも走れるような重い血が有利に働く京都記念はプラスだろう。
非根幹距離でも、かつてスタミナが必要な目黒記念で接戦の末2着、馬場の悪かった宝塚記念で3着と実績を残している馬。昨年秋に故障して以降芳しくない成績が続いているが、次第に調子は上昇気配を漂わせているだけに、叩き4戦目の今回は前走以上を期待したい。
平場からは2R取り上げたい。
まずは東京9R・初音S。このレースが東京芝1800mで行われるようになって今年で4回目。過去3回の3着以内9頭の血統を見ると、その内5頭がサンデーサイレンス系×ノーザンダンサー系という組み合わせであった。冬場の東京芝ということでパワーも求められる影響だろう。加えてここ3年の3着以内9頭の内、5頭が馬番6番以内。東京の牝馬限定戦は過度にペースが速くならないことから、内でロスなく溜めが利く馬が上位に来やすい。
今年馬番6番以内でサンデー系×ノーザンダンサー系に該当する馬の中から◎フィニフティをチョイスしたい。非常に競馬センスに溢れる馬で、馬群の中でロスなく運べた時に力を発揮するタイプ。ここ2走は16番枠、10番枠と外枠が当たってしまい、力を発揮できていない。ダート女王ゴールドティアラの子孫は内枠から器用に捌く競馬を得意としており、芝の3枠以内で複勝率41.2%と好成績を残している。内の4番枠を引き当てたのは大きい。本馬が以前クイーンCでデビュー2戦目ながら2着になった際も、2番枠と内枠だった。
今回は内にブラックスビーチ、メイズオブオナーと前に行きたいであろう2頭がおり、その後ろのスペースに入れればチャンスはありそうだ。身体はまだまだ未完成ではあるものの、素質だけなら重賞を勝てるレベルのものがある。
藤浪投手はすでにキャンプで1日に100球近く投げ込む日もあるなど、順調に調整が進んでいる。阪神キャンプあるあるだが、この時期の阪神はいいニュースばかり届き、ファンの期待は高まる。そして4月の開幕と共に期待を裏切られるというのがほぼ毎年のお約束となっているだけに、今年こそは全体的にレベルアップし、いい状態で開幕を迎えてほしい。そしてまだキャンプ序盤。どの選手も故障だけは気をつけてほしい。
東京競馬が中止になった土曜。思ったほど雪は降らずやや拍子抜け感もあったが、東京地方は月曜また雪予報が出ているだけに、気が抜けないところだ。
日曜の東京11R・共同通信杯には、個人的に昨年の春から注目している馬が登場する。筆者の趣味の一つに海外のサラブレッドセールを夜な夜な眺めるというものがあるのだが、昨年4月のOBSスプリングトレーニングセールに登場し、72万5000ドルで落札したウォーフロント産駒の牡馬はモノが違った。
セールの公開調教では加速、そして直線半ばでまだ若さを見せたりと全体的に粗めの走りだったものの、4コーナーからの蹴り上げられた砂の高さは、近年のアメリカ・トレーニングセールでもトップクラスに高い。この馬が後のフォッサマグナである。あれだけ蹴り上げた砂が高く上がるのは珍しく、機会があれば皆さんもこの調教の映像は見てほしい。
当然今年の3歳世代のマル外でトップクラスの期待を掛けていたのだが、新馬戦はその期待に十分応えるものであった。新馬戦の上位馬の4コーナーの位置取りを見ると、
フォッサマグナ 10番手
ランスオブプラーナ 1番手
カレングロリアーレ 2番手
テーオーアマゾン 2番手
見て分かるように、前残りの流れを上がり3F33.7という素晴らしい末脚で豪快にねじ伏せたのである。相手が決して弱かったわけではなく、ランスオブプラーナは先日きさらぎ賞で3着、カレン、テーオー共にその後勝ち上がっている。
改修後の中京芝の新馬で上がり3F33.9以内で勝った馬はそう多くない。フォッサマグナの新馬勝ち以前には5例しかなく、
クライムメジャー(サウジアラビアRC3着)
ワグネリアン(日本ダービー1着)
ステイフーリッシュ(京都新聞杯1着)
アドマイヤマーズ(デイリー杯2歳S1着)
エイシンゾーン(中京2歳S2着)
と、ダービー馬ワグネリアンを始め、脚力ある馬が揃う。
フォッサマグナの父ウォーフロントはダンジグ系で現役時代短距離を中心に活躍した馬だが、産駒は距離をこなす馬も多い。英G1インターナショナルS(芝2100m)などを制したデクラレーションオブウォーは、フォッサマグナと同じウォーフロント×ナスルーラ系という配合。フォッサマグナ自身も、走り方や配合から若いうちは1800mまでこなせると読む。
共同通信杯と相性のいいサドラーズウェルズの血を持つアドマイヤマーズはさすがに侮れない。時計の掛かる馬場であればナイママなども気にしておきたい存在だ。
京都11R・京都記念と言えば、近5年ジェンティルドンナ、キズナ、ハープスター、マカヒキ、レイデオロといった1、2番人気馬たちが連対できず、波乱含みの傾向が続いている。上記5頭の共通項は、『春の東京芝2400mG1で連対している』ことだ。下り坂があるコースレイアウトに加え、馬場が良くなりやすい春先の東京芝2400mと、開催後半で馬場が荒れやすい非根幹距離の京都芝2200mでは求められる適性がまるで違うのも当然の話である。
ここ5年の京都記念で3着以内に入った15頭中、4コーナー4番手以内だった馬は実に13頭。これほどまでに前残りになるのは、ここ5年の平均前半1000m通過タイムが62.3とスローペースであることに起因する。ペースが遅く、加えて馬場が悪いことで後続の馬が切れる脚を使いにくいことで、4コーナーで前にいる馬にアドバンテージが発生するのだ。
今年の出走メンバーを眺めると、絶対にハナに行きたい馬はいない。今年もスローペースはほぼ確実、狙いは4コーナーで前にいる馬となる。今年のメンバーで近2走以内に4コーナー4番手以内の経験がある馬は5頭。その中から◎ノーブルマーズを選びたい。父はジャングルポケット、母父はシルヴァーホークと重厚な配合で、欧州のクラシックでも走れるような重い血が有利に働く京都記念はプラスだろう。
非根幹距離でも、かつてスタミナが必要な目黒記念で接戦の末2着、馬場の悪かった宝塚記念で3着と実績を残している馬。昨年秋に故障して以降芳しくない成績が続いているが、次第に調子は上昇気配を漂わせているだけに、叩き4戦目の今回は前走以上を期待したい。
平場からは2R取り上げたい。
まずは東京9R・初音S。このレースが東京芝1800mで行われるようになって今年で4回目。過去3回の3着以内9頭の血統を見ると、その内5頭がサンデーサイレンス系×ノーザンダンサー系という組み合わせであった。冬場の東京芝ということでパワーも求められる影響だろう。加えてここ3年の3着以内9頭の内、5頭が馬番6番以内。東京の牝馬限定戦は過度にペースが速くならないことから、内でロスなく溜めが利く馬が上位に来やすい。
今年馬番6番以内でサンデー系×ノーザンダンサー系に該当する馬の中から◎フィニフティをチョイスしたい。非常に競馬センスに溢れる馬で、馬群の中でロスなく運べた時に力を発揮するタイプ。ここ2走は16番枠、10番枠と外枠が当たってしまい、力を発揮できていない。ダート女王ゴールドティアラの子孫は内枠から器用に捌く競馬を得意としており、芝の3枠以内で複勝率41.2%と好成績を残している。内の4番枠を引き当てたのは大きい。本馬が以前クイーンCでデビュー2戦目ながら2着になった際も、2番枠と内枠だった。
今回は内にブラックスビーチ、メイズオブオナーと前に行きたいであろう2頭がおり、その後ろのスペースに入れればチャンスはありそうだ。身体はまだまだ未完成ではあるものの、素質だけなら重賞を勝てるレベルのものがある。
東京1R・3歳未勝利の予想は
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プロフィール
佐藤ワタル - Wataru Sato
1990年山形県生まれ。アグネスフライトの日本ダービーを偶然テレビで観戦して以降、中学生、高校生、大学生と勉学に勤しむ時期を全て競馬に費やした競馬ライター。『365日競馬する』を目標に中央、地方、海外競馬の研究を重ねている。ジャンルを問わない知識は、一部関係者に『コンビニ』とまで評されている。早稲田大学競馬サークル『お馬の会』会長時代に学生競馬団体『うまカレ』を立ち上げたり、北海道の牧場などに足繁く通うなど、若手らしい行動力を武器に、今日も競馬を様々な角度から楽しみ尽くしている。現在はサラブレ、一口クラブ会報などでも執筆中。血統派で大の阪神ファン。甘党でもある。