競馬YouTuberとして一躍名を挙げ、各媒体に引っ張りだこの佐藤ワタルが、地方&海外レースを展望。若くして人並み外れた知識量、分析力を披露する。
【弥生賞】一変可能なあの穴馬の激走に注意!
2019/3/2(土)
我らが阪神タイガースは今日、王者ソフトバンク・ホークスとオープン戦を行った。昨日このコラムで取り上げた藤浪晋太郎投手は。合格点というわけではないが、大荒れだった前回のピッチングよりは、内容は良かったと思われる。ただソフトバンクは藤浪投手が投げる時のみ左打者を起用していた。藤浪投手は右打者相手ではインコースにボールがすっぽ抜ける時があるため、シーズンへ向けてまだまだ不安点は多い。
投手陣では3年目の浜地真澄投手も光った。3回を投げて3安打1失点。強力ホークス打線相手にこの内容なら悪くない。球界屈指のスラッガーである柳田悠岐選手を2打数ノーヒットに抑えるなど、この先が楽しみになる結果を残した浜地投手。課題はまだ多いが、逆に言えば将来に向けて伸びしろも大きい。
5人の投手陣が強力ソフトバンク打線を1失点に抑えた点は評価できるものの、問題は散発6安打で完封負けを食らった打線である。フルメンバーではないとはいえ、昨年同様貧打が続けば、また今年も打てない飛ばない打線に頭を痛める日々が続きそうだ。阪神だけ金属バットかテニスラケットを導入するかどうか、そろそろ本格的に議論してほしい。
打率が低いのは筆者の競馬予想も同じ。土曜は中山11R・オーシャンSで◎ペイシャフェリシタがしっかり4着。あと一押しが足りない結果が続いている。ただ阪神11R・チューリップ賞のメイショウショウブは出遅れからチグハグな競馬になってしまっただけに、仕方ない面もあるということで、切り換えて日曜の競馬に臨みたい。
日曜の中山11R・弥生賞。まずは近5年の平均ペースを見ていこう。近5年の弥生賞は前半3F35.7-後半3F35.4。ちなみに近5年の皐月賞は35.1-35.5と、と一見そこまで変わらないが、16年の弥生賞の前半3F34.3の影響が大きいだけで、実際弥生賞はそこまでペースが速くない。例年の弥生賞はテン3Fが36秒台。34~35秒台前半で入る皐月賞に比べて1~2秒ほどペースが遅い。
加えて今年の弥生賞は少頭数。スローが見込まれる。先週までの中山は上がりのタイムもそれなりに速かったのだが、土曜の中山は週中の雨の影響もあったのか、先週よりは時計も掛かり気味で、上がりの時計を要していた。日曜の午後は雨予報が出ていることから、スローで、なおかつ上がりも掛かる展開を想定したい。
過去5年の弥生賞でレース上がり3Fが36.0を超えたのは、14年トゥザワールドの年と、15年サトノクラウンの年。さすがにサトノクラウンの年ほど悪い馬場になるかは分からないが、それなりに緩くパワーが必要で上がりが掛かる点は共通するのではないか。この2年の3着以内馬を見ると、どちらの年も、キングマンボの血を持っている馬が3着以内に食い込んでいる。元々スローになりやすい弥生賞はキングマンボとの相性がいいのだが、パワーが求められることでよりその面が強調されるのだろう。
今年キングマンボの血を持っている馬は3頭。その中から◎ヴァンケドミンゴを狙ってみたい。前走の葉牡丹賞は7着と完敗しているものの、2戦目で-8kgと絞れた体が、葉牡丹賞ではまた増えていた。ソエで攻め切れなかった影響が出たのだろう。2戦目、福島で挙げた初勝利のパフォーマンスは悪くなく、ポテンシャルはなかなかのものがある。そういえば全兄のサンリヴァルが9番人気ながら2着に食い込んだ昨年の皐月賞も、稍重で馬場が緩かった。一変を期待したい。
残り2頭のキングマンボ持ちはカントルとブレイキングドーン。血統だけならカントルよりは欧州血統とキングマンボを併せ持つブレイキングドーンがこのレースとフィットしているのだが、どうも休み明けで最近の筆者のような体型をしており、絞れているか不透明な分◎にはしなかった。小回りでの安定感が光るニシノデイジーは普通に良さそうなだけに重視する。
弥生賞の予想印はコチラで公開⇒
阪神11R・大阪城Sの話に移ろう。このレース、17年、18年はレース上がり3Fが33秒台、14、15年はレース上がり3F35.5秒以上掛かっている。当然上がりが速いほうが瞬発力を問われるため、ディープインパクト産駒が強い。と思われがちだが、大阪城Sでディープインパクト産駒がワンツーしているのは14、15年。上がりが掛かった時のほうだ。
この逆転現象がなぜ発生するか、クッキーを食べながら何となく考えていたのだが、ここ2年の上がりが速い大阪城Sは残り800mから1F10~11秒台の断続的に速い流れが続いていた。つまりこの大阪城Sはレース上がりが速いほど持続力が活きる舞台なのでは?という仮説が成り立つ。成り立ったことにしておいてください。
ここ2年の3着以内馬を見ると、父欄にステイゴールド、スクリーンヒーロー、マンハッタンカフェと2400m以上でG1を勝ったことのある馬の名前が並ぶ。狙いは速い上がりも使えて、かつ父が2400m以上のG1を勝っている馬。ということでランガディアに◎を打つ予定だったのだが、主戦の北村宏騎手が土曜の中山で落馬負傷というアクシデント。テン乗りの浜中騎手にスイッチする。それなりに乗り難しそうな馬だけに、継続騎乗のほうがより安心できるタイプである。
同じく乗り難しく継続騎乗なのが◎クリノヤマトノオー。主戦の和田騎手とは(4.2.1.2)、それ以外の騎手では(1.1.2.8)。明確に差が出る。集中力に欠ける馬で突発的に競馬を投げる時があり、それゆえ乗り慣れた騎手のほうが成績が安定するタイプだ。実際より集中力が増す距離短縮時に(0.2.1.1)とほとんど崩れず走れている。今回は昇級ながら距離短縮と条件はいい。
前に壁を作るにはもう少し内のほうがいいかもしれないが、父ジャングルポケットで外回りの持続力勝負は得意。日曜の阪神競馬場がどのタイミングで雨が降るか読めないものの、昨年以降この舞台で好走した時は、2着の難波Sは稍重、野分特別は重と力のいる馬場状態。雨が降っても大丈夫な点は心強い。折り合って進めれば昇級初戦でもチャンスはあって良さそうだ。
その他のレースからは合計3レース挙げておく。
まずは中山4R・3歳500万の◎ハヤヤッコ。武豊騎手が白毛馬に乗るということで話題性もあり、その分余計に人気になるかもしれないのが難点。ただ前走の東京ダートマイル戦(2着)は明らかに忙しそうで、反応も遅く、力で差してきたようなレースであった。芝とはいえ初勝利も1800m。距離延長はプラスだろう。2走前の4着だった1800mもちの木賞は後に全日本2歳優駿を勝つノーヴァレンダに突き放されたが、2着以下とは差はなかった。
続いて中山9R・スピカSの◎パイオニアバイオ。頭の高い馬だが、前走はいつもよりリズムが悪く9着に敗れた。敗因などについてはこちらの【今週のコメント特注馬】大ベテランが「疲労」を指摘 前走から2カ月ぶりの今回が狙いのほうで書いているので、ぜひ参考にしていただきたい。
頭の高い馬は距離短縮に向く傾向がある。実際この馬も距離短縮時(0.2.0.1)。着外1回は紫苑Sで、後に愛知杯3着となるランドネと僅差の4着であった。日曜午後の中山は雨予報。本馬は道悪を苦にしないのもプラスと言えるだろう。リフレッシュして臨む今回は好成績を狙えそうだ。
投手陣では3年目の浜地真澄投手も光った。3回を投げて3安打1失点。強力ホークス打線相手にこの内容なら悪くない。球界屈指のスラッガーである柳田悠岐選手を2打数ノーヒットに抑えるなど、この先が楽しみになる結果を残した浜地投手。課題はまだ多いが、逆に言えば将来に向けて伸びしろも大きい。
5人の投手陣が強力ソフトバンク打線を1失点に抑えた点は評価できるものの、問題は散発6安打で完封負けを食らった打線である。フルメンバーではないとはいえ、昨年同様貧打が続けば、また今年も打てない飛ばない打線に頭を痛める日々が続きそうだ。阪神だけ金属バットかテニスラケットを導入するかどうか、そろそろ本格的に議論してほしい。
打率が低いのは筆者の競馬予想も同じ。土曜は中山11R・オーシャンSで◎ペイシャフェリシタがしっかり4着。あと一押しが足りない結果が続いている。ただ阪神11R・チューリップ賞のメイショウショウブは出遅れからチグハグな競馬になってしまっただけに、仕方ない面もあるということで、切り換えて日曜の競馬に臨みたい。
日曜の中山11R・弥生賞。まずは近5年の平均ペースを見ていこう。近5年の弥生賞は前半3F35.7-後半3F35.4。ちなみに近5年の皐月賞は35.1-35.5と、と一見そこまで変わらないが、16年の弥生賞の前半3F34.3の影響が大きいだけで、実際弥生賞はそこまでペースが速くない。例年の弥生賞はテン3Fが36秒台。34~35秒台前半で入る皐月賞に比べて1~2秒ほどペースが遅い。
加えて今年の弥生賞は少頭数。スローが見込まれる。先週までの中山は上がりのタイムもそれなりに速かったのだが、土曜の中山は週中の雨の影響もあったのか、先週よりは時計も掛かり気味で、上がりの時計を要していた。日曜の午後は雨予報が出ていることから、スローで、なおかつ上がりも掛かる展開を想定したい。
過去5年の弥生賞でレース上がり3Fが36.0を超えたのは、14年トゥザワールドの年と、15年サトノクラウンの年。さすがにサトノクラウンの年ほど悪い馬場になるかは分からないが、それなりに緩くパワーが必要で上がりが掛かる点は共通するのではないか。この2年の3着以内馬を見ると、どちらの年も、キングマンボの血を持っている馬が3着以内に食い込んでいる。元々スローになりやすい弥生賞はキングマンボとの相性がいいのだが、パワーが求められることでよりその面が強調されるのだろう。
今年キングマンボの血を持っている馬は3頭。その中から◎ヴァンケドミンゴを狙ってみたい。前走の葉牡丹賞は7着と完敗しているものの、2戦目で-8kgと絞れた体が、葉牡丹賞ではまた増えていた。ソエで攻め切れなかった影響が出たのだろう。2戦目、福島で挙げた初勝利のパフォーマンスは悪くなく、ポテンシャルはなかなかのものがある。そういえば全兄のサンリヴァルが9番人気ながら2着に食い込んだ昨年の皐月賞も、稍重で馬場が緩かった。一変を期待したい。
残り2頭のキングマンボ持ちはカントルとブレイキングドーン。血統だけならカントルよりは欧州血統とキングマンボを併せ持つブレイキングドーンがこのレースとフィットしているのだが、どうも休み明けで最近の筆者のような体型をしており、絞れているか不透明な分◎にはしなかった。小回りでの安定感が光るニシノデイジーは普通に良さそうなだけに重視する。
弥生賞の予想印はコチラで公開⇒
阪神11R・大阪城Sの話に移ろう。このレース、17年、18年はレース上がり3Fが33秒台、14、15年はレース上がり3F35.5秒以上掛かっている。当然上がりが速いほうが瞬発力を問われるため、ディープインパクト産駒が強い。と思われがちだが、大阪城Sでディープインパクト産駒がワンツーしているのは14、15年。上がりが掛かった時のほうだ。
この逆転現象がなぜ発生するか、クッキーを食べながら何となく考えていたのだが、ここ2年の上がりが速い大阪城Sは残り800mから1F10~11秒台の断続的に速い流れが続いていた。つまりこの大阪城Sはレース上がりが速いほど持続力が活きる舞台なのでは?という仮説が成り立つ。成り立ったことにしておいてください。
ここ2年の3着以内馬を見ると、父欄にステイゴールド、スクリーンヒーロー、マンハッタンカフェと2400m以上でG1を勝ったことのある馬の名前が並ぶ。狙いは速い上がりも使えて、かつ父が2400m以上のG1を勝っている馬。ということでランガディアに◎を打つ予定だったのだが、主戦の北村宏騎手が土曜の中山で落馬負傷というアクシデント。テン乗りの浜中騎手にスイッチする。それなりに乗り難しそうな馬だけに、継続騎乗のほうがより安心できるタイプである。
同じく乗り難しく継続騎乗なのが◎クリノヤマトノオー。主戦の和田騎手とは(4.2.1.2)、それ以外の騎手では(1.1.2.8)。明確に差が出る。集中力に欠ける馬で突発的に競馬を投げる時があり、それゆえ乗り慣れた騎手のほうが成績が安定するタイプだ。実際より集中力が増す距離短縮時に(0.2.1.1)とほとんど崩れず走れている。今回は昇級ながら距離短縮と条件はいい。
前に壁を作るにはもう少し内のほうがいいかもしれないが、父ジャングルポケットで外回りの持続力勝負は得意。日曜の阪神競馬場がどのタイミングで雨が降るか読めないものの、昨年以降この舞台で好走した時は、2着の難波Sは稍重、野分特別は重と力のいる馬場状態。雨が降っても大丈夫な点は心強い。折り合って進めれば昇級初戦でもチャンスはあって良さそうだ。
その他のレースからは合計3レース挙げておく。
まずは中山4R・3歳500万の◎ハヤヤッコ。武豊騎手が白毛馬に乗るということで話題性もあり、その分余計に人気になるかもしれないのが難点。ただ前走の東京ダートマイル戦(2着)は明らかに忙しそうで、反応も遅く、力で差してきたようなレースであった。芝とはいえ初勝利も1800m。距離延長はプラスだろう。2走前の4着だった1800mもちの木賞は後に全日本2歳優駿を勝つノーヴァレンダに突き放されたが、2着以下とは差はなかった。
続いて中山9R・スピカSの◎パイオニアバイオ。頭の高い馬だが、前走はいつもよりリズムが悪く9着に敗れた。敗因などについてはこちらの【今週のコメント特注馬】大ベテランが「疲労」を指摘 前走から2カ月ぶりの今回が狙いのほうで書いているので、ぜひ参考にしていただきたい。
頭の高い馬は距離短縮に向く傾向がある。実際この馬も距離短縮時(0.2.0.1)。着外1回は紫苑Sで、後に愛知杯3着となるランドネと僅差の4着であった。日曜午後の中山は雨予報。本馬は道悪を苦にしないのもプラスと言えるだろう。リフレッシュして臨む今回は好成績を狙えそうだ。
阪神3R・3歳未勝利の予想は
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プロフィール
佐藤ワタル - Wataru Sato
1990年山形県生まれ。アグネスフライトの日本ダービーを偶然テレビで観戦して以降、中学生、高校生、大学生と勉学に勤しむ時期を全て競馬に費やした競馬ライター。『365日競馬する』を目標に中央、地方、海外競馬の研究を重ねている。ジャンルを問わない知識は、一部関係者に『コンビニ』とまで評されている。早稲田大学競馬サークル『お馬の会』会長時代に学生競馬団体『うまカレ』を立ち上げたり、北海道の牧場などに足繁く通うなど、若手らしい行動力を武器に、今日も競馬を様々な角度から楽しみ尽くしている。現在はサラブレ、一口クラブ会報などでも執筆中。血統派で大の阪神ファン。甘党でもある。