初勝利である。我らがプロ野球・阪神タイガースはオープン戦が始まって以降1分6敗と負けに負け、もう未勝利のままシーズンに突入するのでは…と思えるほどであったが、今週に入り中日ドラゴンズ相手に連勝。ようやく微かな光が差し込んできた。

連勝によりネット上では「今年優勝したな」と書き込みも相次いだように、連勝しただけで浮かれてしまう阪神ファンは多い。筆者もその一人で、連勝した日にはコンビニでケーキを買って帰宅する。いいじゃないですか、たまには夢を見させてくれても…

藤浪晋太郎投手の志願の2軍行きなど不安材料も多いが、チーム全体としては少しずつ上向いている感触を受ける。中でも毎試合ヒットを打って打率4割越えているルーキー・木浪聖也内野手の活躍ぶりは特筆すべきもの。少しでもいいから夢を見せてほしい。そんなことを書いていると、新外国人のマルテ内野手が体調不良で練習を休んだという情報が入ってきた。夢が悪夢に変わりそうだ。


先週の中央競馬、当コラムで推奨した中山牝馬Sのフロンテアクイーン、金鯱賞のリスグラシューが共に5番人気ながら好成績を残してくれた。この流れで今週も少しでも妙味のある◎を推奨できるよう努力したい。


まずは中山11R・フラワーC。最初に言っておくがこのレースの傾向はシンプル。重厚な血を狙えばいいのだ。昨年はディープインパクト産駒のワンツー決着だったが、1着カンタービレの母父はガリレオ。2着トーセンブレスの母父はファルブラヴ。3着ノームコアの父はハービンジャー。全て欧州の2400mG1の覇者たちだ。そんなレースで、同じく重厚な父方を持つウスベニノキミに◎を打ったところ4着だったことも併記しておきたい。

それはいいとして、上がりの掛かりやすい中山芝1800m、しかも雨の多い時期ということもあり、タフでパワーが必要となりやすいため、必然的に欧州の重厚な血が有利になるこのレース。しかも土曜の午前仲は雨予報。馬場は緩んでいるだろう。今年も重厚な血統を持っている馬を狙いたい。

とはいうものの、現代競馬において重厚な血を持たない馬は珍しい。そこで注目したいのは『勝ち上がるまでのキャリア』である。もちろんファンディーンやノームコアなどデビューから連勝している馬も好走しているが、過去5年の人気薄の好走馬を見ると、アースライズやシーズララバイ、ドロウアカードは勝ち上がりまで3戦以上を要している。

新馬戦のスローペースでは持ち味の持続力が活きなかった馬たちが、既走馬同士のレースで持続力を活かすことができるため、勝ち上がりに時間を要した馬たちが同じく持続力を必要とするフラワーCでも好走するのだろう。

今年デビューから6戦目でようやく勝ち上がりとなったのが◎レオンドーロ。ただそれまで(0.3.1.1)と大崩れしなかったように、牡馬の強敵相手とも差のない勝負を繰り広げていた。例えば5走前。0.1秒差の2着に敗れたが、相手は後にクロッカスSを制し、今週のスプリングSでも評価されそうなディキシーナイトである。2走前に2着だったエデリー組の未勝利もレベルは高かった。

血統を見れば父は多くのステイヤーを生み出したロベルト系シルヴァーホークの系統で、母母父はドイツの2400mG1を勝ちまくった"ドイツの英雄"アカテナンゴ。母系の奥には持続力勝負の鬼・ニジンスキーも持っている。相手なりに走るタイプだけに、昇級即通用のシーンは十分ありえるだろう。

持続力勝負ならお手の物のエールヴォア、同じく未勝利脱出に時間を要したものの牡馬相手に好走歴があるシャドウディーヴァなどを上位評価しておきたい。

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中京11R・ファルコンSの行われる舞台は中京芝1400m。新コースになってから7年全てで前傾ラップ。加えて直線に急坂が待ち受けることから、切れ味よりパワーが求められることが多い。ここ5年の3着以内馬15頭中8頭は父が非サンデー系。特にノーザンダンサー系が強い。好走したサンデー系種牡馬もダイワメジャーやアンライバルドのように、サンデー×ノーザンダンサー系という組み合わせの種牡馬が多めだ。

今年父ノーザンダンサー系の馬は3頭。ノーザンの中でも異様にこのレースとフィットしているストームキャットの系統を父に持つジャカランダシティ、スタートが悪いだけに大外枠自体はプラスになりそうなハッピーアワーもいるが、ここは◎ダノンジャスティスとしてみたい。

新馬の勝ちっぷりや当初の期待度を考えればここ最近は物足りない成績と言ってもいいが、前走は35.4-35.2というスローペースで口を割る面も見られただけに、前傾ラップ確実、ペースが上がる重賞替わりはプラスではないか。

父は欧州マイルG1を4勝したダンジグ系キングマン。緩んだ馬場も非常に上手かった馬で、朝方に降る雨も問題ないだろう。ダンジグ系も2年前の3着馬メイソンジュニアと同じ。昔、雨で馬場が緩んだファルコンSで3着だったサドンストームという馬がいたが、あの馬は父ミスタープロスペクター系×母父ダンジグ系と、ダノンジャスティスとは父、母を逆にしたような組み合わせであった。

再び外枠を引けた素質馬ヴァッシュモン、1400mが合っているドゴールも有力候補。

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阪神11R・若葉Sは例年、少頭数でもタフなレースになりやすい。権利取りを賭けてペースもそこまで緩くならず、好走馬の父欄にはメイショウサムソン、ハーツクライ、ハービンジャー、キングズベスト、ベーカバドなどスタミナのある種牡馬の名前が並ぶ。今年は早めに動いて持続力勝負に持ち込みたいヴェロックスがいることもあり、狙いはその後ろで溜めの利くスタミナ豊富な馬か。

ハバナウインドは父ハービンジャー。スカイアライアンスの一族は父親の影響が強く出やすい牝系で、短距離馬の伯父アフィリエイトに対して、こちらは中距離型に出た。前走の小倉・あすなろ賞では前を走るカセドラルベルが早めに動き、それを目標に動いて差し切ってみせたように、目標のあるレースで良さが出そうなタイプ。後半5F13.1-12.9-12.4-11.9-11.7と尻上がりに速くなるラップを差し切ったように脚力はある。本格化はまだ先だろうが、阪神2000m適性はありそうだ。


その他のレースからは合計2レース取り上げる。


まずは中京9R・4歳上500万の◎プタハ。母のシャラポワは現役時代、サンデーサイレンス産駒としては珍しい部類だったワンペースなタイプで、主に中長距離で走っていた。ただ娘のマートンパークは母とは違い気性に難しいところのあるダートの短距離馬だった。プタハはその弟にあたる。

ヘニーヒューズ産駒らしくスピードがあり、集中力を欠きやすい点から決して中距離に適性があるとは思えず、今回距離短縮して迎える初めての中京ダート1400mはむしろ絶好の舞台ではないか。同じくダート短距離の中山ダート1200mの新馬戦では11番人気と大敗したが、まだ走りが安定せず、ブリンカーを着ける前の話。ブリンカーを装着し、レースを重ねてきた今なら距離短縮のほうがハマる可能性は高い。



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