昨夜の話。我らが阪神タイガースはオープン戦でオリックス・バファローズと激突。1点ビハインドだった9回に追いつき、なおもノーアウト1、2塁。ビッグチャンスである。しかしそこは阪神。そこから3人連続凡退で同点止まり。阪神ファンの同い年の友人と「今日は引き分けかな」と話していたところ、9回裏にサヨナラホームランを打たれてゲームセット。

オープン戦の結果は関係ないというが、オープン戦からこんな心臓に悪い試合を観せられ、果たして月末から始まる140試合以上のペナントレース期間を生きていけるのか、今から戦々恐々としている。先日引退を発表したイチロー外野手が「草野球を極めたい」と言っていたが、草野球のような阪神に来てもらえないだろうか……。


土曜の中央競馬、コラム推奨馬は日経賞でサクラアンプルールがしっかり3着を確保したものの、毎日杯はケイデンスコールが悲しみの4着。まさか後ろから交わされて4着になるとは思わなかった。気を取り直して日曜競馬に臨みたい。


まずは中京11R・高松宮記念。近5年の前半3F平均33.7→後半3F平均35.3と前傾ラップになりやすい。中京芝1200mは全体の3分の2にあたる800mが下り坂でペースが上がりやすく、今年は前走32秒3の猛烈なハイペースを刻んだモズスーパーフレアがいるだけに、少なくともスローペースはないだろう。最終週とはいえ馬場も硬く、時計も速いことが予想される。

2016年の高松宮記念がこの状況に近かった。32.7-34.0というハイペースで、時計は1.06.7と速い決着。当然スプリント能力の高い馬が1~3着……と思いきや、

1着ビッグアーサー(阪神C3着)
2着ミッキーアイル(NHKマイルC1着など)
3着アルビアーノ(NHKマイルC2着、フラワーC1着など)

と、1400m以上の重賞で3着以内経験があった馬が3着以内を独占した。ハイペースで飛ばしながら、直線に急坂が控えている分、距離をこなすスタミナ持続力も問われる。もちろんハイペースを苦になく追走する力も問われる。この手のレースは米国血統が得意とするレースで、特に父ストームキャット系は強い。実際16年3着だったアルビアーノも父はこの系統。

今年1頭だけ父ストームキャット系がいる。父スキャットダディの◎ミスターメロディだ。前走の阪急杯では外に斜行した後、内に斜行するなど非常に不安定なところを見せていたが、2走前の阪神Cではそのような面を見せていない。これは4コーナーの出口で外に馬がいるかどうかの差も大きいと推測される。右回りは内枠でないと対応が難しいタイプなのではないか。左回りが中心のアメリカで産まれた馬にある弱点の一つだ。

今から2年前の4月、アメリカのフロリダで行われたOBSトレーニングセールで落札されたミスターメロディ。その時の試走はよく覚えている。左回りのコースで左ムチを少し入れながらも、ほほ真一文字に走り抜けて1F10.0のタイムを叩き出していた。左回りの中京コースに替わるのは大きなプラスだろう。1400mのファルコンSを制するなど、長めの距離実績もある。

加えて父スキャットダディの母ラブスタイルはミスタープロスペクター×ニジンスキーという配合。この2つの血統を併せ持ったファインニードル、レッツゴードンキが昨年のこのレースでワンツーしているように、相性のいい血統。

同じくミスプロ、ニジンスキー両持ちで2年連続2着のレッツゴードンキも上位評価。7歳春にして再びレース内容が良化している。恐ろしい牝馬である。ダノンスマッシュはキングカメハメハ、ストームキャット、ダンジグ、ロベルトと適度にこのレースに相性のいい血統を持っており、荒れた馬場もこなす点は評価したい。自分から強い先行馬を潰しに行く形になった経験が少ないだけに、ネックはそこ。

人気薄で楽しみなのはアレスバローズ。昨年この舞台で行われたCBC賞で32.7-34.3という前傾ラップを1:07.0という好時計で快勝。追走力も持続力もある。3走前のスプリンターズSは馬場の悪いところに脚をとられ、前走のシルクロードSは外枠から外を回されてしまっていた。馬場もフィットしており、非常に楽しみな存在だ。

高松宮記念
◎ミスターメロディ
〇レッツゴードンキ
▲ダノンスマッシュ
☆アレスバローズ
△⑨、⑫、⑮、⑯


中山11R・マーチSはここ6年ほど、非常にキングマンボ系が強い。ここ4年は毎年キングマンボ持ちが3着以内に入っており、昨年も1、3着に入った。今年はテーオーエナジー始め先行馬が多く、早めに潰しに行くハイランドピークもいる。狙いは差せるキングマンボ持ちか。

ジョーダンキングは以前1年近い休養を挟むなど体質の弱さが目立ったが、成長と共に体質が強くなり使い込めるようになってきた。前走の甲南Sは前半1000m60.1-後半1000m64.1という前傾ラップの持続力勝負で完勝。3、4走前の2着時はどちらもスローペースだったことを考えれば、クラスが上がってペースが厳しくなってこそのタイプと思える。キングカメハメハ産駒ということに加え、母父サンデーサイレンスも以前からこのレースと相性がいい。

完全に軌道に乗ったヒラボクラターシュ、そしてジョーダンキングと同じくキングマンボ持ちの上がり馬ロードゴラッソにも注目したいところ。

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阪神11R・六甲S。人の記憶とは実に頼りないもので、六甲Sは昔からニジンスキーと相性が良く、12年に◎マイネルクラリティで当たった際も◎にした理由はニジンスキーを持っているから…だと思っていたのだが、今改めて調べると、昔、ニジンスキーと六甲Sの相性は普通。よく見るとマイネルクラリティはニジンスキーを持っていなかった。一体何を根拠に当たったのか、当時の自分を証人喚問したいレベルである。

ところが近年、本当にニジンスキーの相性が良くなってきたのである。ここ3年の3着以内9頭中、6頭がニジンスキー持ち。17年に至ってはワンツースリー。徐々に時代が私に追いついてきた可能性がある。

今年はニジンスキー持ちの中から前走13番人気1着でファンをアッと言わせた◎スピリッツミノルをチョイス。元々集中力が足りないタイプだけに、歳を重ねて距離短縮がいいタイプにモデルチェンジしている。前走を見る限り脚部不安の影響はだいぶ小さくなってきただろう。マイルへの対応が課題も、六甲Sはペースが緩むことが多く、そういう意味では対応可能ではないか。

ロベルト系が強いレースでもあり、ソーグリッタリングなどのマークも外すことはできない。


その他のレースからは計2レース取り上げる。


まずは中京5R・4歳上500万の◎サクステッド。タートルボウル産駒は気性面に課題を抱える馬が多く、この馬も例に漏れず気性が難しい。1800mの新馬戦を制して以降気性の難しさが目立つようになり、それ以降の2度の3着以内はどちらも距離短縮でのもの。叔父は菊花賞2着馬アルナスラインとはいえ、伯母にファンタジーS2着のツルマルグラマーがいるように、短距離馬も多い一族。初の1400mはむしろ乗りやすいのではないか。

加えて今回は去勢明け2戦目。そろそろホルモンバランスも整ってくる頃であろう。このメンバーでも十分戦える素材だ。

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