競馬YouTuberとして一躍名を挙げ、各媒体に引っ張りだこの佐藤ワタルが、地方&海外レースを展望。若くして人並み外れた知識量、分析力を披露する。
【中山牝馬S】イベント共演の『仕事人』に漂う2週連続重賞Vの予感
2018/3/7(水)
オーシャンS(G3)でキングハートを勝利に導いた北村宏司騎手
●癖を掴んだ相棒に初重賞のタイトルをプレゼント!
東北出身とはいえ寒がりで末端冷え症に苦しむ検量室前パトロール隊員にとって、ここ3ヶ月は苦痛以外の何物でもなかった。ところが先週土日は気温も急上昇。実に過ごしやすく、冬眠から覚めた熊のごとく検量室前を徘徊していた。
そんな中、土曜のメインレースであるオーシャンステークス(G3)を勝ったのはキングハート(牡5、美浦・星野厩舎)。管理する星野忍調教師にとっては12年日経賞を単勝167倍のネコパンチで制してアッと言わせた日経賞以来、6年ぶりの重賞制覇だった。終始にこやかな表情で久々の重賞制覇の味を噛みしめる姿は非常に印象的だった。
そのキングハートを1着に導いたのが、北村宏司騎手である。今年でデビュー20年目、関東を代表する名手として存在を確立させている。これまで4着、2着だったキングハートとのコンビで臨んだ今回は「ちょっとズルいところがあるので、そういう面を出さないように(直線で他馬に)併せていきました」と語るように、癖を掴んだ上での好騎乗。早くから素質を見せていたものの、脚元の不安もあり紆余曲折あった『相棒』に初重賞のタイトルをプレゼントした。
「相手なりに走れる馬なので期待していましたし、勝てて良かったです。上手くいきましたね。今後も無事にいってくれればいいなと思います」と、この先に続くビッグレースへ向けて気持ちを新たにする。
●2週連続でチャンス!相性の良さを武器に挑む
そんな北村騎手は、今週の中山牝馬ステークスでフロンテアクイーン(牝5、美浦・国枝厩舎)とコンビを組む。前出キングハートは6度目の重賞挑戦の末の戴冠だったが、フロンテアクイーンはここまで重賞挑戦すること9回。2着3回、3着1回と惜しいレースが続いている。「惜しいレースが続いていますが、馬はよく頑張ってくれていますよ」という北村騎手とはこれまで(1.3.1.2)と好相性を誇っている。これについて「相性がいいかは分かりませんが、ちょうど馬が良くなっているタイミングで乗せてもらっていますからね」と語りつつ、「今週も追い切りに乗りましたが順調でしたし、このままレースにいってくれればと思います。頑張りたいです」と翌週に控えるレースに向けて気合を込める。
レースで初コンビとなった初音Sでは圧巻の勝ちっぷりを披露した
あれから1年。6戦使って、崩れたのはG1ヴィクトリアマイルだけと更に安定感を見せているが、その原因について「レース前に落ち着きを欠くところがある馬でしたが、馬に落ち着きが出てきましたね」と分析する。初重賞タイトルはもう目の前に迫っていると言っていいだろう。
そんな北村騎手は来月、4月2日(月)、渋谷の東京カルチャーカルチャーで行われる競馬ラボ主催のイベント、競馬ラボpresents「生うまトークサミットvol.7~馬券攻略本出しちゃいますSP 春が来た!アンカツ&山本昌も来た!桜花賞・皐月賞クラシック大トークショー祭り~」の第2部・ジョッキートークショーにゲストとして出演することが予定されている。競馬ラボのイベントに初出演となる今回。「僕も初めて出るのでどんな感じか分かりませんが、楽しめたらいいなと思いますのでよろしくお願いします」と来場者へ笑顔でメッセージを送った。
皐月賞を2週間後に控えるタイミングでのイベントだけに、オウケンムーン(牡3、美浦・国枝厩舎)との秘話も飛び出す可能性も十分。当日はぜひ、生でそのエピソードを聞きに渋谷へ足を運んでいただきたい。
なおこのイベントの第一部には検量室前パトロール隊員も出演する。検量室前での秘話ももしかしたら飛び出す…かもしれない。
プロフィール
佐藤ワタル - Wataru Sato
1990年山形県生まれ。アグネスフライトの日本ダービーを偶然テレビで観戦して以降、中学生、高校生、大学生と勉学に勤しむ時期を全て競馬に費やした競馬ライター。『365日競馬する』を目標に中央、地方、海外競馬の研究を重ねている。ジャンルを問わない知識は、一部関係者に『コンビニ』とまで評されている。早稲田大学競馬サークル『お馬の会』会長時代に学生競馬団体『うまカレ』を立ち上げたり、北海道の牧場などに足繁く通うなど、若手らしい行動力を武器に、今日も競馬を様々な角度から楽しみ尽くしている。現在はサラブレ、一口クラブ会報などでも執筆中。血統派で大の阪神ファン。甘党でもある。