完敗であった。我らが阪神タイガースは今日、中日ドラゴンズの先発・柳裕也投手に抑え込まれ、1-5で敗れた。これで貯金は2。先発のメッセンジャー投手が初回に3失点し、3点ビハインドからスタートしたのも痛かった。以前ほどではないとはいえ、阪神打線に多大な期待はかけられない。先制点を挙げるなどし、2点差くらいで7回に入れば磐石のリリーフ陣がいることもあり安心して試合を見ていられるのだが…

5番に座る梅野隆太郎捕手が2安打と気を吐いているが、その後ろに控える6番のジェフリー・マルテ内野手は4打数ノーヒット2三振ではお話にならない。阪神ファンは「ロサリオより選球眼がいい」「打席での圧力がある」など、昨年在籍したウィリン・ロサリオ選手と比べることで、なんとか心を落ち着かせようとしている。最近マルテ内野手の選球眼がいいのは、ただ単に手が出ていないだけでは…と思う時が多々あるのだが、心が壊れそうになるため、とりあえずは選球眼がいいのだと思うことにしよう。


さて、日曜の中央競馬の話に移ろう。土曜は京都11R・都大路Sで推したソーグリッタリングが完勝。直前になってオッズがグングン下がってしまったのは大誤算であった。


東京11R・ヴィクトリアマイルについては動画、"内ラチの上を走れ!"も参考にしていただきたい。

ヴィクトリアマイルの予想動画は⇒


動画の中でも触れたが、近年もストレイトガールがミッキークイーンやショウナンパンドラに圧勝しているように、中長距離実績馬をスピード豊富なマイラーが抑え込めるのがこのレース。安田記念より緩めのペースで、直線は切れ味が求められる。当然ディープインパクト産駒は強い。

実際近5年のヴィクトリアマイルで3着以内となったディープ産駒、ヴィルシーナ、ショウナンパンドラ、ミッキークイーン、ジュールポレール、レッドアヴァンセの5頭は全て、東京芝1600~1800mで上がり3F33秒台の末脚を使い連対している。

この"末脚を使う"という部分が大事。土曜の京王杯SCはレコード決着で全体時計も速かったが、上位3頭の上がり3Fはそれぞれ33.1、33.3、33.7。今開催の東京芝は、開幕週から直線でのトップスピードを求められることが多い。狙いはマイルで持ち時計があり、かつ速い上がりの使えるタイプのディープ産駒だ。

今年の同産駒出走馬は7頭。その内、マイルの持ち時計が1.32.9以内なのは4頭。その中で東京の1600~1800mで上がり3F33秒台を使い連対した経験があるのは、レッドオルガ、ワントゥワン、そして◎プリモシーンの3頭である。プリモシーンは左回りのマイルにおいて、ここまで3戦2勝。唯一の敗戦は出遅れた昨年のNHKマイルCだった。

前走のダービー卿CTの内容は濃密。前半3F33.9で入る前傾戦で外を回し、最後まで脚を伸ばして1.31.7で乗り切った。決して切れ味一辺倒でない、持続力があることを改めて示す内容だった。母父はダンジグ系ファストネットロック。ダンジグの血は高速決着に強く、東京でも31秒台の決着に対応可能だろう。今週の追い切りの動きは絶品。ゲートをうまく出て、道中中団少し前付近から競馬できればチャンスはある。


同じく持ち時計があり、上がりの脚も速いディープ産駒のレッドオルガも上位。ただ今開催はトップスピードが求められる馬場で、直線で前に壁のない外の馬たちが上位を占めるレースも多く、いくらBコース替わり2日目とはいえ、以前ほど過剰に内枠の有利はないだろう。馬群が直線でバラけるような展開が欲しい。

マイルの場合、テンから流れるレースで好走しやすいアエロリットがいるだけにペース次第となるが、阪神牝馬Sで中途半端な競馬となってしまったクロコスミアあたりが大穴になってきそうだ

ヴィクトリアマイル
◎プリモシーン
○レッドオルガ
▲アエロリット
☆クロコスミア
△④、⑥、⑦、⑮


たまに"運に見放された馬"を見かける。土曜の新潟10R・はやぶさ賞を制したナーゲルリングもそれ。馬場の内の状態がいい時に外枠を引いたり、内枠を引いたら揉まれたり…と、昨年末から踏んだり蹴ったりの状況が続いていた。枠が運で決まる以上、このような運に見放されている馬は出てくるものだ。

京都11R・栗東Sに出走する◎テーオーヘリオスも、そんな"運に見放された馬"の1頭。この馬、良馬場を好む割に、たびたび道悪ダートに当たるのだ。16年以降良馬場で(3.2.1.8)、湿ったダートで(0.0.1.7)という徹底ぶり。今年3戦は全て不良馬場。もはやかわいそうになる。確か筆者の小学生の同級生にものすごい雨男がいたが、匹敵するものを感じざるを得ない。干ばつの激しい西アフリカの国々に行けば国賓のような待遇を受けていいレベルである。

前走は苦手な不良馬場だったことを考えれば、1着から1.2秒離された3着も仕方ないところがある。1400mは守備範囲。過去に1度1400mの良馬場のオープンという条件があり、その時は2着。勝ち馬はフェブラリーS優勝馬のモーニンと、さすがに相手が悪かった。このメンバーなら実績上位。ジョッキーが血枠にうまく対応できれば上位食い込みはありそうだ。


もはや重賞のようなメンバーの東京9R・青竜Sも見どころ十分。最も強いのは3戦3勝のデアフルーグ。前走も、現在アメリカ遠征中のマスターフェンサー相手にワンサイドゲームを演じ、勝ち時計はマーチSとそこまで大きな差がないなど、底を見せていない。母パイクーニャンはスピードがある馬が多く、気性的にむしろ短縮はプラスと思えるものの、今回は初めての左回り、初めての最内枠、初めての芝スタートと超えるべきハードルは決して少なくない。

汐留の某テレビ局が制作している『はじめてのおつかい』という番組があるが、番組を見ていると、3歳の子どもたちは初めての経験を一度に多くこなそうとするとパニックになっている光景をよく目にする。馬の3歳と一緒にするなという話だが、話の流れで何となく例に出しているだけなのでご容赦願う。

そういえば、筆者の初めてのおつかいは近所の薬局にスポーツドリンクを買いに行くことだったらしい。「道路の端を歩くように」と母親に念入りに言われたらしく、道路脇の壁を張り付いて歩いて薬局へ向かったという話を、未だに両親にネタにされている。筆者にもそんなかわいらしい時代があったらしい。

どうでもいい話に脱線してしまった。デアフルーグと同じく無敗のカフェクラウンもポテンシャルはかなりのものとはいえ、ここまで持ち時計は1.39.2。青竜Sは良馬場でも1.37.0前後のタイムで決着することが多く、ポテンシャルの高さで来る可能性を残しつつも、不安が多いのは正直なところ。

持ち時計という意味では◎デュープロセスはなかなかのもの。前走の中京ダート1400mで叩き出した1.23.6は今年の中京開催で古馬を含めた22鞍中最速。ハイペースで展開が向いたとはいえ、そもそも追い込む競馬はこれが初めて。改めて競馬センス、スピード能力の高さを見せ付ける結果を残している。距離延長となるが、この時期の3歳ダートマイルのオープンは後の短距離馬でも足りるように、ごまかしは利く。外枠替わりは大きなプラス。スタミナ勝負にならなければ好勝負だろう。